(整数)-(分数) のひき算が、
四則混合の中にあると、
なかなかできるようにならない子です。
3-×
= や、
7-2÷
= や、
9-2×3
= のような計算です。
計算する前に、
かけ算や、わり算が先で、
その後に、ひき算と、
計算順を決めることはできます。
ここは、
式の形を見分ける力が育っています。
そして、
分数のかけ算や、わり算は、
スラスラと計算できます。
つまり、
分数のかけ算や、わり算は、
四則混合の中の計算であっても、
見分けることができます。
でも、
四則混合の中の
(整数)-(分数) のひき算は、
見分けることができないままです。
例えば、
3-×
= の
×
を、
×
=
=
と計算できます。
次の計算 3-= に、
手が出ません。
止まってしまいます。
この 3-= は、
(整数)-(分数) のひき算です。
このように、
四則混合の中で、
(整数)-(分数) のひき算、
3-= が出ると、
この子には、
見たことのない計算に見えるようです。
(整数)-(分数) のひき算を、
これだけを単独であれば、
計算できる子です。
そうであるとしても、
「どうして?」、
「できるでしょ・・」ではないのです。
四則混合の中の 3-= は、
見たことのない計算なのです。
今のこの子には、
そう見えるのです。
だから、
こちらも、
3-= を、
初めて計算する子だと思って、
答えの出し方をリードします。
3 を示して、
「2 と、1」、
「1 が、 」とリードします。
このリードで、
子どもは、
3-=2
-
= と書きます。
ここまでリードすれば、
四則混合の中の計算であっても、
2-
= の続きを計算できます。
2-
=2
と、
自力で計算できます。
四則混合 3-×
= の中の
3-= だけが、
見たことのない計算になっています。
他も同じです。
7-2÷
= の 2
÷
を、
2÷
=
×
=
×
=
=3
と、
途中約分まで計算できます。
それなのに、
7-3= で、止まります。
手が出ません。
止まってしまいます。
見たことのない計算に、
この子には、
見えています。
だから、
答えの出し方をリードします。
7 を示して、
「6 と、1」、
「1 が、 」とリードします。
このリードで、
子どもは、
7-3=6
-3
= と書きます。
この続きを、
6-3
=3
と、
自力で計算できます。
四則混合 7-2÷
= の中の
7-3= だけが、
見たことのない計算になっています。
実在の子の話です。
この子がおかしいのではなくて、
このような発達をしている子なのです。
9-2×3
= も、同じです。
四則混合の最初の計算部分、
2×3
= を、
2×3
=
×
=
×
=
=8
と
途中約分まで計算できます。
でも、
2 番目の計算、
9-8= で、止まります。
見たことのない計算に、
見えているままです。
この計算 9-8= を、
こちらは、
(整数)-(帯分数) と、
見分けることができます。
だから、
9-8= が、
見たことのない計算に見えているこの子に、
見分け方を教えられるものならば、
教えたいのですが、
そうできません。
こちらは、
9-8= を、
(整数)-(帯分数) と、
見分けることができますが、
「どのようにしているのか?」を、
自分のことでありながら、
分からないのです。
こちらにハッキリと、
分かっていることは、
「見分けることができている」ことだけです。
だから、
このような
正体がハッキリとしない見分ける力を、
この子が、
「何だ、分かった」、
「前に習った計算になっている」と、
自力でつかむまで、
答えの出し方だけを
ひたすら教え続けます。
経験上の知恵です。
答えの出し方をリードして、
答えを出し続ければ、
「あっ、あれだ!」と、
この子が勝手につながります。
9-8= の答えの出し方だけを、
他の問題と同じように教えます。
同じような教え方をすることが、
この子が、
見分ける力をつかむ助けになります。
9 を示して、
「8 と、1」、
「1 が、 」とリードします。
このリードで、
子どもは、
9-8=8
-8
= と書きます。
この続きを、
8-8
=
と、
この子は、
自力で計算できます。
(基本 -535)、(分数
-226)