投げ捨てるような口調で、「答えを出すこと」だけを手伝います。「入れること」にあるこの子の焦点を、ほんの少し、「出すこと」の方に動かします。

「入れること」に焦点のある子が、

集中を切らせて、

ボ~ッとしています。

 

13-7=、14-5=、11-8=、16-9=、

このようなひき算 100問の途中です。

 

集中力が弱いからなのですが、

その原因は、

「入れること」に焦点があることです。

 

外からの何らかの働きかけを待っています。

 

「どうしたの?」や、

「できるでしょう?」のような働きかけを、

待っています。

 

このような「できるでしょう?」のような

何らかの働きかけがあれば、

この子は、

集中が切れて、

止まっているひき算 13-7= に戻ります。

 

 

でもこうしてしまうと、

この子の焦点は、

「入れること」のままですから、

次に、集中が切れた後も、

同じようなことになります。

 

外からの「できるでしょう?」のような

働きかけを待ってから、

止まっていたひき算に戻ることの繰り返しです。

 

だから、

この子の焦点を、

「入れること」から、

「出すこと」にシフトさせるようなリードをします。

 

 

集中が切れて、

ボ~ッとしているこの子に、

まったくの突然に、

「答えを出すこと」だけをリードします。

 

13-7= で止まっていますから、

突然に、

= の右を無言で示してから、

「ろく(6)」と、

投げ捨てるように言います。

 

「出すこと」に、

焦点をシフトさせるための口調です。

 

丁寧に優しい口調で、

「ろく(6)」でしたら、

この子は、

何かが入るのを待っているのですから、

「答えが入ったから書く」のような順になります。

 

こうなるようにしたくないので、

こちらは心の中で冷たく

「答えの出し方は知っているね」、

「そう、ろく(6)だよ」のような気持ちで、

「ろく(6)」と投げ捨てるような口調です。

 

つまり、

「答え 6 が、

外から入ったから書く」ではなくて、

「自分も内面で、

計算した答え 6 を書く」となることを、

密かに狙っている口調です。

 

 

集中が切れて、

ボ~ッとしている子の

集中を戻す手伝い方を、

いつも、この同じ口調でリードすることで、

「入れること」にある焦点が、

少しずつユックリと、

「出すこと」に移動していきます。

 

「出すこと」に子どもの焦点が動き始めると、

この子の内面に、

出していないことを気にする気持ちが、

少しずつ育ちます。

 

 

「入れること」に焦点のある子が、

「分からない」と聞きます。

 

約分  {\Large\frac{26}{65}}= の問題です。

 

約数が思い付かないようですが、

「分からない」と言います。

甘えの依存です。

 

 

この子に、

 {\Large\frac{26}{65}}= の分子 26 を示して、

「何で割れる?」と聞けば、

「2」と答えてくれるはずです。

 

そうしたら、

分母 65 を示して、

「2 で割れる?」と聞きます。

 

「割れない」と答えてくれるでしょうから、

また、分子 26 を示して、

「2 で割ると、どうなる?」と聞きます。

 

すると、

「13」と、

少しモタモタするでしょうが、

答えてくれるでしょうから、

また分母 65 を示して、

「13 で割ると・・?」と誘います。

 

答えが出ないようでしたら、

「5」と、こちらが出してしまいます。

 

と、

このようにリードすることも考えられます。

 

 

でもこうすると、

「入れること」に焦点のある子ですから、

「教えてもらえたから、

 {\Large\frac{26}{65}} {\Large\frac{2}{5}} とできた」と勘違いされます。

 

そして、

「入れること」に焦点を置いたままになります。

 

約数を思い付かない約分に、

同じように、

「分からない」と聞くことが続きます。

 

 

そこで、

この子の焦点を、

「入れること」から、

「出すこと」にシフトさせることを狙います。

 

「分からない」と聞かれた  {\Large\frac{26}{65}}= に、

投げ捨てるような口調で、

「13 で」とだけ言います。

 

投げ捨てるような口調で言うことで、

この子が、

「13 で割るらしい」のようなことを、

感じてもらえるようにします。

 

この子の焦点が、

少しだけですが、

「出すこと」の方に動くはずです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -645)、(+-  {\normalsize {α}} -357)、(分数  {\normalsize {α}} -270)