分子と分母が、同じ数の分数を、1 と計算できます。数が、文字に変わって、分子と分母が、同じ文字の分数式になると、0 とする子がいます。

 {\Large\frac{{m^{2}n}}{{mn^{2}}}}= を約分します。

分数式の約分です。

 

 {\Large\frac{{m^{2}n}}{{mn^{2}}}} {\Large\frac{m}{n}} と、

正しく計算できる子です。

 

この子が、

 {\Large\frac{m}{m}}= の約分を、

 {\Large\frac{m}{m}}=0 としてしまいます。

 

文字の魔力でしょう。

 

この子も、

数字でしたら、

このような間違いをしません。

 

 {\Large\frac{2}{4}}= の約分を、

 {\Large\frac{2}{4}} {\Large\frac{1}{2}} とできます。

 

そして、

 {\Large\frac{2}{2}}= でしたら、

約分と見て、

上と下を 2 で割って、

 {\Large\frac{2}{2}} {\Large\frac{1}{1}} としたりしないで、

上÷下(分子÷分母)と見て、

 {\Large\frac{2}{2}}=1 とできます。

 

もちろん、

 {\Large\frac{2}{2}}=0 とすることもありません。

 

数字 2 が、

文字 m に変わっただけなのに、

 {\Large\frac{m}{m}}=0 と、

計算します。

 

ただし、

習う時期が違います。

 

 {\Large\frac{2}{4}} {\Large\frac{1}{2}} や、

 {\Large\frac{2}{2}}=1 は小学算数です。

 

 {\Large\frac{m}{m}}= の約分は、

高校数学です。

 

結び付かないのが普通でしょう。

 

 

教えます。

 

お勧めの教え方は、

とてもシンプルです。

 

子どもの書いた  {\Large\frac{m}{m}}=0 の 0 を示して、

「ここ、1」と言うだけです。

 

 {\Large\frac{m}{m}}= は、分数式です。

その約分です。

 

だから、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{m}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{m}\\1\end{matrix}\,}}= のように、

「m で割る」と説明すると、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{m}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{m}\\1\end{matrix}\,}} {\Large\frac{1}{1}} になってしまいます。

 

かと言って、

「m÷m」と説明すれば、

m÷m=1 ですから、

 {\Large\frac{m}{m}}=1 とできますが、

約分の計算は、

分子÷分母ではありませんから、

とても不自然です。

 

しかも子どもは、

説明を聞いたために、

分かったような、

分からないような、

気持ちの悪さが残ってしまいます。

 

 {\Large\frac{m}{m}}=0 の 0 を示して、

「ここ、1」とだけ言われたら、

子どもは素直に、

 {\Large\frac{m}{m}}=1 と書き直します。

 

そして、

自分が書いたことで、

「なるほど!」と理解してしまいます。

 

とても不思議なことですが、

子どもは、

すべてを説明してもらえると、

思ってはいないようです。

 

何かを正しいと認めて、

それを利用するゲームが、

算数や数学の計算と、

理解しているようです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -447)、(分数  {\normalsize {α}} -178)