0.2×= のような計算で、
どのように計算するのかを
計算する前に考える子がいます。
例えば、
小数 0.2 を分数に変えて、
分数のかけ算は、
途中約分をしてから、掛けて、
答えが仮分数であれば、
帯分数に変える・・のように、
計算をデザインできる子です。
それから、
自分が決めたデザインのように計算します。
まず、
小数 0.2 を、
分数 にして、
2 で約分すれば、 です。
次に、
分数のかけ算 ×= は、
途中約分できますから、
×= と約分してから、
分子同士を、1×1=1 と、
分母同士を、1×6=6 と掛けて、
×= と計算します。
通して書くと、
0.2×=×=×= です。
0.2×= の計算をする前に、
計算の仕方を、
事前にデザインできなくても、
小数を分数に変えることができて、
途中約分できれば、
やはり、
0.2×=×=×= と、
計算することができます。
つまり、
事前に計算の仕方をデザインできなくても、
必要な計算の力が残っていれば、
0.2×=×=×= と、
計算できます。
でも、
計算する前に、
どのような計算の力が必要なのかを、
問題 0.2×= を見て、
考えていませんから、
出たとこ勝負の計算になります。
問題 0.2×= を見て、
計算する前に、
計算の仕方をデザインできる子は、
ごく限られた少数の子どもだけですから、
ほとんどの子は、
出たとこ勝負の計算で、
鉛筆を動かしていきます。
すると、
問題 0.25×3= で、
小数 0.25 を、
分数 = に変えて、
×3= と、できますが、
帯分数 3 を、
仮分数に変えることができないために、
ここで計算が止まります。
出たとこ勝負の計算で、
鉛筆を動かして計算し始めて、
計算の仕方を思い出せない計算で、
止まってしまいます。
こうなると、
普通は、
ジッとして、
止まったままになって、
教えてくれる誰かが、
手を差し伸べてくれるのを待ちます。
「聞けばいいのに」や、
「聞くことくらいできるだろう」と思うのですが、
不思議と、
自分から、聞かないで、
止まったままになるのが普通です。
「どうしたの?」と声を掛けられたら、
この子は、
救いの手を待っていたのですから、
「分からない」となります。
と、
このような流れになりますから、
ジッとして、
止まっていたら、
こちらは、
チラッと一瞬間、
0.25×3=×3= を見て、
帯分数 3 を、
仮分数に変えることができなくなっていると、
判断できます。
そうしたら、
すぐに、続きの計算をリードします。
×3= の続きを、
×3=× まで書かせて、
「棒、下、5」で、
×3=× と準備して、
帯分数 3 の 3 と 5 を示して、
「3×5=15」、
分子 1 を示して、
「1 足して、16」、
「ここ」で、
×3=× とリードします。
この続きは、
子どもに任せることもできそうですが、
ジッとして、
止まっていた子ですから、
計算の勢いがまだありませんので、
最後まで、
計算をリードしてしまいます。
× の
左下の 4 と、右上の 16 を示して、
「4 で約分」、
左下の 4 に線を引いて消させてから、
「1」、
右上の 16 に線を引いて消させてから、
「4」です。
これで、
×= のようにして、
分子同士と、
分母同士を掛けて、
×= とリードします。
帯分数 3 を、
仮分数に変えることができなくて、
ジッとして、
止まっている子に、
いきなり、
計算の仕方だけをリードするのですから、
子どもはすぐに、
真剣になって、
こちらが見せる計算の仕方を吸収します。
大人に同じようなことをすると、
「えっ、ちょっと待って・・」となりますが、
子どもは、
すぐに計算モードに入れ替わって、
計算の仕方を吸収します。
子どもの
自らの急変から、
帯分数を仮分数に変える計算に、
とても強い印象が残ることを期待します。
帯分数 3 を、
仮分数 に変える計算の仕方に、
「そうだった!」のような、
強い感情が付けば、
思い出しやすくなります。
(基本 -473)、(分数 -194)