未知数が 4 つ( x 、y 、z 、w )で、式が 4 本の連立方程式です。4 本の式は、未知数が 1 つずつ欠けています。見慣れない連立方程式に戸惑います。「どうやるの?」と聞いた子に、教えます。

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z=5\\y+z+w=8\\z+w+x=-2\\w+x+y=4\end{array}\right.\end{eqnarray}} のような連立方程式を、

解いている子です。

 

解けそうで、

解けない連立方程式です。

 

「どうやるの?」と、

この子から聞かれます。

 

いい聞き方です。

 

「分からない」ではありません。

 

解こうとしています。

解いて、答えを出したいのです。

 

でも、解き方が思い付かなくて、

解き方を教えてもらって、

答えを出そうとしています。

 

解き方を聞いてでも、

解いて答えを出そうとする主体性です。

 

だから、

「どうやるの?」です。

 

 

聞かれてすぐに、

こちらは式を見て、

「並べ替えて、消去法」を

この子にリードすると決めます。

 

子どもの見ている前で、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z\:\:\:\:\:\:\:\:=5\\\:\:\:\:\:\:\:\:y+z+w=8\\x\:\:\:\:\:\:\:\:+z+w=-2\\x+y\:\:\:\:\:\:\:\:+w=4\end{array}\right.\end{eqnarray}} と、

書き替えます。

 

x を左端に縦にそろえて、

x の右に、y を縦にそろえて、

y の右に、z を縦にそろえて、

z の右に、w を縦にそろえて、

w の右に、= を縦にそろえて、

= の右に、数を縦にそろえて書きます。

 

このように書き替えてから、

「どうする?」と、

こちらから、

この子に聞きます。

 

 

すると、この子は、

書き替えた連立方程式を見て、

「 w を消す」、

「②-③と、②-④」と、

こちらに答えることで、

解き方を先に決めます。

 

この続きの計算を、

子どもに任せるのが普通ですが、

面白い工夫を教えます。

 

式を書き替えていて、

x と、y と、z と、w の

係数(前に付いている数)が、1 で、

3 回ずつ出ていることで

思い付いた工夫です。

 

「4 つ足したら?」と誘います。

 

そして、

「足してごらん・・」と、

その場で、

子どもに、

4 つの式を足させます。

 

 

すると、

3x+3y+3z+3w=15 です。

 

「3 で割ると?」と誘うと、

x+y+z+w=5 になります。

 

この x+y+z+w=5 を示してから、

次に、書き替えた連立不定

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z\:\:\:\:\:\:\:\:=5\\\:\:\:\:\:\:\:\:y+z+w=8\\x\:\:\:\:\:\:\:\:+z+w=-2\\x+y\:\:\:\:\:\:\:\:+w=4\end{array}\right.\end{eqnarray}}

1 番目の式を示して、

「これと、これ、どのように利用する?」です。

 

 

子どもは、

何を言われているのか

ピンとこないようです。

 

ですから、

x+y+z+w=5 と、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y+z\:\:\:\:\:\:\:\:=5\\\:\:\:\:\:\:\:\:y+z+w=8\\x\:\:\:\:\:\:\:\:+z+w=-2\\x+y\:\:\:\:\:\:\:\:+w=4\end{array}\right.\end{eqnarray}} の 1 番目の式、

x+y+z  =5 を順に示して、

「これから、これを引くと?」と誘います。

 

ここまで言うと、

子どもはすぐに、

「あっ!」となります。

 

実際に、

x+y+z+w=5 から、

x+y+z  =5 を引けば、

w=0 です。

 

x も、y も、z も、

同じように求めることができます。

 

 

念のためにやってみます。

 

x+y+z+w=5 から、

2 番目の式、

  y+z+w=8 を引けば、

x=-3 です。

 

3 番目の式、

x  +z+w=-2 を引けば、

y=7 です。

 

4 番目の式、

x+y  +w=4 を引けば、

z=1 です。

 

 

もちろん、

子どもが決めたように、

「 w を消す」、

「②-③と、②-④」を計算してもいいのです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -516)、(分数  {\normalsize {α}} -216)