四則混合の中のひき算、(整数)-(分数) を、既に習っている同種の計算と、見分けられないために、計算できません。答えの出し方だけをリードして、この子が見分ける力を持つまで、手助けします。

(整数)-(分数) のひき算が、

四則混合の中にあると、

なかなかできるようにならない子です。

 

3- {\Large\frac{1}{3}}× {\Large\frac{4}{5}}= や、

7-2 {\Large\frac{1}{3}}÷ {\Large\frac{2}{3}}= や、

9-2 {\Large\frac{3}{5}}×3 {\Large\frac{1}{3}}= のような計算です。

 

計算する前に、

かけ算や、わり算が先で、

その後に、ひき算と、

計算順を決めることはできます。

 

ここは、

式の形を見分ける力が育っています。

 

そして、

分数のかけ算や、わり算は、

スラスラと計算できます。

 

つまり、

分数のかけ算や、わり算は、

四則混合の中の計算であっても、

見分けることができます。

 

でも、

四則混合の中の

(整数)-(分数) のひき算は、

見分けることができないままです。

 

 

例えば、

3- {\Large\frac{1}{3}}× {\Large\frac{4}{5}}= の  {\Large\frac{1}{3}}× {\Large\frac{4}{5}} を、

 {\Large\frac{1}{3}}× {\Large\frac{4}{5}} {\Large\frac{1×4}{3×5}} {\Large\frac{4}{15}} と計算できます。

 

次の計算 3- {\Large\frac{4}{15}}= に、

手が出ません。

 

止まってしまいます。

 

この 3- {\Large\frac{4}{15}}= は、

(整数)-(分数) のひき算です。

 

このように、

四則混合の中で、

(整数)-(分数) のひき算、

3- {\Large\frac{4}{15}}= が出ると、

この子には、

見たことのない計算に見えるようです。

 

(整数)-(分数) のひき算を、

これだけを単独であれば、

計算できる子です。

 

そうであるとしても、

「どうして?」、

「できるでしょ・・」ではないのです。

 

四則混合の中の 3- {\Large\frac{4}{15}}= は、

見たことのない計算なのです。

 

今のこの子には、

そう見えるのです。

 

 

だから、

こちらも、

3- {\Large\frac{4}{15}}= を、

初めて計算する子だと思って、

答えの出し方をリードします。

 

3 を示して、

「2 と、1」、

「1 が、 {\Large\frac{15}{15}} 」とリードします。

 

このリードで、

子どもは、

3- {\Large\frac{4}{15}}=2 {\Large\frac{15}{15}} {\Large\frac{4}{15}}= と書きます。

 

ここまでリードすれば、

四則混合の中の計算であっても、

 {\Large\frac{15}{15}} {\Large\frac{4}{15}}= の続きを計算できます。

 

 {\Large\frac{15}{15}} {\Large\frac{4}{15}}=2 {\Large\frac{11}{15}} と、

自力で計算できます。

 

四則混合 3- {\Large\frac{1}{3}}× {\Large\frac{4}{5}}= の中の

3- {\Large\frac{4}{15}}= だけが、

見たことのない計算になっています。

 

 

他も同じです。

 

7-2 {\Large\frac{1}{3}}÷ {\Large\frac{2}{3}}= の 2 {\Large\frac{1}{3}}÷ {\Large\frac{2}{3}} を、

 {\Large\frac{1}{3}}÷ {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{7}{3}}× {\Large\frac{3}{2}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{7}{\begin{matrix}\cancel{3}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{3}\end{matrix}\,}{2}} {\Large\frac{7}{2}}=3 {\Large\frac{1}{2}} と、

途中約分まで計算できます。

 

それなのに、

7-3 {\Large\frac{1}{2}}= で、止まります。

 

手が出ません。

止まってしまいます。

 

見たことのない計算に、

この子には、

見えています。

 

だから、

答えの出し方をリードします。

 

7 を示して、

「6 と、1」、

「1 が、 {\Large\frac{2}{2}} 」とリードします。

 

このリードで、

子どもは、

7-3 {\Large\frac{1}{2}}=6 {\Large\frac{2}{2}}-3 {\Large\frac{1}{2}}= と書きます。

 

この続きを、

 {\Large\frac{2}{2}}-3 {\Large\frac{1}{2}}=3 {\Large\frac{1}{2}} と、

自力で計算できます。

 

四則混合 7-2 {\Large\frac{1}{3}}÷ {\Large\frac{2}{3}}= の中の

7-3 {\Large\frac{1}{2}}= だけが、

見たことのない計算になっています。

 

実在の子の話です。

この子がおかしいのではなくて、

このような発達をしている子なのです。

 

 

9-2 {\Large\frac{3}{5}}×3 {\Large\frac{1}{3}}= も、同じです。

 

四則混合の最初の計算部分、

 {\Large\frac{3}{5}}×3 {\Large\frac{1}{3}}= を、

 {\Large\frac{3}{5}}×3 {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{13}{5}}× {\Large\frac{10}{3}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{13}{\begin{matrix}\cancel{5}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}2\\\cancel{10}\end{matrix}\,}{3}} {\Large\frac{26}{3}}=8 {\Large\frac{2}{3}}

途中約分まで計算できます。

 

でも、

2 番目の計算、

9-8 {\Large\frac{2}{3}}= で、止まります。

 

見たことのない計算に、

見えているままです。

 

 

この計算 9-8 {\Large\frac{2}{3}}= を、

こちらは、

(整数)-(帯分数) と、

見分けることができます。

 

だから、

9-8 {\Large\frac{2}{3}}= が、

見たことのない計算に見えているこの子に、

見分け方を教えられるものならば、

教えたいのですが、

そうできません。

 

こちらは、

9-8 {\Large\frac{2}{3}}= を、

(整数)-(帯分数) と、

見分けることができますが、

「どのようにしているのか?」を、

自分のことでありながら、

分からないのです。

 

こちらにハッキリと、

分かっていることは、

「見分けることができている」ことだけです。

 

だから、

このような

正体がハッキリとしない見分ける力を、

この子が、

「何だ、分かった」、

「前に習った計算になっている」と、

自力でつかむまで、

答えの出し方だけを

ひたすら教え続けます。

 

経験上の知恵です。

答えの出し方をリードして、

答えを出し続ければ、

「あっ、あれだ!」と、

この子が勝手につながります。

 

 

9-8 {\Large\frac{2}{3}}= の答えの出し方だけを、

他の問題と同じように教えます。

 

同じような教え方をすることが、

この子が、

見分ける力をつかむ助けになります。

 

9 を示して、

「8 と、1」、

「1 が、 {\Large\frac{3}{3}} 」とリードします。

 

このリードで、

子どもは、

9-8 {\Large\frac{2}{3}}=8 {\Large\frac{3}{3}}-8 {\Large\frac{2}{3}}= と書きます。

 

この続きを、

 {\Large\frac{3}{3}}-8 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{3}} と、

この子は、

自力で計算できます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -535)、(分数  {\normalsize {α}} -226)