約分は、これ以上、約分できなくなるまで約分します。約束です。この約束に違反する間違いは、間違い自体をスッキリと説明することが難しいために、押し付けるようなリードで、約分できなくなるまで約分して、正してしまいます。

約分問題  {\Large\frac{28}{56}}= を計算して、

 {\Large\frac{28}{56}} {\Large\frac{2}{4}} を答えとしています。

 

間違えています。

 

これ以上、

約分できなくなるまで約分する約束です。

 

この約束に違反した間違いです。

 

 {\Large\frac{2}{4}} は、

まだ約分できて、

2 で約分して、

 {\Large\frac{1}{2}} です。

 

ですから、

 {\Large\frac{28}{56}} {\Large\frac{2}{4}} は、

これ以上できなくなるまで約分していませんから、

約分の約束違反の間違いです。

 

 

さて、

問題  {\Large\frac{28}{56}}= の約数 14 を思い付いて、

28÷14=2 、

56÷14=4 とわり算を計算して、

 {\Large\frac{28}{56}} {\Large\frac{2}{4}} としています。

 

約数 14 を思い付くことも、

28 や 56 を 14 で割ることも、

それ自体、

難しいことです。

 

ですから、

 {\Large\frac{28}{56}} {\Large\frac{2}{4}} は、

約束違反の間違いですが、

計算自体の間違いではありません。

 

子どもには理解しにくいことですが、

これ以上、

約分できなくなるまで、

約分するとの約束違反の間違いです。

 

 

約束違反の間違いは、

11÷3=2・・・5 と計算する間違いに、

似ています。

 

11÷3= のあまりは、

割る数 3 より小さくする約束です。

 

11÷3=2・・・5 と計算する間違いは、

計算自体の間違いではなくて、

あまりのあるわり算の約束違反の間違いです。

 

11÷3=2・・・5 は、

3×2=6 に、

あまり 5 を足せば、

6+5=11 ですから、

計算自体の間違いではないのです。

 

 

 {\Large\frac{28}{56}} {\Large\frac{2}{4}} は、

 {\Large\frac{2}{4}} が、まだ約分できますから、

約分不足の約束違反です。

 

11÷3=2・・・5 は、

あまり 5 が、

割る数 3 よりも大きいのですから、

あまりが大き過ぎる約束違反です。

 

このような約束違反の間違いは、

子どもに納得できるような説明が、

難しい間違いですから、

間違っている理由を説明しないで、

正してしまうリードをせざるを得ません。

 

 

例えば、

11÷3=2・・・5 では、

2 を示して、

「ここ、さん(3)」と、

いきなり押し付けるようにリードして、

子どもが、

11÷3=3・・・5 のように 3 を書いたら、

割る数 3 と、

子どもが書き直した 3 を順に示して、

「さざんがく(3×3=9)」、

11 を示してから、

「じゅういち引くく、に(11-9=2)」、

5 を示して、

「ここ、に(2)」です。

 

11÷3=3・・・2 と、

子どもが書くことで、

あまり 2 が、

割る数 3 より小さくなり、

約束違反の間違いが正されます。

 

 

これに似たようなリードですが、

 {\Large\frac{28}{56}} {\Large\frac{2}{4}} は、

 {\Large\frac{28}{56}}= までを隠してしまい、

 {\Large\frac{2}{4}} だけが見えるようにしてから、

「わ(=)」と押し付けるようにリードして、

 {\Large\frac{28}{56}} {\Large\frac{2}{4}}= として、

「線」で、

 {\Large\frac{28}{56}} {\Large\frac{2}{4}} {\Large\frac{\:\:\:}{\:\:\:}} として、

「に(2)で割る」、

「に割るに、いち(2÷2=1)」、

 {\Large\frac{28}{56}} {\Large\frac{2}{4}} {\Large\frac{1}{\:\:\:}} として、

「し割るに、に(4÷2=2)」、

 {\Large\frac{28}{56}} {\Large\frac{2}{4}} {\Large\frac{1}{2}} と、

約分不足の約束違反を正します。

 

 

とても中途半端で、

後味の悪さを感じます。

 

でも、

それはこちらのことです。

 

できることならば、

子どもにきちんと説明したいのですが、

あまりのあるわり算や、

約分の約束自体を説明することが難しいから、

説明することを諦めている後味の悪さです。

 

面白いことに、

子どもは納得してしまいます。

 

「そうするのか・・」のような感じで、

納得してしまいます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -579)、(分数  {\normalsize {α}} -245)