子どもは、計算問題を出されると、計算して答えを出します。出す向きを向きます。このように出す向きを向いている子に、間違えた計算の直し方を教えるとき、計算して答えを出すことだけを教えます。こうして、子どもと同じ向きの出す向きを向きます。

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ と、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 35 \\ \hline \end{array} }} \\

繰り下がりの有無で混乱しています。

 

繰り下がりが、無いのに、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ のように計算します。

 

正しくは、 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:41\end{array} }} \\ です。

上から下を、そのまま引くことができます。

 

あるいは、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:39\end{array} }} \\ のように、

繰り下がりが、有るのに、

無いような計算です。

 

正しい計算は、 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:29\end{array} }} \\ です。

 

でも、

このように見ることができるのは、

こちらです。

 

当の子どもは、

筆算のひき算の計算をして、

その答えを出しているだけです。

 

子どもは、

計算問題 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ を前にしたら、

計算して答えを出します。

 

これが、

子どものしていることです。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ の 4 と 3 を見て、

4-3=1 と計算して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ と書きます。

 

次に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:\:\:\:1\end{array} }} \\ の 64 の 6 を見て、

1 減らして、

5 にして、

5-2=3 と計算して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ と書きます。

 

この子は、

間違えた計算をしたのではなくて、

問題 { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 64 \\ - 23 \\ \hline \end{array} }} \\ を前にして、

計算して答えを出して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ と書いています。

 

子どもがしていることは、

計算して答えを出すことです。

 

計算して、

その結果、

答えが間違えていますから、

「×」が付きます。

 

この子に、

間違えた計算  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ の直し方を教えます。

 

こちらは、

答えを出すことだけを教えるようにします。

子どもと同じ向きを向くためです。

 

「混乱しているようですね・・」や、

「繰り下がりがないので・・」と、

言葉で説明して、

計算の仕方を理解させようとすると、

こちらは、

答えを出す向きではなくて、

言葉で説明することで、

子どもに入れようとしていますから、

向きが逆向きになります。

 

そうではなくて、

子どもに何も入れようとしないで、

計算して答えを出すことだけに絞れば、

こちらも、

子どもと同じ向きを向くことができます。

 

以下は、

計算して答えを出すだけの教え方の

具体的な一例です。

 

子どもの書いた答え  {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\

そのまま残して、

これを利用します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ の 4 と 3 を示して、

「し引くさん、いち(4-3=1)」、

子どもが書いている答え 31 の 1 を示して、

「合っている」です。

 

計算して答えを出しているだけです。

出す向きです。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:31\end{array} }} \\ の 6 と 2 を示して、

「ろく引くに、し(6-2=4)」、

子どもが書いている答え 31 の 3 を示して、

「これ、し(4)」です。

 

計算して答えを出しているだけです。

子どもと同じ、出す向きです。

 

だから、

子どもは素直に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 23\\ \hline \:41\end{array} }} \\ と書き直します。

 

そして、

書き直すことで、

「ろく(6)のままなのだ!」と納得します。

 

このような教え方をすれば、

計算して答えを出しているだけですから、

子どもとまったく同じ向きです。

 

 

参考のために、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:39\end{array} }} \\ を直す教え方を、

以下に書きます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:39\end{array} }} \\ の 4 と 5 を示して、

「し引くご(4-5=)、引けない」、

「じゅうし引くご、く(14-5=9)」、

子どもが書いている答え 39 の 9 を示して、

「合っている」です。

 

やはり、

計算して答えを出しているだけです。

出す向きです。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:39\end{array} }} \\ の 6 を示して、

「いち減って、ご(5)」、

35 の 3 を示して、

「ご引くさん、に(5-3=2)」、

子どもが書いている答え 39 の 3 を示して、

「これ、に(2)」です。

 

計算して答えを出しているだけです。

子どもと同じ、出す向きです。

 

子どもは素直に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:64 \\ -\: 35\\ \hline \:29\end{array} }} \\ と書き直します。

 

そして、

書き直すことで、

「いち(1)減って、ご(5)になるのだ!」と納得します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -470)、(+-  {\normalsize {α}} -279)