分数のたし算の後に、約分をする計算問題です。正しくできた子に、「どうやったの?」と聞きます。自分がした計算を言葉にさせる「出す学び」です。単語を並べただけの説明で十分です。

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{2}{6}} {\Large\frac{1}{3}} と計算できた子に、

どのように計算したのかを聞きます。

 

自分のした計算を

言葉にしてほしい部分は、

 {\Large\frac{2}{6}} {\Large\frac{1}{3}} の約分の部分です。

 

分数のたし算を習った後、

約分を

できなくなる子がいます。

 

それほど多くはありませんが、

ある一定数の子が、

約分をできなくなります。

 

この子は、

正しくできています。

 

キチンと覚えていた約分を、

言葉にして、

言わせておきます。

 

 

この子への聞き方です。

 

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{2}{6}} {\Large\frac{1}{3}}

 {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{6}}= を隠して、

 {\Large\frac{2}{6}} {\Large\frac{1}{3}} だけが見えるようにしてから、

「どうやったの?」と聞きます。

 

この子を評価するための

テストではありません。

 

この子を育てるために、

自分が正しくできた約分の

計算を言葉にして言わせます。

 

こうすると、

この子の学びが深くなるからです。

 

子どもが、

自分から計算を説明しますから、

「出す学び」なのです。

 

 

残念なことですが、

この子は、言葉にできません。

 

 {\Large\frac{2}{6}} {\Large\frac{1}{3}} を計算したのは、

自分だと、

もちろん、この子は知っています。

 

だから、

「どうやったの?」と聞かれたら、

何かを思い付くはずです。

 

そうしたら、

その思い付いた言葉を、

口にすれば、

自然と、

自分がした計算  {\Large\frac{2}{6}} {\Large\frac{1}{3}} を、

説明できるのですが、

まだ、

このような思い切りが育っていないようです。

 

子どもがした計算を、

「どうやったの?」と聞くチャンスは、

この先、

何回でも出てきますから、

焦る必要はありません。

 

 {\Large\frac{2}{6}} {\Large\frac{1}{3}} とできた計算に、

「どうやったの?」と聞かれて、

何かを思い付いていながら、

今回は、

それを言ってしまう勇気が

少し足りなかっただけのことです。

 

ですから、

「約分、2で割った・・」のようなことを

こちらから押し付けてしまいます。

 

「どうやったの?」への

回答見本ではありません。

 

何かを思い付いていますから、

その思い付いているはずの何かを、

言ってしまう見本です。

 

だから、

単語を並べただけの

「約分、2で割った・・」です。

 

まともな日本語になっていません。

思い付いた何かを

ただ口にしている見本なのです。

 

 

「上と下を

同じ数 2 で割って

簡単にしました」のような

あるいは、

「分母と分子を

最大公約数 2 で割って

既約分数にしています」のような

少しはまともそうなのですが、

でも、

この子の育ちを邪魔するような

回答見本を言わないことです。

 

問題  {\Large\frac{1}{6}} {\Large\frac{1}{6}}= を計算して、

 {\Large\frac{2}{6}} {\Large\frac{1}{3}} のように

答えを出す「出す学び」で、

子どもは学びます。

 

それだけではなくて、

計算した後、

「どうやったの?」と聞かれて、

「約分、2で割った・・」のように

思い付いた言葉を口にすることで、

これも「出す学び」ですから、

子どもは学びます。

 

 

なお、

この子は、

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}= と、

 {\Large\frac{3}{8}}+6 {\Large\frac{1}{8}}= の足した後の

計算を区別できます。

 

計算すると、

 {\Large\frac{4}{7}} {\Large\frac{6}{7}}=1 {\Large\frac{10}{7}}=2 {\Large\frac{3}{7}} と、

 {\Large\frac{3}{8}}+6 {\Large\frac{1}{8}}=8 {\Large\frac{4}{8}}=8 {\Large\frac{1}{2}} です。

 

足した後の計算が、

大きく違います。

 

この子に、

この 2 つの計算でも、

「どうやったの?」と聞いています。

 

すると、

単語を並べただけの言葉で、

答えてくれています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -526)、(分数  {\normalsize {α}} -221)