分母が、( x+7)や、( x-7)のような分数式の計算は、分数の計算の流れに似ています。文字式ですから、計算する前に、「どうするの?」と自分に聞いて、計算の仕方を決めてから計算する習慣が必須です。

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{1}{x-7}}= の計算は、

分数  {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}}= の計算に似ています。

 

 {\Large\frac{3}{6}} {\Large\frac{2}{6}}= のように通分して、

分母を同じ 6 にそろえてから、

分子の 3 と 2 を足して、

 {\Large\frac{5}{6}} の答えを出します。

 

同じように計算します。

 

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{1}{x-7}}= を通分します。

 

 {\Large\frac{1}{x+7}} の分母と分子に、

x-7 を掛けます。

 

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{(x-7)}{(x+7)(x-7)}} です。

 

 {\Large\frac{1}{x-7}} の分母と分子に、

x+7 を掛けます。

 

 {\Large\frac{1}{x-7}} {\Large\frac{(x+7)}{(x-7)(x+7)}} です。

 

これで、通分できて、

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{1}{x-7}}

 {\Large\frac{(x-7)}{(x+7)(x-7)}} {\Large\frac{(x+7)}{(x-7)(x+7)}}= です。

 

分子( x-7)と、( x+7)を足して、

( x-7)+( x+7)=2x ですから、

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{1}{x-7}}

 {\Large\frac{(x-7)}{(x+7)(x-7)}} {\Large\frac{(x+7)}{(x-7)(x+7)}}

 {\Large\frac{2x}{(x+7)(x-7)}} と計算できます。

 

 

同じような計算で、

 {\Large\frac{1}{x-1}} {\Large\frac{1}{x+1}}

 {\Large\frac{(x+1)}{(x-1)(x+1)}} {\Large\frac{(x-1)}{(x+1)(x-1)}}

 {\Large\frac{2x}{(x-1)(x+1)}} です。

 

 

このような

分数のたし算に似ている

計算の流れで計算できる子が、

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{1}{x-1}} {\Large\frac{1}{x-7}} {\Large\frac{1}{x+1}}= を計算します。

 

少し複雑です。

 

「できる」と、

自分の計算する力を信じている子や、

「できるといいなぁ・・」と、

やや不安な子とさまざまですが、

これは心の中でのことです。

 

もちろん、

計算力に自信を持つ子に

育てたいのですが、

自分に自信を持つことを教えることは、

とても難しくて、時間の掛かることです。

 

この育て方は、

とても長い話になりますので、

ここでは、

計算の仕方だけに話を限ります。

 

自分の計算力に自信があっても、

やや不安であっても、

計算する自分自身を、

自分がリードするリードの仕方は同じです。

 

 

まず、

「どうやるの?」と、自分に聞きます。

計算する前です。

 

そして式を見ると、

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{1}{x-7}} と、

 {\Large\frac{1}{x-1}} {\Large\frac{1}{x+1}} の 2 つに分けて、

それぞれを別々に計算することを思い付きます。

 

子どもが気付いていないようであれば、

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{1}{x-1}} {\Large\frac{1}{x-7}} {\Large\frac{1}{x+1}}= の

 {\Large\frac{1}{x+7}} と、 {\Large\frac{1}{x-7}} を示して、

「これとこれ」、

 {\Large\frac{1}{x-1}} と、- {\Large\frac{1}{x+1}} を示して、

「これとこれ」と、

こちらから子どもに教えれば、

子どもは、「なるほど・・」となります。

 

 

この子は、

自分で思い付く子です。

 

だから、

自分が決めたように、

計算します。

 

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{1}{x-1}} {\Large\frac{1}{x-7}} {\Large\frac{1}{x+1}}

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{1}{x-7}} {\Large\frac{1}{x-1}} {\Large\frac{1}{x+1}}

 {\Large\frac{1}{x+7}} {\Large\frac{1}{x-7}}-(  {\Large\frac{1}{x-1}} {\Large\frac{1}{x+1}} )=

 {\Large\frac{2x}{(x+7)(x-7)}} {\Large\frac{2x}{(x-1)(x+1)}} です。

 

 

ここでまた、

「どうやるの?」と、自分に聞きます。

 

すると、

分子 2x は、

どちらにもあるので、

これを別にして、

後から付けるようにして、

通分して、

計算することにします。

 

 

先に、計算の仕方を決めてから、

自分が決めたように計算します。

 

 {\Large\frac{2x}{(x+7)(x-7)}} {\Large\frac{2x}{(x-1)(x+1)}} から、

分子 2x を別にすれば、

 {\Large\frac{1}{(x+7)(x-7)}} {\Large\frac{1}{(x-1)(x+1)}} です。

 

このまま通分すると、

分母が、( x+7)( x-7)( x-1)( x+1) と、

とても長くなりますから、

またここで、

「どうやるの?」と自分に聞いて、

( x+7)( x-7)=x-49 や、

( x-1)( x+1)=x-1 を利用すれば、

分母の式が短くなることを思い付きます。

 

この思い付きで計算すると、

 {\Large\frac{1}{(x+7)(x-7)}} {\Large\frac{1}{(x-1)(x+1)}}

 {\Large\frac{1}{{x^{2}-49\,\,\,\,}}} {\Large\frac{1}{{x^{2}-1\,\,}}}= です。

 

通分して、

 {\Large\frac{1}{{x^{2}-49\,\,\,\,}}} {\Large\frac{1}{{x^{2}-1\,\,}}}

 {\Large\frac{({x^{2}-1})}{({x^{2}-49})({x^{2}-1})}} {\Large\frac{({x^{2}-49})}{({x^{2}-1})({x^{2}-49})}}= です。

 

分子は、

ひき算になることに注意して、

 {\normalsize {(x^{2}-1)-(x^{2}-49)}}=48 ですから、

 {\Large\frac{1}{{x^{2}-49\,\,\,\,}}} {\Large\frac{1}{{x^{2}-1\,\,}}}

 {\Large\frac{({x^{2}-1})}{({x^{2}-49})({x^{2}-1})}} {\Large\frac{({x^{2}-49})}{({x^{2}-1})({x^{2}-49})}}

 {\Large\frac{48}{({x^{2}-49})({x^{2}-1})}} です。

 

2x を後から付けることを思い出して、

かけ算で付けますから、

 {\Large\frac{96x}{({x^{2}-49})({x^{2}-1})}} が、答えです。

 

 

このように、

何回も立ち止まり、

計算する前に、

「どうするの?」と自分に聞いて、

式を見て、思い付きを得て、

そして、

計算を続けます。

 

参考までに、

このように、

「どうするの?」と自分に聞きながら、

計算している子は、

小5 です。

 

答えを出すことだけに絞り込んで、

しかも、

「どうするの?」が習慣になるように育てれば、

このような計算をできるようになります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -583)、(分数  {\normalsize {α}} -246)