通分する分数のたし算に戸惑うことがあります。こちらの速いスピードの計算でリードすれば、子どもは、一瞬で戸惑いを忘れ、夢中になって、速いスピードの計算に付いてきます。こうして、こちらがリードしている 1分間くらい、戸惑いをまったく忘れる体験をさせます。

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}}= や、

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}}= の分数のたし算で、

戸惑います。

 

戸惑っている子に、

こちらのすることは、一つだけです。

 

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}}= と、

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}}= を、

速いスピードの計算をリードして、

スラスラと計算することを体験させます。

 

こちらにリードされての計算ですから、

正確には、疑似体験です。

 

それでも、

速いスピードでスラスラと

答えを出している体験中は、

この時だけの一時的ですが、

この子に戸惑いはありません。

 

戸惑いがゼロで、

速いスピードでスラスラと計算する体験が、

この子の心の中に残ることで、

やがて、この体験が、

この子をリードするようになります。

 

 

以下のように、

こちらの計算を実況中継で見せて、

この子の計算をリードします。

 

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}}= の

2つの分母 17 と 34 を示して、

「34÷17 割り切れる」、

「下、34」と言います。

 

共通分母 34 をリードしています。

 

続いて、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}}= の  {\Large\frac{7}{17}} の 17 を示して、

「17 掛ける 2、34」、

= の右を示して、

「下、34」、

 {\Large\frac{7}{17}} の 7 を示して、

「7 掛ける 2 、14」、

「上、14」です。

 

こちらの早口で、

速いスピードの計算を見て、

聞いていた子は、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{14}{34}} と書きます。

 

分母 34 や、

分子 14 を書いている子は、

「そうか・・」のような

何らかの納得をしています。

戸惑いとは違う状態です。

 

リードを続けて、

「足す(+)」、

 {\Large\frac{3}{34}} を示して、

「これ」です。

 

子どもは、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{14}{34}} {\Large\frac{3}{34}} と書きます。

 

通分が完成します。

 

 

戸惑っていない状態であれば、

ここまで計算が進むと、

「もう分った・・」のようになりますが、

戸惑っていましたから、

続きを自力で計算する元気がないようです。

 

こちらのリードを続けて、

「わ(=)」、

「下、34」、

「上、14+3=17」、

「17」です。

 

子どもは、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{14}{34}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{17}{34}} と書きます。

 

通分後の

たし算が完成します。

 

 

こちらはさらに続けて、

「わ(=)」、

「17 で」、

「上、1、下、2」です。

 

子どもは、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{14}{34}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{17}{34}} {\Large\frac{1}{2}} と書きます。

 

たし算の後の

約分が完成します。

 

 

答えを出すための計算だけを、

速いスピードでリードして、

こちらが出した答えを、

一つ一つ、子どもに書かせます。

 

子どもは書くことで、

こちらが計算しているこちらの体験が、

見ているだけの子どもの疑似体験に変わり、

1分以内で、

答え  {\Large\frac{1}{2}} を書き終わります。

 

1分以内の短時間ですが、

戸惑っていたはずなのに、

戸惑いゼロの速いスピードで

答え  {\Large\frac{1}{2}} を出す疑似体験をします。

 

戸惑っていたこの子が、

こちらの速いスピードのリードに、

夢中になって付いていくことで、

瞬時に、

戸惑いのない状態に、

ワープしたような感じです。

 

 

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}}= も同じようにリードして、

答え  {\Large\frac{1}{2}} を、

1分以内で書き終わります。

 

やはり、

戸惑っていたはずなのに、

戸惑いゼロで、

スラスラと計算する疑似体験です。

 

詳細のリードは省略しますが、

速いスピードの計算でリードされて、

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}}= が、

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}} {\Large\frac{10}{38}} に変わり、

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}} {\Large\frac{10}{38}} {\Large\frac{9}{38}} になり、

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}} {\Large\frac{10}{38}} {\Large\frac{9}{38}} {\Large\frac{19}{38}} になり、

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}} {\Large\frac{10}{38}} {\Large\frac{9}{38}} {\Large\frac{19}{38}} {\Large\frac{1}{2}} と、

この子が書くことで、

計算を終えます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -675)、(分数  {\normalsize {α}} -283)