分数のたし算の計算の流れが、完全に理解できていれば、頭の中で計算を進めることができます。共通分母を探すことも、通分することも、分子同士を足すことも、常に、2 つの数の計算です。この 2 つの数が、次々に入れ替わって、計算が進みます。

分数のたし算の計算を、

頭の中で行い、

答えだけを書く子です。

 

例えば、

 {\Large\frac{5}{7}} {\Large\frac{3}{7}}= に、

いきなり答え、1 {\Large\frac{1}{7}} を書きます。

 

推測ですが、

この子は頭の中で、

2 つの 7 を見て、

次に、

5 と 3 を見て、

そして、

5+3=8 と足して、

再び、7 を見て、

8-7=1 と引いてから、

 {\Large\frac{1}{7}} と、答えを書くようです。

 

この推測の順に計算しているとしたら、

答え 1 {\Large\frac{1}{7}} を書く順番は、

整数部分の 1 、

分子の 1 、

分母の 7 の順になります。

 

あるいは、

少し順番が違っていて、

分子の 1 ,

整数部分の 1 の順もあり得ます。

 

文字に書くと、

このようにダラダラと長くなりますが、

実際には、

全体の流れがスムースに行われて、

1~2 秒で、

このような流れの計算を終えてしまいます。

 

 

あるいは、

 {\Large\frac{4}{9}}+2 {\Large\frac{7}{9}}= に、

やはり同じように、

答え 6 {\Large\frac{2}{9}} をいきなり書きます。

 

この計算も推測してみます。

 

2 つの 9 を見て、

次に、

4 と 7 を見て、

そして、

4+7=11 と足して、

再び、9 を見て、

11-9=2 と引いてから、

2 つの整数部分 3 と 2 を見て、

そして、

3+2=5 に、

1 増やした 6 を答えの整数部分にして、

 {\Large\frac{2}{9}} と、答えを書くようです。

 

この推測の順に計算しているとしたら、

答え 6 {\Large\frac{2}{9}} を書く順番は、

整数部分の 6 、

分子の 2 、

分母の 9 の順になります。

 

 

この子が、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{7}{8}}= の計算で、

「分からない」と言います。

 

この子との信頼関係がありますから、

「分からない」と言われたら、

この子に何かを教えようとします。

 

そうして、

「分からない」が、

「分かった!」になるように手伝います。

 

教える対象は、

2 つです。

 

1 つは、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{7}{8}}= の答えの出し方です。

 

もう 1 つは、

「分からない」を、

答えを出す役に立つ他の疑問文に、

入れ替えることです。

 

 

経験上の知恵ですが、

答えの出し方を教える前に、

この子が使った「分からない」を、

他の

答えを出す役に立つ言葉に

入れ替えることを先にします。

 

しかも、

この子の主体性を育てることを、

組み込んでいますから、

「分からない」と言われたら、

「どこが?」とします。

 

「どこが?」とすれば、

「分からない」よりも、

答えを出す役に立ちます。

 

しかも、

「分からない」と

丸投げする依存ではなくて、

「どこが?」に答えようとして、

自分が分からないと感じた個所を、

主体的に探します。

 

もちろんこの子が期待していること、

つまり、

Winは、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{7}{8}}= の答えの出し方を

すぐに教えてもらうことでしょう。

 

そうと分かっていて、

「どこが?」と聞くのは、

答えを出すための疑問文になるからです。

 

つまり、

「分からない」と感じている今のように、

自力で答えを出せないとき、

自分自身に、「どこが?」と聞けば、

自力で答えを出せない箇所を、

ハッキリとさせることができます。

 

つまり、

「どこが?」と聞かれたこの子は、

問題  {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{7}{8}}= を、

自然にもう一度見て、

自分が分からないと感じているところを、

「どこだろう?」と探します。

 

 

この子は、

問題  {\Large\frac{5}{7}} {\Large\frac{3}{7}}= の答えを出すために、

2 つの 7 を見て、

5 と 3 を見て、

5+3=8 と足して、

再び、7 を見て、

8-7=1 と引いてから、

 {\Large\frac{1}{7}} と、

頭の中で計算することができます。

 

 {\Large\frac{5}{7}} {\Large\frac{3}{7}} {\Large\frac{8}{7}}=1 {\Large\frac{1}{7}} のように、

途中式  {\Large\frac{8}{7}}= を書く計算よりも、

分数のたし算の計算の流れを

深く理解しています。

 

計算の流れにリードされて、

見るべき 2 つの数を、

次々に入れ替えながら、

頭の中で計算を進めています。

 

このようなことをしているこの子は、

問題  {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{7}{8}}= を、

頭の中で計算しようと試みます。

 

「分からない」と言って、

「どこが?」と聞かれたから、

「どこだろう?」と自分で探し始めたためです。

 

2 つの分母 4 と 8 を見れば、

共通分母 8 が心に浮かびます。

 

左の分数  {\Large\frac{3}{4}} の分母 4 と、

直前に決めた共通分母 8 から、

4×2=8 です。

 

分母を 2 倍しているので、

左の分数  {\Large\frac{3}{4}} の分子 3 を見て、

2 倍して、

3×2=6 です。

 

この 6 を頭に意識して、

右の分数  {\Large\frac{7}{8}} の分子 7 を見て、

6+7=13 です。

 

この 13 を頭に意識して、

右の分数  {\Large\frac{7}{8}} の分母 8 を見て、

13-8=5 です。

 

この 5 は、

答えの分子ですから、

答えの分子 5 と意識して、

覚えます。

 

実は、

これで、

問題  {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{7}{8}}= の答えが出ています。

 

整数部分の 1 からか、

あるいは、分子の 5 から書き始めて、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{7}{8}}=1 {\Large\frac{5}{8}} と書きます。

 

と、

このように、

「どこだろうか?」と、

自分が「分からない」と感じた個所を探すと、

答えが出てしまうことが起こります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -578)、(分数  {\normalsize {α}} -244)