筆算のひき算の繰り下がり計算は、同じパターンの繰り返しです。教える内容を、答えを出すための必要最小限に絞れば、子どもは、答えの出し方をつかみ易くなります。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:304 \\ - \: 107 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:503\\ - \: 479 \\ \hline \end{array} }} \\ のようなひき算で、

間違えやすい子です。

 

筆算のひき算の

同じ計算パターンの繰り返しが、

まだ、自分の計算スキルになっていない子です。

 

同じ計算パターンが

繰り返されているだけ・・と、

この子が納得するまで、

つまり、

「なぁんだ、そういうことなのか!」となるまで、

答えの出し方だけを、

教え続けます。

 

 

こちらの計算の実況中継を見せるだけの

実にシンプルな教え方です。

 

実況中継で見せる対象は、

「答えの出し方だけ」と、

絞り込んでいます。

 

以下は、

一例です。

 

文字にすると、

実際の計算のスピードを

見せようがありませんが、

かなり速いスピードの計算です。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:304 \\ - \: 107 \\ \hline \end{array} }} \\ の 4 と 7 を順に示して、

「4-7=、引けない」、

「14-7=7」、

107 の 7 の真下を示して、

「7」です。

 

見ていた子は、

計算に参加しながら、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:304\\ -\: 107\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ と書きます。

 

少し余計な回り道ですが、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:3000004 \\ - \: 1000007 \\ \hline \end{array} }} \\ の計算であるとしても、

まったく同じ計算の仕方で、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:3000004\\ -\: 1000007\\ \hline \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:7\end{array} }} \\ こうなります。

 

同じ計算パターンなのです。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:304\\ -\: 107\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ の続きの計算に戻ります。

 

304 の 0 を示して、

「1、減って、9」、

107 の 0 を示して、

「9-0=9」、

107 の 0 の真下を示して、

「9」です。

 

見て、参加しているこの子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:304 \\ -\: 107\\ \hline \:\:97\end{array} }} \\ と書きます。

 

回り道ついでですから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:3000004\\ -\: 1000007\\ \hline \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:7\end{array} }} \\ の続きの計算は、

やはり、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:304\\ -\: 107\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ の続きの計算と

まったく同じです。

 

こちらの実況中継のセリフまで、

そっくり同じです。

 

そして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:3000004 \\ -\: 1000007\\ \hline \:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:\:97\end{array} }} \\ まで同じです。

 

まったく同じ計算パターンを使っています。

 

この長い筆算のひき算は、

「9-0=9」の計算パターンを、

更に、4 回繰り返します。

 

「1、減って、9」、

「9-0=9」、

「9」の同じパターンを、

4 回繰り返します。

 

すると、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:3000004 \\ -\: 1000007\\ \hline \:999997\end{array} }} \\ になります。

 

ただ、

式が少し長いだけです。

 

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:304 \\ -\: 107\\ \hline \:\:97\end{array} }} \\ の続きの計算に戻ります。

 

3 を示して、

「1、減って、2」、

107 の 1 を示して、

「2-1=1」、

107 の 1 の真下を示して、

「1」です。

 

見て、参加している子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:304 \\ -\: 107\\ \hline 197\end{array} }} \\ と書きます。

 

やはり、

回り道の計算も、

書き足します。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:3000004 \\ -\: 1000007\\ \hline \:999997\end{array} }} \\ の続きの計算は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:304 \\ -\: 107\\ \hline \:\:97\end{array} }} \\ の続きの計算と、

まったく同じです。

 

計算した結果も、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:304 \\ -\: 107\\ \hline 197\end{array} }} \\ と同じで、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:3000004 \\ -\: 1000007\\ \hline \:1999997\end{array} }} \\ です。

 

同じ計算パターンの繰り返しです。

 

 

今は納得できていないこの子も、

必ず、

どこかで納得します。

 

このような納得、

「なぁんだ、そういうことなのか!」となること自体、

例えば、

「このように考えてごらん・・」と説明することで、

納得自体を教えることなどできません。

 

答えの出し方を、

繰り返し教え続けていると、

子どもが、そのどこかで、

勝手に、「そうか!」となるものなのです。

 

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:503\\ - \: 479 \\ \hline \end{array} }} \\ の実況中継で、

「借りる」について書きます。

 

3 と 9 を示して、

「3-9=、引けない」、

「13-9=4」、

9 の真下を示して、

「4」です。

 

実況中継を見ていた子は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:503\\ -\: 479\\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\ と書きます。

 

「引けないから、1 を借りる」と、

説明したら、

答えを出すこととは無関係のことを

説明したことになります。

 

筆算のひき算の

繰り下がりの計算をするとき、

毎回、子どもが内面で、

「引けないから、1 を借りる」と、

言ったりはしません。

 

1 を付けて、

引くことができるようにして、

そして、引くだけです。

 

これが、

答えを出すためにしていることです。

 

同じような理由で、

「3-9= のように、

引けなければ、

3 に、1 を付けて、

13 にしてから、

13-9= とすれば、

引けます」の説明も不要です。

 

子どもが、

答えを出すとき、

毎回、心の中で、

このようなことをつぶやいてはいません。

 

でも、

「3-9=、引けない」は、

答えを出すことに直結しています。

 

次に、

答えを出すことに直結していることは、

「13-9=4」なのです。

 

ここまで絞って教えれば、

計算を理解できた子どもが、

自力で計算するとき、

まったく同じことをすれば、

答えを出すことができます。

 

つまり、

繰り下がりの計算をするとき、

毎回、しなければ答えを出せないことです。

 

この意味で、

必要最小限だけに絞っています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -585)、(+-  {\normalsize {α}} -329)