同じようなかけ算に見えるはずの 3けた×2けたの筆算のかけ算です。ほんのわずかな違いを、乗り越えにくい障害と感じる子がいます。こちらの計算の実況中継で、こちらが出した答えを書かせることで、乗り越えにくい障害を乗り越えた体験をさせてしまいます。

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 27 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算と、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 38 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算の

わずかな違いに戸惑う子です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 27 \\ \hline \end{array}  }}\\ を計算すると、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 27 \\ \hline   2842 \\   812\:\:\:\:\\\hline 10962\end{array}  }}\\ です。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 38 \\ \hline \end{array}  }}\\ を計算すると、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 38 \\ \hline   3248 \\   1218\:\:\,\,\\\hline 15428\end{array}  }}\\ です。

 

 

大多数の子は、

同じ種類のかけ算です。

 

違いを感じません。

 

ですが、

この子には、

乗り越えにくい障害のある計算になります。

 

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 27 \\ \hline   2842 \\   812\:\:\:\:\\\hline 10962\end{array}  }}\\ と、

この子が障害を感じてしまう計算、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 38 \\ \hline   3248 \\   1218\:\:\,\,\\\hline 15428\end{array}  }}\\ を、

見比べます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 27 \\ \hline \end{array}  }}\\ の計算の 2行目は、

406×2 の答え 812 になっています。

 

3けたです。

 

一方で、

この子が障害を感じてしまう計算

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 38 \\ \hline \end{array}  }}\\ の 2行目は、

406×3 の答え 1218 になっています。

 

こちらは、

4けたです。

 

このわずかな違いが、

この子に障害を感じさせます。

乗り越えられない障害です。

 

 

「どうして?」ではなくて、

「そうなのか」なのです。

 

答えが、

3けたではなくて、

4けたになることが障害になり、

乗り越えられない子であることを、

認めて、受け入れて、

計算自体をリードして、

この子の障害を乗り越えさせてしまいます。

 

こちらのリードで、

こちらが出してしまう 2行目の答えを、

1218 と、4けた書かせてしまいます。

 

そして、

自力では乗り越えにくい障害を、

助けられてでも 4けたの答えを書いて、

乗り越えた体験をさせてしまいます。

 

 

この子は、

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 27 \\ \hline \end{array}  }}\\ は、

自力で計算できます。

 

だから、

この計算と同じような計算に感じる

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:\:\:\:\:406 \\ \:\times  \:\:\:\:\: 38 \\ \hline \end{array}  }}\\

 の最初の計算のかけ算、

406×8 でしたら、

自力で計算できます。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  \:\:406 \\ \:\times  \:\:\:38 \\ \hline3248\end{array}  }}\\ と書くことができます。

 

 

次の計算のかけ算が、

この子の障害になりますから、

ここだけを、

こちらの計算の実況中継を見せて手伝います。

 

 {\normalsize {  \begin{array}{rr}  406 \\ \:\:\:\times  \:\:\:\: 38 \\ \hline   3248 \\   1218\:\:\:\,\\\hline \end{array}  }}\\ と書くまで、手伝います。

 

この後のたし算を、

この子はできますから、

子どもの自力計算に任せます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -782)、(×÷  {\normalsize {α}} -154)