筆算のたし算は、手順が決める「1けた+1けた」のたし算の組み合わせです。「1けた+1けた」の答えが、10以上になると、扱い方に違いが出ます。この違いを修得するとき、子どもの潜在能力が刺激されます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 49 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\ の計算は、

まず、9+5=14 と足して、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 49 \\ +\: 15 \\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\ と書いて、

1 を覚えます。

 

次に、

4+1=5 と足して、

さらに、

覚えている 1 を足して、

5+1=6 として、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 49 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:64\end{array} }} \\ と書きます。

 

子どもは、

1番目のたし算の 9+5=14 の 4 だけを、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 49 \\ +\: 15 \\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\ と書いて、

1 を覚えるような計算の仕方です。

 

9+5=14 の答え 14 の

一部分の 4 だけを書いて、

残りの一部分の 1 を覚えます。

 

慣れてしまえば、

自然にできますが、

一部分だけ書いて、

残りの一部分を覚えるような

ややこしいことをしないで、

答え 14 を書いてしまったとします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 49 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:14\end{array} }} \\ こうなります。

 

 

こうすると、

2番目のたし算 4+1=5 の

答え 5 を書く空白がなくなります。

 

ですから、

答えを書く行を増やして、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  49\\ +  \: 15 \\ \hline   14 \\   5\:\:\:\\\end{array}  }}\\ のように、

1つ下の行に書きます。

 

ここでは、話の都合で

このような書き方をしています。

 

筆算のたし算の普通の書き方とは、

大きく違います。

 

 

でも、

このような書き方で、

計算を続けます。

 

この続きの計算は、

実は、

かけ算の筆算の計算  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  21 \\ \:\times  \: 34 \\ \hline   84 \\   63\:\:\,\,\\\hline \:714\end{array}  }}\\ を、

そのまま応用しています。

 

ですから、

たし算  {\normalsize {  \begin{array}{rr}  49\\ +  \: 15 \\ \hline   14 \\   5\:\:\:\\\end{array}  }}\\ の続きは、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  49\\ +  \: 15 \\ \hline   14 \\   5\:\:\:\\\hline \:64\end{array}  }}\\ です。

 

計算の手順が増えますが、

繰り上がり数 1 を覚えるような

一部分だけを書いて、

他の一部分を覚えるような

チグハグさがまったくありません。

 

 

すると、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 85 \\ +\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\ のように、

答えが 3けたになるときも、

同じルールで計算できます。

 

1番目のたし算 5+5=10 ですから、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 85 \\ +\: 15 \\ \hline\:\:10\end{array} }} \\ とそのまま書きます。

 

2番目のたし算 8+1=9 ですから、

1つ下の行にずらして、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  85\\ +  \: 15 \\ \hline   10 \\   9\:\:\:\\\end{array}  }}\\ と書きます。

 

この書き方のルールに慣れてしまえば、

繰り上がり数を覚える手間がありませんから、

少しも迷うことがありません。

 

そして、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  85\\ +  \: 15 \\ \hline   10 \\   9\:\:\:\\\hline \:100\end{array}  }}\\ です。

 

 

ではありますが、

これでは簡単すぎます。

 

子どもの潜在能力が刺激されませんから、

繰り上がり数を覚えるような難しさがなくなり、

ただ計算の仕方が楽になっただけです。

 

ですから、

子どもの潜在能力への

適度な刺激になることを期待して、

繰り上がり数 1 を覚える計算を、

乗り越えさせた方がよさそうです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -706)、(+-  {\normalsize {α}} -381)