3元1次連立方程式を解く前に、「何、消す?」と、「どうする?」が、子どもの内面で、自分に問う習慣になるように育てます。このプロセスで、子どもは、「解くための式の見方」を修得します。

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3x-4y+z=-8\\4x-2y+3z=1\\5x+2y+2z=1\end{array}\right.\end{eqnarray}} を、

解く前に、

子どもに聞きます。

 

「何、消す?」です。

 

聞かれた子どもは、

式を見ます。

 

でも、

決められないようです。

 

迷っています。

 

 

こちらの質問 : 「何、消す?」の答えは、

x なのか、

y なのか、

z なのかのどれかです。

 

子どもは、分かっています。

 

だから、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3x-4y+z=-8\\4x-2y+3z=1\\5x+2y+2z=1\end{array}\right.\end{eqnarray}} を見て、

x か、y か、z かを、

決めようとしています。

 

 

このように、

子どもが迷っているとき、

普通の教え方では、

ユックリと考えることができるようにします。

 

x か、y か、z かを、

子どもが決めるまで、

ジッと待ちます。

 

「何、消す?」に、

子どもが答えるのを、

待ちます。

 

 

でも、

こうすると、

一定の速いスピードで答えを出すことで、

学べることを学ぶことが、

できなくなります。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3x-4y+z=-8\\4x-2y+3z=1\\5x+2y+2z=1\end{array}\right.\end{eqnarray}} を、

ジックリと時間をかけて、見て、

「何、消す?」の答えを出していたら、

連立方程式を解くための

式の見方を修得できません。

 

「何、消す?」と聞かれて、

1~2 秒で、

「 y 」と答えれば、

解くための式の見方に上達します。

 

 

実は、

連立方程式を解くための式の見方を、

言葉で説明して、

つかませることは、

とても難しいことなのです。

 

できないことではないでしょうが、

それは、

「解くための式の見方」を、

子どもが修得するための

手助け程度のことなのです。

 

「解くための式の見方」そのものを、

言葉で説明して、

伝えることは、

できない相談です。

 

 

こちら自身、

連立方程式 {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3x-4y+z=-8\\4x-2y+3z=1\\5x+2y+2z=1\end{array}\right.\end{eqnarray}} を見たら、

1~2 秒で、

「 y 」を消すことと、

2 番目の式と、3 番目の式を足すことと、

3 番目の式を、2 倍して、

1 番目の式と足すことを決めます。

 

どこをどのように見て、

どのように考えて、

そして、

このように決めていると、

言葉にしようとしてもできない相談です。

 

「全体を見る」や、

「係数(文字 x や、y や、z の前の数)だけを、

その位置で見る」のように説明しても、

「解くための式の見方」の

説明になってはいません。

 

「解くための式の見方」とは、

このように、

正体を特定することが難しい

何らかの力なのです。

 

この正体不明な

「解くための式の見方」を、

子どもにつかませるために、

「何、消す?」と、

子どもに聞いています。

 

 

1~2 秒待って、

子どもが答えないようでしたら、

こちらから、

「 y 」と、

答えだけを教えます。

 

どうして、y なのかの説明も、

どのように探したのかも、

説明しにくいのでしません。

 

ただ、

ズバリ、

「 y 」と教えます。

 

 

こうしてから、

「どうする?」と聞きます。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3x-4y+z=-8\\4x-2y+3z=1\\5x+2y+2z=1\end{array}\right.\end{eqnarray}} の y を、

どのように消すのかを、

子どもに聞きます。

 

 

すると子どもは、

y の前の数(係数)を、

上から順に見ます。

 

上から順に、

-4 、

-2 、

+2 です。

 

そして、

2 番目の「-2」と、

3 番目の「+2」を足せば、

0 になることと、

3 番目の「+2」を、2 倍した「+4」を、

1 番目と足せば、

0 になることを見つけます。

 

その子らしい言い方で、

説明してくれます。

 

そして、

これが、解き方になります。

 

 

このようにして、

「解くための式の見方」で、

どのように解くのかを決めます。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}3x-4y+z=-8\\4x-2y+3z=1\\5x+2y+2z=1\end{array}\right.\end{eqnarray}} でしたら、

「 y 」を消すことと、

(2 番目)+(3 番目)と、

2×(3 番目)+(1 番目)です。

 

 

「何、消す?」と、

「どうする?」が、

子どもが、

心の中で、

自分に聞くようになるまで、

つまり、

「何、消す?」と、

「どうする?」を、

自分に聞く習慣が子どもに育つまで、

繰り返し聞き続けます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -483)、(分数  {\normalsize {α}} -199)