文字式の展開です。自力で、できるはずなのに、「どうやるの?」です。この子の知っていることだけで、速いスピードの計算をリードして、答えを書き終わらせてしまいます。「なんだ、自分でできたのに・・」と思ってもらえるようにします。

 {{\Large\frac{1}{a}}(3a^{2}-5a)}= を、

計算できる力があるはずなのに、

「どうやるの?」と聞きます。

 

答えの出し方を、こちらに、

詳しく説明してもらって、

「そうか!」となることを期待しています。

 

アレコレと説明されて、

それから、

「そうか!」となった後、

 {{\Large\frac{1}{a}}(3a^{2}-5a)}= を計算することが、

学ぶ順番だと、

この子は思っていて、

順番にこだわっています。

 

どうしてこうなっているのか不明ですが、

習慣になっているようです。

 

 

つまり、

何かを学ぶときの順番は、

① 説明して教えてもらうこと、

② 理解できた学習知を利用して、

自力で問題を計算することが、

この子の守るべき順番です。

 

だから、

 {{\Large\frac{1}{a}}(3a^{2}-5a)}= を、

計算する力を持っているはずなのに、

計算しません。

 

自力で計算する前に、

こちらから、

何かの説明をしてもらい、

そして、

「なるほど・・」と理解できた後、

自力で計算する順番にこだわります。

 

 

このような学びの順は、

無意識の習慣であるだけに、

根強くて、

この順番を守ろうとします。

 

この子に、

「できるでしょ」、

「もし、間違ったとしても気にしないで」、

「答えを書いてしまいなさい」のように

誘ったとしても、

教えてもらえるまで、

自力で動こうとしません。

 

この子が強情なのではなくて、

何かを学ぶ順番へのこだわり、

つまり、

何かを教えてもらうのが先で、

その後で計算する・・のような順番が、

とても強い習慣なのです。

 

学びの順番が、

この子を無意識の抑止力のように

縛っています。

 

 

ですから、

この子が根強くこだわっている

学ぶ順番を満たすために、

答えの出し方だけを、

こちらの計算の実況中継を見せて教えます。

 

以下は、

一つの実例です。

 

 {{\Large\frac{1}{a}}(3a^{2}-5a)}= の  {{\Large\frac{1}{a}}} と、 {3a^{2}} を示して、

「これ掛けるこれ」、

そして、

 {{\Large\frac{1}{a}}} の分母 a を示して、

「これ、下」、

 {3a^{2}} を示して、

「これ、上」です。

 

このようなリードで、

子どもは、

 {{\Large\frac{1}{a}}(3a^{2}-5a)} {{\Large\frac{3a^{2}}{a}}} と書きます。

 

続いて、

 {{\Large\frac{1}{a}}(3a^{2}-5a)}= の  {{\Large\frac{1}{a}}} と、5a を示して、

「これ掛けるこれ」、

そして、

 {{\Large\frac{1}{a}}} の分母 a を示して、

「これ、下」、

5a を示して、

「これ、上」です。

 

この子は、

 {{\Large\frac{1}{a}}(3a^{2}-5a)} {{\Large\frac{3a^{2}}{a}}} {{\Large\frac{5a}{a}}}= と書きます。

 

次に、

 {{\Large\frac{3a^{2}}{a}}} を示してから、

「a が、下に 1 つ、上に 2 つ」、

「上に 1 つ残る」、

3 を示してから、

「これ、このまま」とリードします。

 

リードを見ていた子は、

 {{\Large\frac{1}{a}}(3a^{2}-5a)} {{\Large\frac{3a^{2}}{a}}} {{\Large\frac{5a}{a}}}=3a と書きます。

 

そして、

 {{\Large\frac{5a}{a}}} を示してから、

「a が、下に 1 つ、上に 1 つ」、

「なくなる」、

5 を示してから、

「これ、このまま」とリードします。

 

リードされた子は、

 {{\Large\frac{1}{a}}(3a^{2}-5a)} {{\Large\frac{3a^{2}}{a}}} {{\Large\frac{5a}{a}}}=3a-5 と書きます。

 

この子の知っていることだけで、

しかも、

一定の速いスピードで

答えを書き終えてしまいます。

 

「なんだ、

これなら、できたのに・・」と

この子に思ってもらえるようにしています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -597)、(分数  {\normalsize {α}} -253)