集中が切れた後、しばらくボ~ッとする習慣を、すぐにたし算に戻る習慣に入れ替えることは、手間と時間が掛かります。入れ替わりにくい習慣ですが、覚悟を持って取り組めば、入れ替えることができます。

8+5=、6+4=、5+9=、7+5=、8+7=、

・・・のようなたし算 50 問を、

計算している子の集中が切れて、

そのままボ~ッとすることがあります。

 

とても気になります。

 

計算の途中で、

突然、集中が切れて、

計算から離れて、

しばらくボ~ッとします。

 

しばらくしたら、

また突然、

計算に戻って計算します。

 

でも、

しばらく計算したら、

また突然、

集中が切れて・・を繰り返します。

 

 

この子は、

8+5= の 8 を見て、

その次の 9 から、

+5 の 5 回、

9、10、11、12、13 と数えて、

答え 13 を出して、

8+5=13 と書く計算です。

 

テキパキと、サッサと計算できるときは、

この 50 問を、

3~4 分で、

終わらせることができます。

 

それなのに、

集中が切れて、

ボ~ッとして、

また計算して、

また集中が切れて・・と、

繰り返すこともあります。

 

このような日は、

3~4 分で終わることはなく、

10~15 分もかかります。

 

もっと状態の悪い日には、

30 分、40 分とかかります。

 

 

さて、

実は、

8+5=、6+4=、5+9=、7+5=、8+7=、

・・・のようなたし算 50 問を計算していて、

途中で、集中が切れることは、

どの子にも起こります。

 

集中が切れること自体は、

習慣ではありません。

 

人間も生き物ですから、

身の危険を感じたら、

それを知って、

逃げるべきときに、

逃げなければなりません。

 

身に危険を感じても、

今は、

たし算の計算で忙しいから・・でしたら、

とても困ったことになります。

 

身の危険だけではなくて、

さまざまな刺激が、

たし算の計算をしている子に、

次々に飛び込んできます。

 

刺激によっては、

子どもの集中を切らせることがあります。

 

これは、

生きものとしての自然な反応ですから、

習慣ではありません。

 

 

習慣になるのは、

実は、

集中が切れた後にすることです。

 

すぐにその場を離れて

逃げ出さなければならないような

身の危険が迫っているようなことでなくて、

今は、

たし算の計算を続けることができるとします。

 

そうと分かっても、

集中が切れたまま、

しばらくボ~ッとすることがあります。

 

たし算の計算に戻ってもいいのに、

戻らないで、

しばらくボ~ッとします。

 

計算に戻ることを選ぶことも、

しばらくボ~ッとすることを選ぶことも、

つまり、

行動を選べるときに、

子どもが選んだ行動が、

習慣です。

 

もちろん、

すぐにたし算の計算に戻ることを、

選ぶ子もいます。

 

 

集中が切れた後、

しばらくボ~ッとする子は、

習慣になっています。

 

「どうしたの?」、

「計算できるでしょ・・」のような誘いで、

計算に戻すことができても、

習慣は残ります。

 

だから、

別の習慣、

つまり、

集中が切れた後、

すぐにたし算に戻る習慣に、

入れ替える手伝いをすれば、

しばらくボ~ッとすることが減ります。

 

手伝い方は、

止まっている計算をリードするだけです。

 

 

以下は、

手伝い方の一例です。

 

5+9= で、

集中が切れた後、

しばらくボ~ッとしている子に、

全くの突然に、

5 を示して、

「ご」と声に出して読み、

9 を示してから、

6、7、8、9、10、11、12、13、14 と、

9 回、声に出して数えて、

= の右を示して、

「じゅうし(14)」です。

 

このようなリードのどこかで、

子どもの気持ちは、

たし算に戻ります。

 

そして、

5+9=14 と書きます。

 

この子のたし算の計算に、

勢いを付けるために、

続く問題の 7+5= や、8+7= も、

同じようにリードすることもあります。

 

 

なお、

経験上の仮説ですが、

集中が切れた後、

しばらくボ~ッとする習慣を、

すぐにたし算に戻る習慣に

入れ替えることは、

手間と時間が掛かります。

 

入れ替わりにくい習慣です。

覚悟を持って取り組みます。

 

 

もう一つ参考までにですが、

何らかの刺激を受けて、

集中が切れることは、

どの子にも起こることです。

 

ですが、

少しの刺激で、

集中が切れやすい子は、

計算のスピードが遅くて、

ややダラダラとした印象の計算です。

 

かなりの刺激を受けるまで、

集中が切れにくい子は、

計算のスピードが速くて、

夢中になって計算しています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -502)、(+-  {\normalsize {α}} -291)