筆算のたし算の繰り上がり数 1 を、「覚える」やり方にすると、覚えたこと自体を忘れて、次の答えに、1 を足し忘れることがあります。繰り上がり数 1 を、指に取らせて、その指を、問題の真横に置くことで、1 の足し忘れを防ぐことができます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 64 \\ \hline \end{array} }} \\ の筆算のたし算に、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 64 \\ \hline102\end{array} }} \\ のような答えを書きます。

 

間違えています。

 

正しくは、 {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 64 \\ \hline112\end{array} }} \\ です。

 

 

8+4= や、4+6= は、

横並びで書いてあっても、

音で、

「はち足すしは?」や、

「し足すろくは?」と聞いても、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}\:\:8 \\ +\:\:\: 4 \\ \hline \end{array} }} \\ や、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}4\:\: \\ +\: 6\:\: \\ \hline \end{array} }} \\ のように縦に並んでいても、

答え 12 や、10 を瞬時に出せる子です。

 

この子の計算の仕方は、

筆算  {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 64 \\ \hline \end{array} }} \\ の最初の計算 8+4=12 の

繰り上がり数 1 を、

「覚える」やり方で、

後追いの計算にしているために、

このように、忘れることがあります。

 

 

もちろん、

筆算のたし算  {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 64 \\ \hline \end{array} }} \\ に慣れて、

速いスピードで答えを出せるようになれば、

繰り上がり数 1 を、

「覚える」やり方であったとしても、

次のたし算の答えを 1 増やすと、

先回りして待ち構えますから、

繰り上がりのたし算を確実に行ってしまいます。

 

速いスピードで答えを出せるようになる前は、

計算の流れを追うことに精一杯ですから、

繰り上がり数 1 を覚えても、

覚えたこと自体を、

次のたし算 4+6=10 の後、

思い出すことができなくて、

繰り上がりのたし算を忘れてしまいます。

 

 

ですから、

覚えたことを忘れないように、

繰り上がり数 1 を、

指に取らせることがあります。

 

この子のように、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 64 \\ \hline \end{array} }} \\ を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 64 \\ \hline102\end{array} }} \\ と間違える子には、

確実に、

繰り上がりのたし算を行なわせるために、

繰り上がり数 1 を、

指に取らせることが、

効果的です。

 

繰り上がりのたし算を

確実に行うようになることが目的ですから、

繰り上がり数 1 を、

指に取った指は、

子どもの視界から外さないように、

問題  {\normalsize { \begin{array}{rr} 48 \\ +\: 64 \\ \hline \end{array} }} \\ の真横付近に、

置いたままにします。

 

ただこれだけのことなのですが、

確実に繰り上がりのたし算を行なえるようになり、

答えを出すスピードも速くなります。

 

答えを出すスピードが速くなれば、

自然に、

繰り上がりのたし算が、

後追いから、

先回りして待ち伏せるように変わります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -682)、(+-  {\normalsize {α}} -372)