連立方程式の解き方の代入法は、「なじむ」まで時間のかかる子がいます。「なじむ」や、「なじめない」は感情です。理屈で説明しても解決が難しい問題です。

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=x+3\\x+y=1\end{array}\right.\end{eqnarray}} を、

1 番目の式 y=x+3 の x+3 を、

2 番目の式 x+y=1 の y に、

x+(x+3)=1 のように代入します。

 

この式 x+(x+3)=1 は、

x だけの方程式ですから、

2x+3=1 、

2x=1-3 、

2x=-2 、

x=-1 と解くことができます。

 

このように、

1 番目の式 y=x+3 を、

2 番目の式 x+y=1 に代入する解き方を

代入法といいます。

 

この代入法は、

ある子には、

とても不自然に感じるようで、

「なじむ」まで時間がかかります。

 

だから、

「なじむ」まで、

さまざまな不自然な解き方をします。

 

例えば、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=2x-1\\x+y=8\end{array}\right.\end{eqnarray}} で、

1 番目の式 y=2x-1 の 2x-1 を、

2 番目の式 x+y=8 の y に、

代入して、

x-(2x-1)=8 とします。

 

x+(2x-1)=8 とすれば、

正しいのですから、

ほんの少しの違いです。

 

かっこ(   )の前の符号を、

この子は、- にしています。

 

この - が、

どこからなのか分かりませんが、

子どもには、- なのです。

 

もちろん、

ただのウッカリミスなのかも知れません。

 

でも、

子どもには、

- とする理由があって、

こうしていると仮定します。

 

だから、

代入法に「なじむ」までの

不自然な解き方です。

 

教えて正します。

 

言葉で、説明して、

理解できるようにしようとすると、

理屈になります。

 

代入法に「なじむ」までの間の

不自然な解き方ですから、

理屈ではなくて、

「なじむ」という感情です。

 

言葉で、

理屈を説明して、

「なじめない」感情を、

「なじむ」感情に入れ替えることは、

できないことはないのでしょうが、

とても難しいことです。

 

子どもは、

すでに「なじめない」気持ちを感じています。

 

代入法に、

何かしっくりとしないのでしょう。

 

このような状態の子に、

効果的なリードは、

言葉で理屈を説明しないで、

ただ解くことです。

 

そして、

子どもが書いている間違えている式は、

子どもには愛着がありますから、

この式 x-(2x-1)=8 を、

正す手伝いです。

 

子どもに愛着のある

自分が書いている式 x-(2x-1)=8 を、

そのまま利用しますから、

子どもは、

こちらのリードを、

見て、聞いてくれます。

 

x-(2x-1)=8 の

最初の x を示して、

「この x 」、

問題 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=2x-1\\x+y=8\end{array}\right.\end{eqnarray}}

2 番目の式 x+y=8 の

最初の x を示して、

「これ」、

「合っている」です。

 

続いて、

x-(2x-1)=8 の

かっこ(   )の前の符号 - を示して、

「このマイナス」、

問題 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y=2x-1\\x+y=8\end{array}\right.\end{eqnarray}}

2 番目の式 x+y=8 の

x と y の間の + を示して、

「これだから、プラス(+)」です。

 

このようにリードすれば、

子どもは素直に、

自分が書いた式 x-(2x-1)=8 の

かっこ(   )の前の符号 - を、

+ に書き直します。

 

ここまでのリードで、

間違えている式 x-(2x-1)=8 が、

x+(2x-1)=8 に書き直されます。

 

この続きも、

同じように、

子どもが書き直した式 x+(2x-1)=8 を

見直すことで、

残りは、正しいことを、

子どもに納得させることができます。

 

このようにして、

「なじめない」気持ちが、

「なじむ」気持ちに入れ替わる手助けをします。

 

(基本  {\normalsize {α}} -450)、(分数  {\normalsize {α}} -179)