3+8=、6+7=、5+9=、6+6=、
8+4=、5+6=、7+5=、9+4=、
6+5=、7+6=、8+7=、7+9=、
・・・・・。
このようなたし算 25 問を、
この子のたし算の育ちを知るシートとして、
用意します。
実は、
育ちを知るだけではなくて、
育ちそのものをリードすることができます。
少し詳しく話します。
この 25 問のシートを、
まず、計算させてから、
たし算の計算練習をするようにします。
ストップウォッチで時間を測って、
子どもの精一杯の速さで計算させます。
「できるだけ速いスピードで計算します」のように、
言葉で指示しなくても、
ストップウォッチで時間を測るだけで、
子どもは自然に、
夢中になって、
精一杯のスピードで計算します。
ストップウォッチで時間を測られている・・が、
子どもを程よく刺激して、
精一杯のスピードの計算になります。
さて、
毎日、
たし算の計算練習をする子でしたら、
毎日、
計算する前に、
同じ 25 問のたし算が書いてあるシートを、
ストップウォッチで時間を測って、
計算させます。
そして、
この子の時間の
縮まり方を記録します。
この子にも、
「3分」や、
「2分」のように、
今日の時間を知らせます。
ストップウォッチで測った結果だけです。
「速くなりました・・」のような評価をしません。
今日の時間を知らせれば、
子どもは自然に、
「明日は、もう少し速く計算してみたい・・」と、
自分を奮い立たせます。
子どもは、
とても強い気持ちで、
伸びようとしていますから、
自然に、自分を鼓舞してしまいます。
さて、
経験上のデータですが、
時間の縮まり方の
大まかの目安です。
3+8= の 3 の次の 4 から、
+8 の 8 回、
4、5、6、7、8、9、10、11 と数えて、
答え 11 を出す計算でしたら、
この 25 問のたし算を、
2 分くらいかかります。
もちろん、
子どもの数え方がユックリとしたスピードで、
次の問題に移るのもユックリであれば、
3~4 分かかるものです。
つまり、
数え方や、次の問題に移ることが
ユックリであるために、
3~4 分かかっていた計算が、
ストップウォッチで時間を測られることで、
少しずつ自然に速いスピードになって、
2 分くらいまで短くなります。
こうなると、
大きな変化が起こり始めます。
不連続な大きな変化です。
まったくの突然に起こる変化です。
3+8= を見ただけで、
数えていないのに、
答え 11 が出ています。
でも、
数えてもいないのに、
11 が出ても、
それが答えだとは思えないものです。
3+8= を見たら、
答え 11 が出る力(感覚)を持ち始めたとき、
このような変化が起こったことを
受け入れることができないのが普通です。
ですから、
3+8= を見て、
答え 11 が出ていても、
3 の次の 4 から、
+8 の 8 回、
4、5、6、7、8、9、10、11 と数えて、
答え 11 を出すのが普通です。
出ている 11 を答えとして、
受け入れることができないまま、
する必要のない数える計算をしてしまいます。
ですから、
3+8= を見たら、
答え 11 が出る力(感覚)を
持ったことを受け入れて、
数えていないのに、
出てしまう答え 11 を、
3+8=11 と書けるようになるまで、
時間がかかります。
実は、
同じ 25 問のたし算を、
ストップウォッチで時間を測って、
計算させるのは、
3+8= を見たら、
出てしまう 11 を、
答えと受け入れるためです。
ストップウォッチで時間を測っていることで、
この子は、
「もっと速く・・」と、背中を押されて、
3+8= を見たら瞬時に出る 11 を、
答えと受け入れて、
3+8=11 と書いてしまいます。
こうした方が、
時間が短くなるからです。
3+8= を見たら、
瞬時に出ている 11 を、
その答えと受け入れるように、
言葉で説明しても、
できないことはないでしょうが、
とても難しい説得になります。
でも、
いつもと同じ 25 問のたし算を、
ストップウォッチで時間を測って計算すれば、
3+8= を見たら出る 11 を、
とても自然に、
答えとして受け入れるようになります。
このように、
自分が答えを瞬時に出すことができる
たし算の感覚を持ったと、
子どもが受け入れて、
出た数を、答えとして書くようになれば、
この 25 問のたし算を、
2 分以下で計算するようになって、
じきに、
1 分を切るようになります。
(基本 -553)、(+- -315)