言葉で説明してもらうチャンスは多いのですが、スラスラと計算している誰かの姿を見るチャンスが減っているようです。スラスラと計算しているこちらを見せれば、子どもには、貴重なチャンスになります。

 {\normalsize {(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)=}}

計算の仕方を、

子どもから聞かれます。

 

普通の教え方は、

言葉で計算の仕方を教えます。

 

① かけ算であること。

② マイナス(-)の数だけを数えること。

③ - の個数が、

偶数であれば、+ が、

奇数であれば、- が、答えの符号になること。

④ 左から順に掛けていくこと。

 

このようなことを、

言葉で、

この子に説明します。

 

そして、

「分かりましたか?」、

「計算できますね・・」のようにします。

 

 

さて、

何かが抜ているのでは・・。

 

つまり、

スラスラ計算できる誰かの

例えば、

友人や、親や、先生の

スラスラと計算している姿そのものを

子どもが目にするチャンスが、

極端になくなっているのでは・・。

 

ですから、

このように感じているこちらは、

スラスラと計算している姿を

実況中継で見せるような教え方をします。

 

すると、

計算の仕方も伝わりますが、

ほとんど目にすることのない

スラスラと計算している姿そのものを

この子に見せることができます。

 

 

以下は、

計算している姿を見せる実況中継の例です。

 

 {\normalsize {(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)=}}

- の個数を、

左から順に、

- を示しながら、

「いち、に、さん、し、ご」と数えます。

 

そして、

 {\normalsize {(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)=}}

= の右を示して、

「マイナス」です。

 

計算の仕方を見せるのではなくて、

スラスラと計算しているこちらを見せます。

 

でも、

本当の計算を、

そのまま見せると、

音なしになります。

 

 {\normalsize {(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)=}} を、

こちらは、チラッと見たら、

 {\normalsize {(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)=-}} と書きます。

 

これでは、

見ている子は、

こちらが何をどうしているのか

少しも分かりません。

 

だから実況中継します。

 

こちらのスラスラとした計算の実況中継を

見て、聞いている子は、

 {\normalsize {(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)=-}} と、

- を書きます。

 

 

スラスラとした計算を見せる続きです。

 

 {\normalsize {(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)=-}}

左から 1 番目と 2 番目の 2 を示しながら、

「2 掛ける 2、4」、

3 番目の 2 を示しながら、

「2 を掛けて、8」、

4 番目の 2 を示しながら、

「2 を掛けて、16」、

5 番目の 2 を示しながら、

「2 を掛けて、32」、

= の右の - の右を示して、

「ここ、32」です。

 

見て、聞いている子は、

 {\normalsize {(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)\!(-2)=-}}32 と、

32 を書きます。

 

普通は、

ほとんど見ることのない

スラスラと計算している誰かを

目の当たりにすることで、

言葉では伝えることが難しい多くのことを、

この子は学びます。

 

 

同じ子が、

0×(-1 {\Large\frac{1}{3}} )= の計算の仕方を聞きます。

 

やはり、

スラスラと計算するこちらの姿を見せます。

 

見せる実況中継の一例です。

 

0×(-1 {\Large\frac{1}{3}} )= の 0 を示して、

「ゼロを掛けて」、

= の右を示して、

「ゼロ」です。

 

ただこれだけです。

 

強い印象を受けた子は、

0×(-1 {\Large\frac{1}{3}} )=0 と、

0 を書きます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -437)、(分数  {\normalsize {α}} -173)