約分は、分母と分子を同じ数で割ります。割られる数がなければ、例えば、2 で割って、3 になる数は何ですか。こうなると、約分ではなくて、方程式です。

見てまねする 2つの見本、

 {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{2}{6}} と、 {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{6}{15}} を、

書いておきます。

 

見本に隠されている計算を、

「分母と分子に同じ数を掛けて・・・」のように、

言葉で説明して、

教えません。

 

説明されないで見ると、

自然に自動的に、

「どうやっている?」のように考えます。

 

2つの例を見た子の内面に、

このような疑問を起こさせることで、

アレコレと連想させています。

 

そして、

問題  {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{\:\:\:}{8}} を計算させます。

 

 

この子は、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{6}{8}} と正しい答えを出します。

 

左の見本  {\Large\frac{1}{3}} {\Large\frac{2}{6}} だけを見て、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{2}{8}} と計算する子が多いのですが、

この子は、

右の見本  {\Large\frac{2}{5}} {\Large\frac{6}{15}} も見て、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{6}{8}} と、正しくできます。

 

 

右の見本も見るとき、

普通は、

左から右を見て、

2倍するかけ算を思い付きます。

 

それを、この子は、

右から左を見て、

2 で割るわり算を思い付きます。

 

見る向きが、

普通とは逆です。

 

 

さて、

右から左を見る向きとして、

右の分子は、

空白で何もありません。

 

何もないと、

計算しようがありません。

 

推測ですが、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{?}{8}} のように、「?」や、

あるいは、

 {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{x}{8}} のように、「x」のような文字を、

想定しているようです。

 

 

まず、

右の分母 15 から、

左の分母 5 を見て、

15 を、5 に変えることは、

約分そのものですから、

15÷3=5 と、

3 で割っていることに気付きます。

 

すると分子は、

同じ計算で、

6÷3=2 です。

 

この子は、

短時間でこのような計算を、

やや大げさな言い方ですが、

発見しています。

 

 

それから、

問題  {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{\:\:\:}{8}} を計算します。

 

やはり、

右の分母 8 から、

左の分母 4 を見て、

8÷2=4 ですから、

÷2 を見つけます、

 

そして、

右の分子を「?」としていると推測して、

?÷2=3 です。

 

計算自体は、

とても簡単で、

2 で割って、3 になる数は、

6 です。

 

左から右を見れば、

倍分です。

 

右から左を見れば、

倍分の逆の約分です。

 

この子は、

どうしてなのだか分かりませんが、

右から左を見て計算しています。

 

右から左を見れば、

約分そのものですが、

問題  {\Large\frac{3}{4}} {\Large\frac{\:\:\:}{8}} の分子のように、

右に数がないこともあります。

 

こうなると、

約分とは言えないですから、

方程式です。

 

「x」を使わないで、

言葉で方程式にすると、

2 で割って、

3 になる数を探します。

 

すぐに見つかり、

6 です。

 

(基本  {\normalsize {α}} -729)、(分数  {\normalsize {α}} -316)