30×47= を、
筆算にしないで、
このまま計算させます。
そうしたら、
30×47=12210 と計算した子です。
答え 12210 は、間違えています。
でも、
ほぼ正しくできています。
計算の組と、
計算順は、
正しくできています。
さて、
30×47= の計算は、
次のように行います。
① 30 の 0 を、
30×47= 0 と、離して書きます。
② 30 の 3 と、
47 の 7 を、
3×7=21 と掛けて、
21 の 1 を、
すでに書いている 0 の左に、
30×47= 10 と書いて、
21 の 2 は、繰り上がり数で覚えます。
③ 30 の 3 と、
47 の 4 を、
3×4=12 と掛けて、
覚えている繰り上がり数 2 を、
12+2=14 と足して、
すでに書いている 10 の左に、
30×47=1410 と書きます。
この計算から見て、
この子の計算、
30×47=12210 の
できている部分をハッキリとさせます。
最初に、0 を書くこと、
(30×47= 0)、
次に、3 と 7 を掛けること、
その答えを、0 の左に書くこと、
(30×47= 210)、
最後に、3 と 4 を掛けること、
その答えを、さらに左に書くこと、
(30×47=12210)が、
この子の計算です。
正しい計算と比べて、
できている部分が、
ほとんどすべてです。
この子は、
ほぼ正しく計算できています。
3×7=21 の 2 を、
繰り上がり数として覚えることと、
3×4=12 に足して、
12+2=14 とすることだけを、
この子に教えれば、
間違えた答えを出す計算:
30×47=12210 が正されて、
30×47=1410 になります。
そうですが、
これを言葉で教えようとすると、
間違えている部分だけを正すことに、
集中させることが難しいため
子どもを混乱させる危険があります。
そして、
混乱することで、
今できていることが、
できなくなってしまう恐れがあります。
言葉で教えると、
集中して聞いてほしい部分に、
子どもを集中させることが、
とても難しくなります。
この難点を解消し易いのが、
こちらが、
子どもの代行で、
計算し直してしまい、
その実況中継を見せる教え方です。
こうすると、
子どもは、
繰り上がりの計算のミスに気が付いて、
自力で計算の仕方を修正します。
以下は、
計算し直す実況中継の一例です。
まず、
30×47=12210 の
30 の 0 を示して、
「これ」と言ってから、
書いてある答え 12210 の 0 を示して、
「ここ、合っている」です。
次に、
30×47=12210 の
30 の 3 と、47 の 7 を順に示しながら、
「3×7=21」と言ってから、
書いてある答え 12210 の
右の 1 を示して、
「ここ、合っている」、
「指、2」と言ってから、
書いてある答え 12210 の
右の 2 を示して、
「書かない」です。
これで、
30×47=12210 の 2 が、
1 つ消えて、
30×47=1210 となります。
そして、
30×47=1210 の
30 の 3 と、47 の 4 を順に示しながら、
「3×4=12」と言ってから、
子どもが指に取った 2 を触って、
「2 を足して、14」と言ってから、
書いてある答え 1210 の
2 を示して、
「これ、4」です。
これで、
30×47=1210 が、
30×47=1410 と正されます。
文字で書くと、
このように長くなりますが、
計算し直す実況中継を見せるだけですから、
子どもが、
2 を消すことや、
2 を、4 に書き直すことを入れても、
時間にして、
20 秒くらいです。
20秒で計算し直す実況中継の中で、
ほとんどすべてが、
「合っている」ですから、
2 を消すことと、
4 を、2 に書き換えることが、
子どもの心に鮮明に残ります。
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