分数の四則混合を計算する前に、計算順を決めることや、それぞれの計算の大筋を決めるようにすれば、子どもは、「答えを出す」体験から多くのことを学びます。

 {\Large\frac{5}{8}}×(  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} )- {\Large\frac{1}{4}} の答えを出します。

 

「計算します」は手段です。

 

「答えを出します」が目的です。

 

ですから、

「答えを出します」として、

目的を意識します。

 

 

実は、

「答えを出します」の目的があります。

 

それは、

答えを出すことで学ぶことです。

 

答えを出すのは、子ども本人です。

それが、計算問題です。

 

子どもは、

「答えを出す」体験をします。

 

すると、必ず、

何かを学びます。

 

この学びが、

「答えを出します」の目的です。

 

 

このように考えると、

「答えを出す」体験の仕方が、

その体験をすることで学ぶことに

大きく影響していることに気付きます。

 

 

さて、

「答えを出す」ことに絞った教え方からの

経験上で分かっていることがあります。

 

その一つは、

計算する前に、

どのように計算するのかを決めてしまうことです。

 

もう一つは、

できるだけ速いスピードで計算することです。

 

つまり、

計算する前に計算の大筋を決めることと、

計算のスピードを速くすることで、

子どもは、

「答えを出す」体験から、

確実に、学ぶべきことを学ぶことができます。

 

 

ここでは、

計算する前に、

どのようなことを子どもにさせたいのかを、

話します。

 

まず、

 {\Large\frac{5}{8}}×(  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} )- {\Large\frac{1}{4}} を見て、

① かっこの中の + 、

② 左の × 、

③ 右の - と、

計算する順番を決めます。

 

式を、一瞬見れば、

このような計算順を決めることができます。

 

次に、

1 番目の計算、

かっこの中の + を計算します。

 

計算には、

ウッカリミスが起こりますから、

後から見返せるように、

余白に丁寧に書いて計算します。

 

1 番目の計算は、

 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} のたし算です。

 

計算する前に、

計算の大筋を決めます。

 

たし算  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} を計算する物語の

シナリオのような感じです。

 

役者が演じる前に、

シナリオができています。

この順です。

 

計算する前に、

計算の大筋を決めておきます。

 

子どもが心の中で行うことですから、

言い方はさまざまでしょう。

 

2 つの分母 3 と 5 を見て、

分母をそろえることと、

感覚で、15 が共通分母になることと、

分母を 15 に変えますから、

それぞれの分子を、

かけ算で、変えることと、

新しい分子同士を足すこと、

このような計算のシナリオを、

 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} を見るだけで、

しかも、瞬間が何回かのような短い時間で、

決めることができます。

 

このように決めてから、

自分が決めたように計算します。

 

計算します。

 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{10}{15}} {\Large\frac{6}{15}} {\Large\frac{16}{15}} です。

 

 

このたし算  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}}= は、

四則混合の問題、

 {\Large\frac{5}{8}}×(  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} )- {\Large\frac{1}{4}} の 1 番目の計算で、

2 番目の計算が、

分数のかけ算であることを

知っています。

 

だから、

たし算  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}}= の計算の答えを、

仮分数  {\Large\frac{16}{15}} のままにします。

 

帯分数 1 {\Large\frac{1}{15}} にしてしまったら、

2 番目の計算のかけ算を計算するときに、

仮分数  {\Large\frac{16}{15}} に戻すからです。

 

 

1 番目の計算のたし算が終わったので、

2 番目の計算のかけ算を計算します。

 

元の問題の  {\Large\frac{5}{8}}×(  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} )- {\Large\frac{1}{4}} から、

 {\Large\frac{5}{8}}× を抜き出して、

余白に丁寧に書き、

かけ算の相手が、

1 番目の計算の答えですから、

 {\Large\frac{5}{8}}× {\Large\frac{16}{15}}= と書きます。

 

ここでも、

計算する前に、

計算の大筋を決めます。

 

途中で約分することと、

左上と右下を、5 で、

左下と右上を、8 で約分することと、

約分後の分子同士と分母同士を掛けること、

このような計算の大筋を決めます。

 

それから、

自分が決めたように計算します。

 

計算します。

 {\Large\frac{5}{8}}× {\Large\frac{16}{15}} \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}1\\\cancel{5}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{8}\\1\end{matrix}\,}}× \require{cancel}\displaystyle {\frac{\begin{matrix}2\\\cancel{16}\end{matrix}\,}{\begin{matrix}\cancel{15}\\3\end{matrix}\,}} {\Large\frac{2}{3}} です。

 

 

3 番目の計算は、

 {\Large\frac{5}{8}}×(  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} )- {\Large\frac{1}{4}} の右のひき算です。

 

2 番目の計算の答え  {\Large\frac{2}{3}} から、

 {\Large\frac{1}{4}} を引くひき算です。

 

余白に丁寧に、

 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{4}}= と書きます。

 

そして、

計算する前に、

計算の大筋を決めます。

 

2 つの分母 3 と 4 を見て、

分母をそろえることと、

感覚で、12 が共通分母になることと、

分母を 12 に変えますから、

それぞれの分子を、

かけ算で、変えることと、

新しい分子同士を引くこと、

このような計算の大筋を決めます。

 

このように決めてから、

自分が決めたように計算します。

 

計算します。

 {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{8}{12}} {\Large\frac{3}{12}} {\Large\frac{5}{12}} です。

 

 

これで、

 {\Large\frac{5}{8}}×(  {\Large\frac{2}{3}} {\Large\frac{2}{5}} )- {\Large\frac{1}{4}} の答え  {\Large\frac{5}{12}} が出ます。

 

そして、子どもは、

「答えを出す」体験から、

学ぶべきことを学びます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -561)、(分数  {\normalsize {α}} -237)