算数や数学の計算で、さまざまな式が出てきます。式を見る目的は、計算して答えを出すことです。計算は、2つの数字があればできます。ですから、目的に合わせた特定の狭い部分だけを見ることが、式の形を見ることです。

算数や数学の計算問題の式を、

目的に合わせた狭い部分だけを見て、

そして計算します。

 

もちろん、

計算問題を見る目的は、

計算して答えを出すことです。

 

式の一部分だけを見て、

そして計算すれば、

答えを出すことができます。

 

つまり、

必要な一部分だけを、

狭く絞って見ることができるようになれば、

その計算に習熟しています。

 

 

計算するとき、

誰もがしていることですが、

このように改めて書かれると、

「えっ、何やら難しそうな・・・」と感じるでしょう。

 

とても単純なことですが、

意識してできるようになると、

算数や数学の計算を見る目が、

少し変わるはずです。

 

例で話した方が、

理解しやすいでしょう。

 

ここに、

2つの例を出します。

 

 

最初は、

たし算の式の見方です。

 

7+8= を見たら、

たし算に熟練したプロの感覚のように、

その答え 15 が、

労せずに瞬時に出るようになります。

 

こうなったとき、

7+8= の一部分の 2つの数字、

7  8  だけを見ています。

 

+ や、

= を見ていません。

 

もちろん、

目に見えていますが、

意識して見ていません。

 

「2つの数字だけを見る」と、

意識するようなことをしなくて、

ごく自然に 7+8= の 7 と 8 だけを見て、

読んだり、数えたりと労することなく、

7 と 8 だけを見た瞬間、

答え 15 が出ています。

 

 

次の例は、

分数のたし算です。

 

 {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{3}{8}}= の計算は、

共通分母 24 を探してから、

24 に通分して、

その後で足す流れです。

 

実際に計算して、

通分した後、

足した答え  {\Large\frac{29}{24}} は、仮分数です。

 

ですから、

帯分数 1 {\Large\frac{5}{24}} に変える計算が、

計算の流れに加わります。

 

 

このように、

問題  {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{3}{8}}= を、

 {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{3}{8}} {\Large\frac{20}{24}} {\Large\frac{9}{24}} {\Large\frac{29}{24}}=1 {\Large\frac{5}{24}} と計算するとき、

① 共通分母を探すこと、

② 通分すること、

③ 足すこと、

④ 仮分数を帯分数に変えることと、

4つの目的に合わせて、

それぞれ見る部分を限定していきます。

 

今の計算の目的を意識して、

目的のために見るべき部分を意識して絞り、

また次の目的を意識して・・・のように、

するまでもなく、

ごく自然に、

何をするのかに合わせて、

見るべき部分だけを見て、

たし算の計算の流れを進みます。

 

 

以下、

足し算の計算の流れを進むとき、

何をするために、

どこだけを見るのかを追います。

 

計算の流れの最初は、

問題  {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{3}{8}}= の 2つの分母を見ることです。

 

見れば、

6 と 8 ですから、

同じではなくて、

違います。

 

だから、

共通分母を探します。

 

 

共通分母を探し出すために、

大きい方と意識しないままに、

大きい方 8 を見て、

小さい方と意識しないままで、

小さい方 6 を見て、

大きい方の 8 を、小さい方の 6 で割ります。

 

「割り切れる」ようになっているのかだけを、

知るための割り算です。

 

8÷6= は、

答えを出さないままで、

「割り切れない」と分かります。

 

つまり、

6の段の九九の答えの中に、

8 がないのです。

 

 

共通分母を探し出す計算を続けます。

 

大きい方の 8 を、

2倍して、

8×2=16 として、

これを小さい方の 6 で割ります。

 

まず、

8 と 2 を頭の中に見て、

8×2=16 と計算します。

 

次に、

16 と 6 を頭の中に見て、

6の段の九九の答えの中に、

16 がないことを知ります。

 

 

共通分母を探し出す計算を続けます。

 

大きい方の 8 を、

3倍して、

8×3=24 として、

これを小さい方の 6 で割ります。

 

まず、

8 と 3 を頭の中に見て、

8×3=24 と計算します。

 

次に、

24 と 6 を頭の中に見て、

6の段の九九の答えの中に、

24 が、確かにあることを知ります。

 

これから、

共通分母は、

24 と探し出せます。

 

 

次の計算の流れは、

通分です。

 

共通分母 24 に、通分します。

 

通分は、

 {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{3}{8}}= の 2つの分数を、

1つずつです。

 

普通、

左側の  {\Large\frac{5}{6}} から通分しますから、

 {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{3}{8}}= の左の  {\Large\frac{5}{6}} だけを見ます。

 

 

 {\Large\frac{5}{6}} を、

 {\Large\frac{\:\:\:}{24}} に通分する計算は、

少し込み入った見方をします。

 

問題  {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{3}{8}}= の左の分数  {\Large\frac{5}{6}} のイメージを、

頭の中に取り込み、そして、

分母を 24 に変える新しい分数  {\Large\frac{\:\:\:}{24}} を、

頭の中に、想像します。

 

頭の中に、2つの分数、

 {\Large\frac{5}{6}} と、 {\Large\frac{\:\:\:}{24}} を見ます。

 

まず、

2つの分母 6 と、24 だけを見て、

6×4=24 とかけ算で、

6 と、24 を結び付けます。

 

そして、

この「×4」と、

 {\Large\frac{5}{6}} の分子 5 だけを見て、

5×4=20 と掛けて、

5 と 4 から、20を生み出して、

分子が不明であった分数  {\Large\frac{\:\:\:}{24}} を、

頭の中で、 {\Large\frac{20}{24}} に変えます。

 

頭の中で、

2つの分数  {\Large\frac{5}{6}} と、 {\Large\frac{\:\:\:}{24}} を見て、

2つの分母 6 と 24 を見て、

6×4=24 のかけ算で結び付けて、

「×4」と、分子 5 を見て、

5×4=20 とかけ算して、

 {\Large\frac{\:\:\:}{24}} を、 {\Large\frac{20}{24}} に変えて、

それから、

問題用紙に、

 {\Large\frac{5}{6}} {\Large\frac{3}{8}} {\Large\frac{20}{24}} と書きます。

 

 

小学算数レベルの分数のたし算で、

計算の目的が、

共通分母を探し出すことから、

左側の分数を通分することに変わり、

右側の分数を通分することに移り、

2つの分子を足すことに移りながら、

目的に必要な部分だけを狭く見て、

計算しています。

 

このように、

計算の目的に合わせて、

見る部分を狭く絞ることが、

式の形を見ることです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -778)、(+-  {\normalsize {α}} -414)、(分数  {\normalsize {α}} -338)