分母が、17 や、19 のような大きな数の素数です。見慣れていないことに戸惑います。育ちが足りないからです。戸惑ったままの子に、答えの出し方をリードして、育てます。結果として、少しくらいの難しさに戸惑わない子になります。

目の前の子が、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}}= や、

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}}= の分数のたし算で

戸惑っています。

 

見たこちらが、

最初にすることは、

「戸惑っているのは子ども」、

「自分ではない」と、

ハッキリと心で自覚することです。

 

ここをハッキリと自覚しないと、

戸惑っているこの子を

何とかしてあげたいと思うのが、

自然な情ですから、

戸惑っている子に振り回されてしまいます。

 

 

自分は戸惑っていないことを

ハッキリと自覚したこちらは、

子どもを育てる手伝いとの役割を思い出して、

子どもを育てる視点から

子どもを眺めます。

 

子どもを育てる視点になったとき、

目の前の子が戸惑っていることを、

意識して気にしないようになります。

 

子どもを育てれば、

少しくらいの難しさで戸惑うことは

自動的になくなるからです。

 

育ちが足りないから、

少しの難しさに戸惑ってしまうのです。

 

すると、

純粋に算数の計算問題と

この子の関係を見ますから、

「計算していない」、

「答えを出していない」ことに気が付きます、

 

こうなると、

戸惑っているこの子を手伝う内容が、

絞られます。

 

この子が戸惑うほどに、

難しさを感じさせる計算問題

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}}= や、

 {\Large\frac{5}{19}} {\Large\frac{9}{38}}= の

答えを出す手伝いです。

 

 

そして、

こちら自身がこの子にすべきと、

選択したことは、

戸惑っている目の前の子に、

まったく戸惑いを感じていない子のように、

答えの出し方をリードすることです。

 

すると、

以下のようなリードを、

穏やかで子どもに優しい気持ちで、

淡々と行うことができます。

 

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}}= の

2つの分母 17 と 34 を示して、

「34÷17 割り切れる」、

「下、34」と言います。

 

「割り切れる」で十分です。

34÷17=2 の答え 2 は不要です。

 

34 が、

17 で割り切れれば、

34 は、17 の倍数ですから、

共通分母が 34 と分かるからです。

 

つまり、

34 が、

17 で割り切れると分かれば、

34 が、

2つの分母 17 と 34 の

共通分母(最小公倍数)になります。

 

 

続いて、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}}= の  {\Large\frac{7}{17}} の 17 を示して、

「17 掛ける 2、34」、

= の右を示して、

「下、34」、

 {\Large\frac{7}{17}} の 7 を示して、

「7 掛ける 2 、14」、

「上、14」です。

 

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}}= のたし算をするために、

分母を 34 にそろえます。

 

+ の左の  {\Large\frac{7}{17}} の分母は、

17 ですから、

34 にそろえるために、

2 を掛けます。

 

+ の右の  {\Large\frac{3}{34}} の分母は、

34 ですから、

そろえようとしている分母 34 になっています。

 

 

こちらのリードで、

戸惑っている子は、

戸惑ったままに、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{14}{34}} と書きます。

 

戸惑ったままですが、

分母 34 や、

分子 14 を書くことで、

この子は、

戸惑っていることから、

自動的に自然に離れ始めます。

 

 

リードを続けて、

「足す(+)」、

 {\Large\frac{3}{34}} を示して、

「これ」です。

 

こちらのリードで、

戸惑いが残ったままの子が、、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{14}{34}} {\Large\frac{3}{34}} と書きます。

 

このように、

戸惑いが残ったままに、

+ や、

 {\Large\frac{3}{34}} を書くことで、

戸惑いがさらに薄れます。

 

 

こちらのリードを続けて、

「わ(=)」、

「下、34」、

「上、14+3=17」、

「17」です。

 

かなり戸惑いが薄れた子が、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{14}{34}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{17}{34}} と書きます。

 

 

こちらはさらに続けて、

「わ(=)」、

「17 で」、

「上、1、下、2」です。

 

 

答えまでのリードが進むことで、

ほとんど戸惑いが消えた子が、

 {\Large\frac{7}{17}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{14}{34}} {\Large\frac{3}{34}} {\Large\frac{17}{34}} {\Large\frac{1}{2}} と書きます。

 

戸惑っている子を見て、

こちら自身のこの子への役割を、

ハッキリと意識して選ぶことで、

目の前の子の戸惑いに

少しも引きずられないで、

こちらは、

答えを出すだけのリードをできます。

 

こうすると、

こちらが、

子どもの戸惑いをまったく気にしていないと、

子どもは鋭い感覚で感じ取り、

答えを出すための計算そのものに

気持ちを移すことで、

戸惑いから離れてしまいます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -707)、(分数  {\normalsize {α}} -303)