算数で最初に修得する計算が、
9+5= のようなたし算です。
このようなたし算は、
9+5= の 9 の次の 10 から、
+5 の 5回、
10、11、12、13、14 と数えれば、
答え 14 を出すことができます。
これが自然で、
どの子でも、
なじむことができる答えの出し方です。
ですから、
このようなたし算の答えの出し方を習う前に、
「いち、に、さん、し、ご、・・・」の数唱や、
9 を、「く」と読む力や、
「じゅうし」を、14 と書く力を
修得(マスター)しておきます。
これらを、
一定の順序で組み合わせて使えば、
9+5= の答え 14 を出すことができます。
「いち、に、さん、し、ご、・・・」と唱えることは、
ただ唱えるだけです。
9 を、「く」と読むことも、
ただ数字を読んでいるだけです。
音で聞いた「じゅうし」を、
14 と書くことも、
音で聞いた数をただ書いているだけです。
それぞれが、
バラバラの力です。
例えば・・・ですが、
これらの力を以下のように、
実に絶妙に組み合わせます。
9+5= を見たとき、
+ の左にある 9 を見て、
この数字を読むと決めて、
「く」と読みます。
次に、
この「く」の次は、
数唱を唱えれば、「じゅう」と出ます。
次に、
+ の右の 5 を見て、
5回だけ、
数唱を唱えると解釈します。
このように、
5回だけ唱えると解釈することと、
「じゅう」から唱えることを組み合わせれば、
「じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん、じゅうし」です。
この最後の「じゅうし」の音を、
14 と数字に書くことと、
その書く位置が、
9+5= の = の右であることから、
9+5=14 です。
「いち、に、さん、し、ご、・・・」と数を唱えることと、
9 を、「く」と読むことと、
「じゅうし」を、14 と書くことを、
それぞれできるだけではなくて、
それぞれを絶妙に組み合わせることで、
9+5=14 と、
答えを出して書いています。
しかも、
数唱と、
数字の読みと、
数字の書きの絶妙な組み合わせ方は、
言葉で説明して教えようとしても、
簡単にできることではありません。
以下のように、
こちらの計算の実況中継を見せれば、
子どもは、
絶妙な組み合わせ方を
まねできるようになるのですから、
とても不思議なことです。
9+5= の 9 を示して、
「く」と声に出して読み、
+5 の 5 を示して、
9 の次の 10 から、
10、11、12、13、14 と、
5回、声に出して数えて、
= の右を示して、
「じゅうし(14)」と言います。
ここまでの流れを見ていた子は、
9+5=14 と書きます。
これだけの実況中継です。
5回でも、
10回でも、
その子に必要な回数だけ見せれば、
どの子もまねできるようになります。
数唱と、
数字の読みと、
数字の書きをスラスラとできる子であれば、
9+5= のような実況中継を、
50問、
100問と見るまでもなく、
10~20問前後で、
同じように計算できるようになります。
(基本 -727)、(+- -388)