「3けた×2けた」の筆算のかけ算に、「嫌だなぁ」を感じさせる子を、「答えを出したい・・」と思っていると、先に信じてしまってから、こちらの速いスピードの答えの出し方を見せます。こうすると、どこかで子どもは、自分が信頼されていると感じるようです。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 61 \\ \hline \end{array}  }}\\ に、

「嫌だなぁ」を強く感じさせる子をリードします。

 

強い「嫌だなぁ」を感じさせますが、

「もうやめた」、

「こんなのできっこない・・」ではなくて、

「答えを出したい・・」だろうと、

先に信じてしまいます。

 

 

どのように信じるかは、

この子とは無関係に、

こちらが自由に選べることです。

 

目の前の子の状態から、

この子を信じるのかどうかを

決めるのではなくて、

目の前の状態とは無関係に、

この子をリードするこちら自身が、

一人の人として、

リードするこの子のことを

「答えを出したい・・」と思っていると、

信じることを選択できます。

 

だから、

難しさを感じて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 61 \\ \hline \end{array}  }}\\ のようなかけ算に、

強い「嫌だなぁ」と感じている子を、

でも、

「答えを出したい・・」と思っていると、

信じることを選びます。

 

そして、

このように信じてしまったこちらが、

「答えを出したい・・」と思っている子に、

こちらの速いスピードの計算を見せるリードで、

答えを出してしまいます。

 

 

以下の見せ方は、実例です。

 

数字を示す動作を素早く、

口調は小声でぼそぼそと、

しかしハッキリと聞きとれる早口です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 61 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 1 と、真上の 6 を示して、

「いんろくがろく(1×6=6)」、

1 の真下を示して、

「ここ」です。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:61 \\ \hline \:\:\:\:\:\:\:6\end{array}  }}\\ と書きます。

 

次に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:61 \\ \hline \:\:\:\:\:\:\:6\end{array}  }}\\ の 1 と 0 を示して、

「いち掛けるゼロ、ぜろ(1×0=0)」、

書いた答え 6 の左を示して、

「ここ」です。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:61 \\ \hline \:\:\:\:\:06\end{array}  }}\\ と書きます。

 

次に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:61 \\ \hline \:\:\:\:\:06\end{array}  }}\\ の 1 と 4 を示して、

「いんしがし(1×4=4)」、

書いた答え 06 の左を示して、

「ここ」です。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:61 \\ \hline \:\:\:406\end{array}  }}\\ と書きます。

 

 

子どもは、

こちらの速いスピードの動作を見て、

早口の計算を聞いて、

こちらの出した答えを、

書きます。

 

少しずつ、

答えが完成していくことを、

子どもが書いていますから、

感じます。

 

すると、

この子の強い「嫌だなぁ」が、

確実に薄れてしまいます。

 

でも、

そのようなことは、

こちらがこの子を信頼すると、

先に決めたことと無関係です。

 

「そういうことが、起こってもおかしくない」、

このような感じで受け止めて、

ただ、

同じような速いスピードのリードを続けます。

 

 

続けて、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:61 \\ \hline \:\:\:406\end{array}  }}\\ の 61 の 6 と、

右上の 6 を示して、

「ろくろくさんじゅうろく(6×6=36)」、

書いた答え 406 の 0 の真下を示して、

「ここ、ろく(6)」、

「指、さん(3)」です。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 61 \\ \hline   406 \\  \:\:\:\:\:\:\: 6\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\ と書きます。

 

次に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 61 \\ \hline   406 \\  \:\:\:\:\:\:\: 6\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\ の 61 の 6 と、

真上の 0 を示して、

「ろく掛けるゼロ、ゼロ(6×0=0)」、

指に取った 3 を触って、

「さん(3) 増えて、さん(3)」、

書いた答え 406 の 4 の真下を示して、

「ここ、さん(3)」です。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 61 \\ \hline   406 \\  \:\:\:\: 36\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\ と書きます。

 

次に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 61 \\ \hline   406 \\  \:\:\:\: 36\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\ の 61 の 6 と、

左上の 4 を示して、

「ろくしにじゅうし(6×4=24)」、

書いた答え 406 の 4 の左下を示して、

「ここ」です。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 61 \\ \hline   406 \\   2436\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\ と書きます。

 

次に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\times  \:\:\:\: 61 \\ \hline   406 \\   2436\:\:\:\,\\\end{array}  }}\\ の答え 2436 の下を示して、

「線」です。

 

子どもは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 61 \\ \hline   406 \\   2436\:\:\:\,\\\hline \end{array}  }}\\ と、線を引きます。

 

次に、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 61 \\ \hline   406 \\   2436\:\:\:\,\\\hline \end{array}  }}\\ の 2行の答えのたし算です。

 

ここまでの計算と同じように、

1つの計算をリードしたら、

その答えを書かせることで、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 61 \\ \hline   406 \\   2436\:\:\:\,\\\hline24766 \end{array}  }}\\ と、答えが出ます。

 

 

答えが出た後か、

もう少し前のどこかの計算で、

子どもは、

自分が、こちらから信頼されていると

何となく感じるようです。

 

こちらの信頼を感じると、

こちらの信頼に答えたくなるようです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -659)、(×÷  {\normalsize {α}} -139)