8+5=、6+4=、5+9=、7+5=、8+7=、
・・・のようなたし算 50 問を計算します。
8+5= の 8 を見て、
その次の 9 から、
+5 の 5 回、
9、10、11、12、13 と数えて、
答え 13 を出して、
8+5=13 と書きます。
そして、
次の問題 6+4= の 6 を見て、
その次の 7 から、
+4 の 4 回、
7、8、9、10 と数えて、
答え 10 を出して、
6+4=10 と書きます。
この続きも、
同じように数えて計算して、
50 問を計算します。
さて、
子どもは、
実にさまざまな習慣にコントロールされて、
計算しています。
8+5=、6+4=、5+9=、7+5=、8+7=、
・・・のようなたし算の計算をしている子に、
普通に見られる習慣を、
思い付く順に列挙します。
行動として見える習慣も、
心の中を推測している習慣も、
列挙します。
習慣ですから、
そうしている理由がハッキリとしません。
何となくそうしている行動です。
つまり、
同じような行動を繰り返す習慣です。
計算する前に、
問題数を数える習慣。
これは、意外に多くの子がします。
「50 問もある」、
「あ~ぁ・・」と心で思う習慣。
こちらが多いようです。
「なんだ、すぐだ・・」と張り切る習慣。
こちらは少ないようです。
8+5= の 8 を見て、
心の中で、
「はち」と読む習慣。
自分がしていることですが、
そうする理由を知らないで、
「はち」と読んでいます。
8 を見るだけで、
次の数 9 が心に浮かぶ習慣。
ほとんど見られない習慣です。
+5 の 5 を見て、
「5 回か・・」と確認する習慣。
これも珍しい習慣です。
9、10、11、12、13 と、
指を折りながら、
声に出して数える習慣。
多くの子がしている習慣です。
次の問題 6+4= の 6 をすぐに見る習慣。
こうあってほしいのですが、少数です。
1 問計算して、
8+5=13 と書いたら、
ため息をつく習慣。
多くの子で、見られます。
5~6 問計算したら、
しばらく、ボ~ッとして、
計算から離れる習慣。
集中を切らす習慣です。
多くの子が、こうします。
次々に、
一定の速いリズムで計算して、
50 問を、3~4分で終わらせる習慣。
こうあってほしい習慣です。
このように、
実にさまざまな習慣を観察できます。
ここでは、
答えを出すまでの計算のスピードのような
習慣とは思えない習慣を説明します。
問題 8+5= を見てから、
8+5=13 と書くまでの時間が、
この 1 問を、
計算するときの計算のスピードです。
この計算のスピードは、
そうとは思えないでしょうが、
習慣です。
8+5= の 8 を見るスピード、
その次の 9 を出すスピード、
+5 を見るスピード、
数える回数を 5 回と決めるスピード。
9、10、11、12、13 と数えるスピード、
最後の 13 を答えと理解するスピード、
8+5=13 と書くスピードの合計が、
この 1 問を、
計算するときの計算のスピードです。
ユックリと、モタモタと計算している子に、
「どうして、そんなに遅いの?」、
「もっと速く計算できはず」と、
こちらが感じて、
「もっと速く計算してごらん・・」と、
促すことがあります。
でも、
「もっと速く」と促されても、
子どもは困ってしまいます。
ユックリと、モタモタとした計算は、
習慣がしているスピードです。
しかも子どもは、
そのような習慣を
選んで持ったのではありませんし、
習慣を変えようとしても、
変え方を知らないのが普通です。
だから、
「分かった」と言って、
計算のスピードを速めようとしても、
習慣に邪魔されてできませんから、
困ってしまいます。
計算のスピードが習慣であると、
こちらが理解できていれば、
計算のスピードそのものを変えようとしないで、
習慣を入れ替えようとします。
「もっと速く」と促すことは、
計算のスピードそのものを変えようとしています。
「もっと速く」と促さないで、
ユックリと、モタモタと計算する習慣を、
テキパキと、サッサと計算する習慣に、
子ども自身が、
入れ替える手伝いだけをします。
まず、
速いスピードの動作を、
子どもに見せることからです。
こちらの計算の実況中継を見せれば、
速いスピードの計算を
子どもに見せることができます。
8+5= の 8 を速い動作で示して、
早口で、「はち」と声に出して読み、
すぐに、5 を速い動作で示してから、
早口で、声に出して、
9、10、11、12、13 と数えて、
8+5= の = の右を、速い動作で示して、
早口で、「じゅうさん(13)」です。
このような実況中継を見せれば、
速いスピードの計算を
子どもに見せることができます。
そして、
子どもがもたもたしているようでしたら、
「速く書く!」と促して、
8+5=13 と書くスピードを速めます。
ユックリとしたスピードの計算を、
速いスピードの計算に、
つまり、計算するときのスピードの習慣を
入れ替えようとしています。
速いスピードの計算の実況中継を
子どもに、
繰り返し見せれば、
計算するときのスピードの習慣を、
ユックリから、
速くに入れ替えることができます。
ただ、
どのくらいの回数、
繰り返し見せれば、
計算のスピードの習慣が入れ替わるのかは、
やってみるまで分かりません。
子ども毎の大きな個人差があるからです。
でも、
1 回の手伝いで、
5~6 問は、
速いスピードの計算を見せます。
8+5=、6+4=、5+9=、7+5=、8+7=、
・・・のようなたし算 50 問が終わるまで、
4~5 回くらいは、
実況中継を見せます。
ここに、
個人差はありません。
こちらの手伝いを、
受け入れてくれます。
個人差があるのは、
今の習慣に、
どのくらいこだわるのかの程度の差です。
今の
ユックリと、モタモタと計算する習慣を、
あっさりと手放す子もいれば、
しつこい子もいます。
(基本 -501)、(+-
-290)