見えていない部分があるから、計算できません。見えていない部分だけを見えるようにすれば、残りは見えるのですから、自力で計算します。ここでは、少し変わった書き方の複素数の計算を例にします。

 {\normalsize {(2+\sqrt{-2\:\:})(3+\sqrt{-2\:\:})}}= は、

複素数のかけ算です。

 

それなのに、

複素数のかけ算に見えない子が、

「どうやるの?」と聞きます。

 

 

こちらは、

聞かれてすぐ、

「どこが見えていない?」と推測します。

 

見落としている何か、

見えていない何かがあるために、

 {\normalsize {(2+\sqrt{-2\:\:})(3+\sqrt{-2\:\:})}}= を、

自力で計算できないからです。

 

そして、

この子には、

複素数のかけ算」に、

見えていないらしい・・と思い付きます。

 

 

このように推測してから教えますが、

見えていない部分だけが、

見えるようにするだけのリードに限ります。

 

そして、

見えている部分は、

そのまま見えるようにしておくことが、

とても大事です。

 

見えていない部分だけが、

見えるようにすることができれば、

残りは見えている部分ですから、

子どもは自力で計算できます。

 

でも、

できそうでできないリードです。

 

見えている部分まで、

説明してしまう危険があるからです。

 

 

以下は、

見えていない部分だけが、

見えるようにするリードの実例です。

 

「かっこ」、

「に(2)」、

「プラス(+)」、

「ルート(\sqrt{\:\:\:\:})」、

「に(2)」、

「あい(  {\normalsize {i}} )」、

「かっこ」とリードすれば、

 {\normalsize {(2+\sqrt{2}{i})}} です。

 

続いて、

「かっこ」、

「さん(3)」、

「プラス(+)」、

「ルート(\sqrt{\:\:\:\:})」、

「に(2)」、

「あい(  {\normalsize {i}} )」、

「かっこ」とリードすれば、

 {\normalsize {(2+\sqrt{2}{i})(3+\sqrt{2}{i})}}= と、

問題  {\normalsize {(2+\sqrt{-2\:\:})(3+\sqrt{-2\:\:})}}= の式が、

書き換わります。

 

 

これで、

見えていない部分が、

見えるようになって、

「分かった」となります。

 

自力で、

続きを計算し始めます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -722)、(分数  {\normalsize {α}} -312)