同分母のたし算なのに、書く必要のない通分した途中式を書いて計算します。そのまま認めるようにして、この子が思い出せない約分を、計算だけリードします。

 {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{18}{12}}=1 {\Large\frac{6}{12}} と、

ここまで計算して、

何かが気になったように、

すべてを消してから、

「どうやるの?」と聞く子です。

 

筆圧の強い子です。

 

消しても、

書いた跡が残っています。

何が書かれていたのかが、分かります。

 

「あぁ、まだか・・」と、

こちらは思います。

 

そして、

「気付くまで待つか・・」と決めます。

 

 

さて、

この子は、

通分してからの計算の流れに

とても強く縛られています。

 

 {\Large\frac{1}{2}} {\Large\frac{1}{3}}= のたし算は、

2つの分子 1 と 1 を、

そのまま足せません。

 

分母をそろえてから、

2つの分子を足すのが、

計算の流れです。

 

ですから、

 {\Large\frac{3}{6}} {\Large\frac{2}{6}}= と通分した後、

2つの分子 3 と 2 を足します。

 

3+2=5 から、

答えは、 {\Large\frac{5}{6}} です。

 

でも、

 {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}}= は、

分母がそろっています。

 

通分の必要がありませんから、

2つの分子 7 と 11 を、

すぐに足すことができます。

 

それなのに、

通分してからの計算の流れに縛られて、

分母をそろえた途中式を、

どうしても書きたいのです。

 

分母が、

既にそろっていますから、

何もしないままに、

分母をそろえた途中式として、

問題  {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}}= を、

もう一度書いています。

 

だから、

 {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}}= のように、

書く必要のない途中式を書いてから、

2つの分子 7 と 11 を、

7+11=18 と足して、

 {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{18}{12}} と計算します。

 

 

計算した答え  {\Large\frac{18}{12}} は、

上が大きいので、

更に計算して、

 {\Large\frac{6}{12}} とします。

 

この 1 {\Large\frac{6}{12}} が、

答えのような気がするものの

まだ、

何かできそうな気がするようです。

 

すぐれた感覚です。

 

そのまま、

「どうするの?」と聞けばいいのですが、

 {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{18}{12}}=1 {\Large\frac{6}{12}} と書いた式を、

すべて消してから、

「どうするの?」です。

 

 

実は、

 {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{7}{8}} {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{7}{8}} {\Large\frac{8}{8}}=1 のような計算で、

途中式  {\Large\frac{1}{8}} {\Large\frac{7}{8}}= を書かないように、

少し前に、

何回か教えています。

 

頭の片隅に、

注意されたことを、

守っていないような気がしたようです。

 

 {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{18}{12}}=1 {\Large\frac{6}{12}} と書いた式を、

すべて消しています。

 

こちらは、

この子の育ちを手伝っていますから、

叱ることを一切しませんが、

でも、

「叱られる・・」と警戒したようです。

 

 

「どうするの?」と聞かれたこちらは、

子どもが消した跡を見て、

そこを示してから、

「合っている」、

「書いて」と促します。

 

促されたこの子は、

 {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{18}{12}}=1 {\Large\frac{6}{12}} と書きます。

 

すぐに、

この続きの約分をリードします。

 

「わ(=)」、

「6 で」、

「上、1」までリードすると、

この子は、「分かった」となります。

 

そして、

 {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{7}{12}} {\Large\frac{11}{12}} {\Large\frac{18}{12}}=1 {\Large\frac{6}{12}}=1 {\Large\frac{1}{2}} と、

サッと完成させます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -638)、(分数  {\normalsize {α}} -266)