×( +2)= を、
計算する前に、
計算順を決めさせます。
その後で、
自分が決めた計算順にリードされて
1つ1つ計算する習慣を育てます。
さて、
計算順を
計算する前に決めさせることは、
直接教えることができます。
自分が決めた計算順が、
自分が計算するときのガイドになり、
自分の計算をリードすることは、
どうにも教えようがありません。
こうできない子に、
こうすると言葉で説明しても、
内面で完結することですから、
こうできない子どもには、
まったく理解できません。
自分が決めた計算順を守らないミスの
間違えた答えを正す手伝いを
その子に必要なだけ繰り返すことで、
自分が決めた計算順が、
自分をリードするガイドになっていることに、
「そうか」、
「そういうことなのか」と
この子が納得するのを待ちます。
こうすることだけが、
こちらにできることです。
子どもがここを納得できると、
自分が決めた計算順を
心から離さないで、
自分をリードできるようになります。
この子は、
×( +2)= を計算する前に、
こちらから、「計算順?」と、誘われて、
① かっこの中の + 、
② 左の × の順に計算することを、
自分で決めています。
自分で決めたのですから、
自分が決めた順に計算することを、
この子は、
自分と約束したことになります。
でも、
自分が自分とした約束は、
自分が決めた順に計算することと、
思わないのが普通です。
ただ、
計算順を計算する前に決めただけで、
計算順を決めたら、
この計算順を決めることは、
決めて終わったことになります。
だから、
計算するとき、
自分が決めた計算順を忘れています。
そして
自分が決めた計算順ではない計算順、
つまり、
自分が計算しやすい計算から計算して、
×( +2)=2 とします。
正しい答えは、 です。
この子の答え 2 は、間違えています。
計算しやすい計算から計算していますから、
自分が決めた計算順、
+ が先で、
× が後を、
自分で破っています。
この子の計算は、
× が先で、
+ を後ですから、
かけ算の方が計算しやすいのでしょう。
この子は、
×( +2)= ではなくて、
×+2= を計算しています。
この子に、
「自分が決めた順番は、+ が先でしょ」、
「それなのにあなたは、× を先にしている」と、
言葉で説明して教えれば、
「あっ」と気付くでしょう。
でもこれは、
×( +2)=2 と間違えた計算を、
正そうとしているだけです。
自分が決めた計算の順番をガイドに、
自分をリードすることは、
ほとんど育たないでしょう。
計算順を決めるときは、
決めるだけで、
決めて終わります。
計算するときは、
決めた計算順とは無関係に、
計算しやすいところから計算するように、
計算順を決めることと、
計算することが関連しないままです。
だから、
自分が決めた計算順を、
自分が守っていないことに気付かせて、
計算順を決めることと、
計算することが関連していることを教えます。
間違えている答え 2 を消さずに残して、
問題 ×( +2)= を、
リードして計算します。
そして、
かっこの中の + を示して、
「これが、先と決めている」、
「+ を取り、2 を前に出し、2 が答え」と、
ここまでリードしたとき、
「もう分かった」となります。
「そうだった」、
「+ が先と、自分で決めていた」と、
計算順を決めることと、
計算することが、
関連していることに気付きます。
この先も、
自分が決めた計算順を、
自分で守らないで、
計算しやすいところから計算して、
間違った答えを出すことを繰り返します。
その都度、
同じようにリードすれば、
この子に必要な回数を繰り返すことで、
必ず、
計算順を決めることと、
計算することが関連するようになって、
自分が決めた計算順をガイドに、
計算する子に育ちます。
(基本 -709)、(分数 -305)