子どもの心の中を見ることはできませんが、同じ「整数-分数」の計算をできない子に、この子の心が、「できない」と固く決めているように感じます。このような子への教え方は、愚直に、繰り返し教えるだけです。

1-2÷3= を、

ようやく自力で

計算できるようになりました。

 

計算自体は、

次のようにします。

 

1-2÷3= は、

「-」と、

「÷」の混ざった式です。

 

四則混合の計算ですから、

計算順から決めます。

 

計算順は、

ルールから、

① ÷(わり算)、

② -(ひき算)です。

 

このように計算順を決めたら、

最初の計算 ÷ からです。

 

÷ を計算します。

 

2÷3= の答えは、

 {\Large\frac{2}{3}} の分数です。

 

分数を習う前でしたら、

2÷3=0・・・2 のような

あまりのあるわり算になりますが、

分数を習っていますから、

2÷3= {\Large\frac{2}{3}} です。

 

計算で理解したいのでしたら、

2÷3= の 2 を、 {\Large\frac{2}{1}} に、

3 を、 {\Large\frac{3}{1}} にすれば、

2÷3= {\Large\frac{2}{1}}÷ {\Large\frac{3}{1}}= と、

分数のわり算にします。

 

分数のわり算は、

 {\Large\frac{2}{1}}÷ {\Large\frac{3}{1}} {\Large\frac{2}{1}}× {\Large\frac{1}{3}}= と、

分数のかけ算に変えて計算しますから、

 {\Large\frac{2}{1}}× {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{2}{3}} です。

 

いきなり分数にする

2÷3= {\Large\frac{2}{3}} と同じ答えです。

 

こうして、

1-2÷3= の最初の計算の

わり算(÷)を計算したら、

次の計算は、

1-2÷3=1- {\Large\frac{2}{3}}= のひき算です。

 

この 1- {\Large\frac{2}{3}}= のひき算は、

1 を、 {\Large\frac{3}{3}} の分数にしてから、

1- {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{3}{3}} {\Large\frac{2}{3}}= として、

答え  {\Large\frac{1}{3}} を出します。

 

この子は、

計算順を決めることと、

2÷3= {\Large\frac{2}{3}} の計算をできます。

 

でも、

整数 1 から、

分数  {\Large\frac{2}{3}} を引くひき算が、

「できない」と心で、

固く決めていたようです。

 

だから、

自分が決めたように、

1- {\Large\frac{2}{3}}= を計算できませんでした。

 

こちらは、

子どもが、

1- {\Large\frac{2}{3}}= の計算で詰まると、

それが何回目であろうとも、

ただ「出し方」を、

こちらの計算の実況中継を見せて、

教え続けました。

 

子どもが、

1= {\Large\frac{3}{3}} としてから、

1- {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{3}{3}} {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{3}} と計算する手伝いです。

 

こうすると、

何回目かのときに、

突然のように、

子どもの心が、

「できない」と決めていることを諦めて、

「できる」とするように変わります。

 

このような心の変化が起こった子は、

1-2÷3=1- {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{3}{3}} {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{3}} と、

自力で計算するようになります。

 

「できない」と、

固く決めていた心が、

「できない」と決めることを諦めて、

「できる」に入れ替わるような、

心の変化を、

言葉で促すことは、

とても難しいようです。

 

もちろん、

子どもの心の中は見えません。

 

子ども自身も、

自分の心が、

「できない」と決めていると

気付いていないようです。

 

だから、

こちらの推測なのですが、

「できない」と決めていると、

仮定して子どもを指導すると、

子どもに優しくなれます。

 

子どもの心が、

「できない」と決めていることを承知で、

1= {\Large\frac{3}{3}} としてから、

1- {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{3}{3}} {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{3}} と計算する手伝いを、

子どもが、

何回 1- {\Large\frac{2}{3}}= の計算に詰まっても、

今回が初めてのように手伝います。

 

こうすると、

この子の心が必要とする回数、

1- {\Large\frac{2}{3}}= を、

 {\Large\frac{3}{3}} {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{3}} と計算する経験を重ねれば、

子どもの心が、

「できない」と決めることを諦めます。

 

それでも、

3-4÷5=3- {\Large\frac{4}{5}}=2 {\Large\frac{5}{5}} {\Large\frac{4}{5}}=2 {\Large\frac{1}{5}} は、

この子の心が、

「できない」と、

今も固く決めていますから、

やはり、

こちらが手伝います。

 

(基本  {\normalsize {α}} -463)、(分数  {\normalsize {α}} -189)