筆算のかけ算を、とてもダラダラと計算しています。「1時間で終わらせる」と、この子の心が、この子に気付かれないように決めて、この子をコントロールしているからです。と、このように考えれば、この子をリードすることができます。

{\normalsize{\begin{array}{rr} 27 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \end{array}}}\\ や、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 24 \\\:\times\:\:\: 9 \\ \hline \end{array}}}\\ の筆算のかけ算 50問を、

計算しています。

 

2けた×1けたの筆算のかけ算で、

繰り上がりのたし算があります。

 

 

この子は、

答えの出し方を知っています。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 27 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \end{array}}}\\ の 6 と、7 を見て、

6×7=42 の 2 を、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 27 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \:\:\:2\end{array}}}\\ と書いて、

4 を繰り上がり数として覚えます。

 

続いて、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 27 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \:\:\:2\end{array}}}\\ の 6 と、2 を見て、

6×2=12 に、

繰り上がり数 4 を、

12+4=16 と足して、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 27 \\ \times  \:\:\: 6 \\\hline 162 \end{array}}}\\ と書きます。

 

 

九九は、

1つの段を、6秒で唱える速さです。

 

6×7= や、

6×2= の答えが、

「ろくしちしじゅうに」や、

「ろくにじゅうに」の九九の音を使わなくて、

感覚のように、

瞬時に浮かびます。

 

たし算は、

7+8= を見たら、

瞬時に、答え 15 が浮かびます。

 

たし算の指が取れていますから、

12+4= のような繰り上がりのたし算も、

瞬時に、答え 16 を出せるはずです。

 

これだけの

速いスピードで計算する力を持っている子です。

 

 

それなのに、

とてもダラダラとした印象で、

モタモタとしたスピードで

答えを出しています。

 

「おかしい?」、

「この子は、もっと速いスピードで

答えを出せるはずなのに?」と感じさせます。

 

でも、

よくある光景です。

 

この子がサボっているのではなくて、

多くの子が、

このようなダラダラとした計算を

時としてします。

 

 

実に単純な理由があって、

子どもは、

ダラダラ、モタモタと答えを出しています。

 

無意識なのですが、

この位の時間で終わらせる・・と、

決めているためです。

 

少しモタモタしたとしても、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 27 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \end{array}}}\\ のような 50問は、

10分くらいで、

この子の速いスピードの計算力があれば、

終わるはずです。

 

それを、

この子が無意識に、

1時間と心に決めていたら、

この子の心は、

1時間を使い切ろうとしますから、

ダラダラ、モタモタと答えを出すように、

この子をコントロールします。

 

無意識ですから、

この子自身も、

自分が、1時間かけて、

目の前の 50問を計算すると、

決めていることを知りません。

 

気付かないままに、

自分が心に無意識で決めている

「1時間で終わらせる」に縛られて、

1時間を使い切るように計算しますから、

ダラダラ、モタモタと答えを出しています。

 

これは、

経験上の仮説ですが、

子どもは前もって、

「このくらいの時間で終わらせる・・」と、

無意識ですが、

ハッキリと決めているようです。

 

 

この子に、

「どうしたの?」、

「九九も速いし、

たし算も楽でしょ」、

「サッサと終わらせたら・・」と、促しても、

少しも速くなりません。

 

「1時間で終わらせる」と、

この子自身知らないうちに、

無意識が勝手に決めていて、

コントロールされているからです。

 

反抗しているのではありません。

 

速くしようとしても、

心に邪魔されて、

速い計算をできないのです。

 

 

こちらが、

自分の計算を見せる実行中継で、

この子をリードすれば、

無意識が決めた時間に

コントロールされている子に、

速いスピードの計算を体験させることができます。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 27 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \end{array}}}\\ の 6 と 7 を示しながら、

「ろくしちしじゅうに(6×7=42)」、

6 の真下を示して、

「に(2)」、

「指、し(4)」です。

 

こちらの速いスピードのリードを見ていた子は、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 27 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \:\:\:2\end{array}}}\\ と書いて、

指を 4本伸ばします。

 

こちらのリードを続けます。

 

{\normalsize{\begin{array}{rr} 27 \\\:\times\:\:\: 6 \\ \hline \:\:\:2\end{array}}}\\ の 6 と 2 を示しながら、

「ろくにじゅうに(6×2=12)」、

子どもが指に取っている 4 を触って、

「し(4)増えて、じゅうろく(16)」、

2 の真下を示して、

「じゅうろく(16)」です。

 

速いスピードのリードを見ていた子は、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 27 \\ \times  \:\:\: 6 \\\hline 162 \end{array}}}\\ と書きます。

 

 

同じように、

{\normalsize{\begin{array}{rr} 24 \\\:\times\:\:\: 9 \\ \hline \end{array}}}\\ など、

4~5問リードして、

こちらがリードしている間だけですが、

今日のこの子の状態であっても、

速いスピードの計算を

体験させることができます。

 

「1時間で終わらせる」と、

この子に気付かれないように決めて、

この子をダラダラ計算にコントロールしている

内面の力に抗して、

答えを出すことだけをリードすれば、

この子も素直に、

こちらのリードに付いてきます。

 

 

このようなリードを、

4~5問行い、

少し間を空けてから、

また 4~5問、

同じようにリードします。

 

50問が終わるまで、

5~6回、

こちらがリードすれば、

「1時間で終わらせる」と、

内面の力にコントロールされている子に、

20~30分くらいで

終わらせることができます。

 

ダラダラ、モタモタと計算する問題と、

こちらにリードされて、

テキパキ、サッサと計算する問題が、

何問かずつ交互に混ざって、

50問を終えます。

 

このような体験を繰り返すことで、

この子を、

意志の強い子に育てることができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -688)、(×÷  {\normalsize {α}} -141)