自力で計算できない問題に出会うと、ジッと座って救いの手を待っていた子です。この同じ子が、50×43= の答えの出し方を、自分から、こちらに聞きます。主体性の率先力が育ったからです。

37×20= と、

50×43= の答えの出し方が、

分からないようです。

 

この子は、

こちらに、答えの出し方を聞きます。

 

と、

このように書くと、

「えっ、何をわざわざ・・・」と思われそうですが、

答えを自力で出せないと、

ジッと座ったままで、

救いの手を待つだけの子だったのです。

 

このようになっていた子が、

自分から、

こちらに、

答えの出し方を聞いたのです。

 

これだけのことなのですが、

実は、この変化は、

このような子にとって、

大きな勇気を必要とする出来事なのです。

 

この子としては、

とても大きな育ちなのです。

 

 

ジッと座ったままに、

救いの手を待っているときも、

今回のように、

自分から、答えの出し方を聞くときも、

「答えを出したい」と思っています。

 

「答えを出したい」と思っている気持ちの強さは、

子どもがどのようになっていようとも、

同じように強いようです。

 

強さに違いはないようなのです。

 

 

今回、自分から、

こちらに、答えの出し方を聞いたのは、

主体性の率先力が育ったからです。

 

主体性の率先力が弱いと、

反応性の依存になり、

救いの手を待つようになります。

 

自分から聞こう・・・とは、しないものです。

 

37×20= や、

50×43= の答えを出すことに、

主体性の自己責任が育つと、

率先力を発揮して、

答えの出し方を聞くようになります。

 

 

こうなった子の主体性の率先力を

こちらは真正面から尊重して、

聞かれてすぐ、

37×20= や、

50×43= の答えの出し方だけを、

ストレートに教え始めます。

 

こうすれば、

この子の主体性の率先力は、

もっと強く育ちますから、

答えの出し方と同時に、

この子の主体性の率先力を

育てることになります。

 

 

37×20= や、

50×43= の答えの出し方を、

以下のような実例で教えています。

 

こちらの計算の実況中継を、

子どもに見せて、

こちらが出した答えを、

子どもが書くように参加させる教え方です。

 

以下は、

37×20= のリードの実例です。

 

 

37×20= の 20 の 0 を示して、

「このゼロ」と言ってから、

= の右に数字 3つ分開けた位置を示して、

「ここ」です。

 

答えを出すことに参加している子どもは、

37×20=   0 と書きます。

 

続いて、

20 の 2 と、37 の 7 を示しながら、

「2×7=14」と言ってから、

37×20=   0 の答えの 0 の左を示して、

「し(4)」、

「指、いち(1)」です。

 

計算に参加している子は、

37×20=  40 と書きます。

 

次に、

20 の 2 と、37 の 3 を示しながら、

「2×3=6」と言ってから、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 増えて、しち(7)」とリードして、

37×20=  40 の答えの 40 の左を示して、

「しち(7)」です。

 

計算に参加している子は、

37×20= 740 と書きます。

 

 

主体性の率先力を発揮して、

37×20= の計算の仕方を聞いた子は、

このような参加の仕方をして、

計算の仕方をつかみます。

 

子どもから聞かれてすぐに、

こちらが計算の仕方だけをリードしたことで、

この子の主体性の率先力が育ち、

「次も、聞いて、

計算できるようになればいい・・・」と、

心に決めるようです。

 

 

50×43= も、

同じようなリードの仕方で、

答えの出し方を教えます。

 

50×43= の 50 の 0 を示して、

「このゼロ」と言ってから、

= の右に数字 3つ分開けた位置を示して、

「ここ」です。

 

答えを出すことに参加している子どもは、

50×43=   0 と書きます。

 

続いて、

50 の 5 と、43 の 3 を示しながら、

「5×3=15」と言ってから、

50×43=   0 の答えの 0 の左を示して、

「ご(5)」、

「指、いち(1)」です。

 

計算に参加している子は、

50×43=  50 と書きます。

 

次に、

50 の 5 と、43 の 4 を示しながら、

「5×4=20」と言ってから、

子どもが指に取った 1 を触って、

「1 増えて、にじゅういち(21)」とリードして、

50×43=  50 の答えの 50 の左を示して、

「にじゅういち(21)」です。

 

計算に参加している子は、

50×43=2150 と書きます。

 

 

このようなリードは、

1問の答えを書き終わるまで、

10秒くらいの短時間です。

 

主体性の率先力で聞いた子は、

「聞いてよかった」と、

主体性の率先力を強くできます。

 

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