さまざまな習慣を組み合わせて、子どもは計算しています。計算が苦手な子と、得意な子を分けている要(かなめ)になる重要な習慣があります。

算数が嫌いな子です。

計算が苦手です。

 

これから先も、

算数を嫌いなままでしょう。

計算が苦手なままでしょう。

 

と、

普通はこうなります。

 

今までの延長線上を歩むのが普通だからです。

 

そうなのですが、

それは普通の教え方をするからです。

 

普通の教え方のパターンは、

子どもが解いている最中に関わりません。

 

解く前に、

アレコレと教えます。

 

解いた後にも、

アレコレと教えます。

 

でも、

不思議と、

解いている最中は関わりません。

 

子どもに任せてしまいます。

 

その結果、

算数の嫌いな子の

計算が苦手な解き方が続きます。

 

 

だから考えます。

そして、

解いている最中に関わる関わり方を工夫します。

 

算数が嫌いで、

計算が苦手な子どもに、

任せてしまうのではなくて、

解いている最中に、

関わってしまいます。

 

すると、

子どもが解いているときのさまざまな習慣を、

少しずつですが、

算数が好きな子の

計算が得意な子の習慣に、

入れ替えることができます。

 

解いているときの習慣です。

解いているときでなければ、

入れ替えることができません。

 

 

実は、

解いている最中の

さまざまな習慣の違いが、

計算が苦手なのか、

あるいは、

計算が得意なのかを決めています。

 

算数が嫌いで、

計算が苦手な子の

解いているときの習慣と、

算数が好きで、

計算が得意な子の習慣は、

違います。

 

見分けるのが難しいですが、

違う習慣で解いています。

 

 

ここでは、

解いている最中への関わり方で、

大きな効果を期待できる習慣を、

2 つ紹介します。

 

その 1 つが、

3+5=、6+4=、5+9=、7+5=、8+7=、

4+8=、5+6=、9+7=、8+3=、4+4=、

・・・・・のようなたし算です。

 

計算が苦手な子は、

このようなたし算が遅いのです。

 

たし算の計算が速ければ、

計算が苦手ではなくて、

得意になれます。

 

たし算を計算しているときの習慣が違うから、

計算のスピードの違いになります。

 

 

さて、

たし算の計算が遅い子の

次の問題を計算し始めるまでの時間を、

解いている最中に

短くするように関わります。

 

3+5= の 3 を見て、

その次の 4 から、

+5 の 5 回、

4、5、6、7、8 と数えて、

3+5=8 と書きます。

 

答えを書き終わってから、

次のたし算

6+4= の 6 を見るまでの時間が、

次の問題を計算し始めるまでの時間です。

 

計算そのものではありません。

 

だからでしょうか、

計算が苦手な子は、

次の問題を計算し始めるまでの時間が

長いのです。

 

間延びした感じです。

 

しかも、

次の問題を計算し始めるまでの時間の長さは、

習慣が決めています。

 

 

この習慣の入れ替えを、

手伝います。

 

3+5=8 と書き終わってすぐ、

こちらが、

次のたし算 6+4= の 6 を示して、

「ろく」と声に出して読み、

4 を示してから、

「しち、はち、く、じゅう」と数えて、

=の右を示して、

「じゅう(10)」です。

 

子どもが、

6+4=10 と書いたのを見たらすぐ、

次の問題 5+9= の 5 を示して、

「ご」と声に出して読み、

・・・・・と、

3~4問、

解いている最中に関わります。

 

たし算の計算を、

手伝っているのではありません。

 

三者からは、

そのように見えるでしょうし、

子どもは、

計算を手伝ってもらえていると感じるでしょう。

 

でも、

こちらの意図は、

習慣を入れ替えて、

次の問題を計算し始めるまでの時間を、

短くする見本を見せることです。

 

 

もう 1 つが、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  28 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ のような筆算のかけ算です。

 

 

算数が苦手な子は、

繰り上がりのたし算の計算が、

とても遅いのです。

 

繰り上がりのたし算を、

計算し始めるまで時間が掛かり、

計算自体も遅く感じます。

 

繰り上がりのたし算の計算が速ければ、

計算が苦手ではなくて、

得意になれます。

 

繰り上がりのたし算を、

計算し始めるまでの時間は、

実は習慣です。

 

だから、

繰り上がりのたし算を、

計算し始めるまでの習慣を

入れ替える手伝いをするために、

計算そのものをリードします。

 

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  28 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 4 と 8 を示して、

「しはさんじゅうに(4×8=32)」、

4 の真下を示して、

「に(2)」、

「指、さん(3)」です。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  28 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \:\:\:2\end{array}  }}\\ と書いて、

指を 3 本伸ばします。

 

リードを続けます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  28 \\ \:\times  \:\:\: 4 \\ \hline \:\:\:2\end{array}  }}\\ の 4 と 2 を示して、

「しにがはち(4×2=8)」、

子どもが手に取った 3 を触って、

「さん(3)増えて、じゅういち(11)」、

28 の 2 の真下を示して、

「じゅういち(11)」です。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  28 \\ \times  \:\:\: 4 \\ \hline 112\end{array}  }}\\ と書きます。

 

子どもは、

かけ算を手伝ってもらえていると感じます。

 

こちらの意図は、

習慣を入れ替えて、

繰り上がりのたし算 8+3=11 を、

計算し始めるまでの時間を、

短くすることです。

 

習慣を入れ替えて、

たし算を計算し始めるまでの時間を

短くできれば、

子どもの計算全体がよくなります。

 

ここを短くするために、

解いている最中に関わって、

繰り上がりのたし算を、

すぐに計算し始める見本を見せます。

 

 

解いている最中の

アレコレの習慣の中で、

要(かなめ)になる習慣があります。

 

それが、

たし算の計算では、

次の問題に移るスピードです。

 

筆算のかけ算では、

繰り上がりのたし算を、

先回りして待つこと、

つまり、

たし算を計算し始めるスピードです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -508)、(+-  {\normalsize {α}} -294)、(×÷  {\normalsize {α}} -111)