子どもは、「歩くこと」よりも、「走ること」が好きですから、計算手順をどうにかつかみ、モタモタとした計算をしていても、「走り出す」ような速い計算をしたくて、うずうずしています。だから、こちらの速いスピードの計算を見せて、疑似体験させます。

{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\: 2\\ \hline \end{array}}}\\ や、

{\normalsize{\begin{array}{rr}67\\\:\times\:\:\: 8\\ \hline \end{array}}}\\ のような筆算のかけ算を、

理解した計算の手順をガイドに、

後追いで計算している子です。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\: 2\\ \hline \end{array}}}\\ の 2 から 7 を、

下から上に見て、

2×7=14 と計算して、

4 を、{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\: 2\\ \hline \:\:\:4\end{array}}}\\ と書いて、

1 を繰り上がり数と覚えて、

2 から 3 を、

下から左斜め上に見て、

2×3=6 と計算して、

繰り上がり数 1 を、

6+1=7 と足して、

{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\:\: 2\\ \hline \:\:\:74\end{array}}}\\ と書きます。

 

このような計算の流れを、

計算手順としてつかみ、

これをガイドに、順に計算しています。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr}67\\\:\times\:\:\: 8\\ \hline \end{array}}}\\ でしたら、

8×7=56 と計算して、

{\normalsize{\begin{array}{rr}67\\\:\times\:\:\: 8\\ \hline \:\:\:6\end{array}}}\\ と書いて、

5 を繰り上がり数として覚えて、

8×6=48 と計算して、

繰り上がり数 5 を、

48+5=53 と足して、

{\normalsize{\begin{array}{rr}67\\\:\times\:\:\:\: 8\\ \hline \:\:\:536\end{array}}}\\ と書きます。

 

計算手順をガイドに、

後追いの計算です。

 

ですから、

モタモタとした印象です。

 

初心者レベルの計算です。

 

 

実は、

子ども自身、

同じように感じています。

 

そして、

今のモタモタとした

初心者レベルの自分の計算に、

子ども自身、

イライラしています。

 

「走るな!」、

「危ない!」と注意されても、

走ってしまうのが子どもです。

 

子どもを動かす主体性の率先力が、

モタモタと歩くことではなくて、

ダッと走り出すことを選びます。

 

しかもこの傾向は、

「歩く」・「走る」だけではなくて、

{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\: 2\\ \hline \end{array}}}\\ のような筆算のかけ算を、

計算するときも同じです。

 

モタモタとした計算を嫌い、

テキパキサッサとした計算を、

主体性の率先力が選ぼうとします。

 

でも、

まだ不慣れなために、

心でイライラを感じながら、

モタモタと計算しています。

 

 

だから、

こちらのテキパキサッサとした計算を

実況中継して見せながら、

子どもに、

答えを書く部分を参加させることで、

テキパキサッサとした計算を、

疑似体験させてしまいます。

 

以下のような実例の実況中継を、

速いスピードの動作で見せれば、

子どもは、

テキパキサッサとした計算を、

疑似体験できます。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\: 2\\ \hline \end{array}}}\\ の 2 と 7 を、

速い動作で、順に示しながら、

活舌のよい早口で、

「にしちじゅうし(2×7=14)」、

2 の真下を、速い動作で示して、

早口で、「し(4)」、

「指、いち(1)」です。

 

計算の仕方を見せるのではなくて、

速いスピードの計算を見せています。

 

こちらの速さに合うように、

{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\: 2\\ \hline \:\:\:4\end{array}}}\\ と、

走りだすような勢いで、子どもは書いて、

指を 1本伸ばします。

 

こちらは、

速いスピードの計算のリードを続けます。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\: 2\\ \hline \:\:\:4\end{array}}}\\ の 2 と 3 を、

速い動作で、順に示しながら、

活舌のよい早口で、

「にさんがろく(2×3=6)」、

子どもが指に取っている 1 を、

速い動作で触って、

早口で、「いち(1)増えて、しち(7)」、

3 の真下を、速い動作で示して、

早口で、「しち(7)」です。

 

走りだすような勢いで、

子どもは、{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\:\: 2\\ \hline \:\:\:74\end{array}}}\\ と書きます。

 

このリードで、

{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\: 2\\ \hline \end{array}}}\\ を、

テキパキサッサと計算して、

{\normalsize{\begin{array}{rr}37\\\:\times\:\:\:\: 2\\ \hline \:\:\:74\end{array}}}\\ と書き終わる疑似体験を、

子どもはします。

 

2~3問、

同じようなテキパキサッサとした計算を、

疑似体験させれば、

「なんだ、できることだけだ・・」と気付いて、

初心者レベルのモタモタした計算から、

かなりの程度、

テキパキサッサとした計算に飛躍します。

 

(基本  {\normalsize {α}} -625)、(×÷  {\normalsize {α}} -132)