小数の混ざった分数計算のレベルでは、出たとこ勝負の計算をする子が多いのですから、思い出せればできます。思い出せなければ、ジッと止まります。

0.2× {\Large\frac{5}{6}}= のような計算で、

どのように計算するのかを

計算する前に考える子がいます。

 

例えば、

小数 0.2 を分数に変えて、

分数のかけ算は、

途中約分をしてから、掛けて、

答えが仮分数であれば、

帯分数に変える・・のように、

計算をデザインできる子です。

 

それから、

自分が決めたデザインのように計算します。

 

まず、

小数 0.2 を、

分数  {\Large\frac{2}{10}} にして、

2 で約分すれば、 {\Large\frac{1}{5}} です。

 

次に、

分数のかけ算  {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{5}{6}}= は、

途中約分できますから、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}}= と約分してから、

分子同士を、1×1=1 と、

分母同士を、1×6=6 と掛けて、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}} {\Large\frac{1}{6}} と計算します。

 

通して書くと、

0.2× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{5}{6}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}} {\Large\frac{1}{6}} です。

 

 

0.2× {\Large\frac{5}{6}}= の計算をする前に、

計算の仕方を、

事前にデザインできなくても、

小数を分数に変えることができて、

途中約分できれば、

やはり、

0.2× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{5}{6}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}} {\Large\frac{1}{6}} と、

計算することができます。

 

つまり、

事前に計算の仕方をデザインできなくても、

必要な計算の力が残っていれば、

0.2× {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{1}{5}}× {\Large\frac{5}{6}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{6}} {\Large\frac{1}{6}} と、

計算できます。

 

でも、

計算する前に、

どのような計算の力が必要なのかを、

問題 0.2× {\Large\frac{5}{6}}= を見て、

考えていませんから、

出たとこ勝負の計算になります。

 

 

問題 0.2× {\Large\frac{5}{6}}= を見て、

計算する前に、

計算の仕方をデザインできる子は、

ごく限られた少数の子どもだけですから、

ほとんどの子は、

出たとこ勝負の計算で、

鉛筆を動かしていきます。

 

すると、

問題 0.25×3 {\Large\frac{1}{5}}= で、

小数 0.25 を、

分数  {\Large\frac{25}{100}} {\Large\frac{1}{4}} に変えて、

 {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}}= と、できますが、

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} を、

仮分数に変えることができないために、

ここで計算が止まります。

 

出たとこ勝負の計算で、

鉛筆を動かして計算し始めて、

計算の仕方を思い出せない計算で、

止まってしまいます。

 

こうなると、

普通は、

ジッとして、

止まったままになって、

教えてくれる誰かが、

手を差し伸べてくれるのを待ちます。

 

「聞けばいいのに」や、

「聞くことくらいできるだろう」と思うのですが、

不思議と、

自分から、聞かないで、

止まったままになるのが普通です。

 

「どうしたの?」と声を掛けられたら、

この子は、

救いの手を待っていたのですから、

「分からない」となります。

 

 

と、

このような流れになりますから、

ジッとして、

止まっていたら、

こちらは、

チラッと一瞬間、

0.25×3 {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}}= を見て、

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} を、

仮分数に変えることができなくなっていると、

判断できます。

 

そうしたら、

すぐに、続きの計算をリードします。

 

 {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}}= の続きを、

 {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{1}{4}}× まで書かせて、

「棒、下、5」で、

 {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{1}{4}}× {\Large\frac{\:\:\:}{5}} と準備して、

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} の 3 と 5 を示して、

「3×5=15」、

分子 1 を示して、

「1 足して、16」、

「ここ」で、

 {\Large\frac{1}{4}}×3 {\Large\frac{1}{5}} {\Large\frac{1}{4}}× {\Large\frac{16}{5}} とリードします。

 

この続きは、

子どもに任せることもできそうですが、

ジッとして、

止まっていた子ですから、

計算の勢いがまだありませんので、

最後まで、

計算をリードしてしまいます。

 

 {\Large\frac{1}{4}}× {\Large\frac{16}{5}}

左下の 4 と、右上の 16 を示して、

「4 で約分」、

左下の 4 に線を引いて消させてから、

「1」、

右上の 16 に線を引いて消させてから、

「4」です。

 

これで、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{4}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}4\\\cancel{16}\end{matrix}\,}{5}}= のようにして、

分子同士と、

分母同士を掛けて、

 \require{cancel}\displaystyle {\frac{1}{\begin{matrix}\cancel{4}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}4\\\cancel{16}\end{matrix}\,}{5}} {\Large\frac{4}{5}} とリードします。

 

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} を、

仮分数に変えることができなくて、

ジッとして、

止まっている子に、

いきなり、

計算の仕方だけをリードするのですから、

子どもはすぐに、

真剣になって、

こちらが見せる計算の仕方を吸収します。

 

大人に同じようなことをすると、

「えっ、ちょっと待って・・」となりますが、

子どもは、

すぐに計算モードに入れ替わって、

計算の仕方を吸収します。

 

子どもの

自らの急変から、

帯分数を仮分数に変える計算に、

とても強い印象が残ることを期待します。

 

帯分数 3 {\Large\frac{1}{5}} を、

仮分数  {\Large\frac{16}{5}} に変える計算の仕方に、

「そうだった!」のような、

強い感情が付けば、

思い出しやすくなります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -473)、(分数  {\normalsize {α}} -194)