自分の計算に自信を持てない子が、「合っている?」と聞きます。このような子に、子どもがした計算を利用して、実況中継を見せて計算し直せば、自分がした計算を正しいと信じる見本になります。

 {\Large\frac{99}{9}}= を、計算します。

 

仮分数  {\Large\frac{99}{9}} を、

帯分数か、整数に変える計算です。

 

目の前の子は、

 {\Large\frac{99}{9}}=10 {\Large\frac{9}{9}} と計算してから、

「合っている?」と聞きます。

 

 {\Large\frac{99}{9}}=11 が、正しい答えですから、

間違えています。

 

だから、

「合っている?」と聞いた子に、

「間違っています」と教えたくなります。

 

でも、

この子を育てるためには、

いきなり、

正しい計算の仕方を

実況中継して見せてしまうことがお勧めです。

 

以下は、

実況中継の一例です。

 

いきなり、

計算をリードします。

 

子どもの計算  {\Large\frac{99}{9}}=10 {\Large\frac{9}{9}} を、

そのままにしておいて、

問題  {\Large\frac{99}{9}} の分子(上)の

99 の右(一の位)の 9 を隠して、

「9÷9=1」、

子どもの書いている答え 10 {\Large\frac{9}{9}}

1 を示して、

「合っている」です。

 

本当は、

「合っている」と言ってはいけないようです。

 

子どもの計算  {\Large\frac{99}{9}}=10 {\Large\frac{9}{9}} は、

99÷9= としていないようです。

 

2 けたの 99 を見て、

9×10=90 から、

10 を出しているらしいからです。

 

でも、

「合っている」と言います。

 

10 {\Large\frac{9}{9}} の 1 は、

どのような計算で出そうとも

正しいからです。

 

つまり、

自分の計算を、

正しいと信じてほしいからです。

 

続いて、

問題  {\Large\frac{99}{9}} の分子(上)の

99 の左(十の位)の 9 を隠して、

「9÷9=1」、

子どもの書いている答え 10 {\Large\frac{9}{9}}

 {\Large\frac{9}{9}} を示して、

「ここ、1」です。

 

実況中継を見ていた子は、

 {\Large\frac{99}{9}}=10 {\Large\frac{9}{9}} を、

 {\Large\frac{99}{9}}=11 と書き直します。

 

こうなったら、

こちらは、突然に、リードをやめます。

 

「分かった?」と聞きません。

「少し、違っています」と言いません。

 

このような実況中継を見せれば、

計算してから、

「合っている?」としないこちらを見ます。

 

真剣になって計算します。

そして計算したら、

自分の計算を、

「正しいと確信している」見本です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -436)、(分数  {\normalsize {α}} -172)