問題を見たら、分数計算の答えらしい数が、見えてしまう特別な力を持っている子です。常に、正しい答えが見えるのではないようです。

 {\Large\frac{12}{6}}= は、

仮分数を、整数か帯分数に変える問題です。

 

この子は、

 {\Large\frac{12}{6}}=2 と、正しく計算できます。

 

「どうやったの?」と聞きます。

 

「あなたが計算した方法を知りたい。

私に教えてください」が、

「どうやったの?」です。

 

「6×2」と、

この子は、教えてくれます。

 

 

なるほど、

「6 に、何を掛けたら、12 になる?」と、

難しいやり方で、

答え 2 を出したことを、

こちらは、この子から教えられて知ります。

 

そこで、

「12÷6?」と聞きます。

 

問題  {\Large\frac{12}{6}}= の 2つの数、

12 と 6 だけで、

答えを出すやり方です。

 

 

実は、

このすぐ後に、

この子は、計算などしていないのに、

答えが浮かぶらしいと、

分かるのですが、

この時点では、分かっていません。

 

何らかの計算をして、

問題  {\Large\frac{12}{6}}= の答え 2 を

出しているとの前提です。

 

12÷6= の計算の仕方を、

スッと受け入れます。

 

「分かった!」でもなければ、

「なるほど・・」でもありません。

 

とてもおかしな反応です。

 

この子にしたら、

6×2 の計算の仕方も、

12÷6= の計算の仕方も、

同じことらしいのです。

 

 

この少し後で、

以下のようなことが分かります。

 

この子が、

 {\Large\frac{50}{5}}=10 と正しい答えを出せていて、

 {\Large\frac{51}{5}}= 問題の答えを書く前に、

「9?」と聞きます。

 

こちらは心の中で瞬時に、

「やはりそうらしい」、

「答えらしいものが見えているようだ」と思って、

「違う!」とだけ教えます。

 

これだけで、

 {\Large\frac{51}{5}}=10 {\Large\frac{1}{5}} と、

正しい答えを書いてしまう子です。

 

 

この子の頭の中に、

言葉で伝えることが難しいのですが、

普通の子に見えていない何かが、

見えている感じです。

 

問題  {\Large\frac{51}{5}}= を見たら、

普通の子であれば、

この式だけが見えます。

 

ですが、この子は、

 {\Large\frac{6}{5}} が見えているようなのです。

 

勘違いされそうですから、

あえて書き足しますが、

頭の中で 51÷5=9・・・6 と計算してから、

 {\Large\frac{6}{5}} を頭の中に浮かべているのではありません。

 

このような計算をしていないのに、

 {\Large\frac{51}{5}}= を見たら、

 {\Large\frac{6}{5}} が見えているらしいのです。

 

 

ですが、

何となくなのでしょう、

 {\Large\frac{6}{5}} を、怪しいと疑っているようです。

 

疑っていなければ、

 {\Large\frac{51}{5}}=9 {\Large\frac{6}{5}} と、書いてしまうのでしょうが、

疑っているから、

「9?」と聞きます。

 

普通の子と大きく違いますから、

くどいのを承知で書いていますが、

この子は、

自分に見えている数 9 {\Large\frac{6}{5}} から、

「9?」と聞いています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -690)、(分数  {\normalsize {α}} -292)