たし算の計算を終わらせると、子どもが、自分自身と約束します。計算を始めます。途中で、眠気に襲われてウトウトし始めます。これは、自分との約束を守る誠実さを育てるチャンスです。

「たし算をやってしまったら・・」と誘います。

 

「うん、そうする」と子どもが応じます。

 

約束です。

「たし算の計算練習をしてしまう」約束です。

 

子どもは、

約束をしたと、

ほとんど意識していませんし、

そのように思ってもいませんが、

これは、

子どもが自分自身とする約束です。

 

そして、

自分との約束を守ることを、

誠実さといいますから、

子どもは、

そうとは意識していませんが、

たし算の計算を終わらせることで、

誠実さを育てています。

 

こちらが、

「たし算をやってしまったら・・」と、

誘っています。

 

だから、

こちらとの約束として、

「うん、そうする」ではありません。

 

7+4=、8+6=、9+5=、6+8=、2+9=、

7+8=、9+4=、7+6=、8+9=、7+7=、

・・・・・

 

このようなたし算 100 問を計算するのは、

子どもです。

 

子どもが、

7+4= の 7 の次の 8 から、

+4 の 4 回、

8、9、10、11 と数えて、

答え 11 を出して、

7+4=11 と書きます。

 

「たし算の計算を終わらせる」は、

子どもが自分とした約束です。

 

少し別の言い方をすれば、

「たし算をやってしまったら・・」のような

刺激を受けた子が、

自分がどう反応するのかを、

反応を選ぶ力で選んで、

「うん、そうする」と反応しています。

 

そして、

計算し始めますが、

疲れているのでしょうか、

途中で眠くなります。

 

ウトウトし始めます。

 

眠気に襲われます。

 

さて、

ここで、もう一度ですが、

眠気は、

この子が受けた刺激です。

 

この子が選ぶことのできる反応は、

「中断して寝てしまう」や、

「自分との約束だから、

最後まで、数える計算を続ける」があります。

 

普通は、

眠気の刺激に対して、

選ぶと意識していないままに、

しばらく寝てしまう反応を選ぶ子が多いようです。

 

このようなとき、

こちらは、

自分との約束を守る誠実さを

この子に育てるチャンスですから、

数えるたし算を手伝います。

 

「こちらとの約束」ではなくて、

「子ども自身との約束」であることを、

こちらはハッキリと意識して、

例えば、

次のような手伝い方をします。

 

子どもの真後ろから、

鉛筆を持った子どもの手を包み持って、

止まっているたし算 9+4= の 9 を、

子どもの鉛筆の先でつつき、

歯切れのよい小声で、

「く」と読み、

4 を鉛筆でつついてから、

「じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん」と

声に出して数えて、

包み持った子どもの手を動かして、

9+4=13 と書きます。

 

このようにして、

5~6 問こちらがリードして、

計算してしまいます。

 

ウトウトしていても、

自分の手を動かされています。

感じています。

 

たし算の数える計算が、

耳元に、

聞こえています。

 

1 問、

2 問と計算が進んでいます。

 

とても自然に、

自分で計算する気持ちが強くなります。

計算できるからです。

 

こちらは、

鉛筆を持った手を包み持っていますから、

子どもが、

自分で動かそうとしている変化を感じます。

 

こうなったら、

手伝うことをやめます。

 

 

計算を手伝っていません。

 

自分との約束を守る誠実さが育つことを

手伝っています。

 

刺激に対して、

反応を選ぶ力が育つことを

手伝っています。

 

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