(3-2.8× )÷= の計算順を、
次のような一連のことを聞いて、
考えさせて、
答えさせることで、
教えることができます。
いくつものつながりのあることを聞きます。
聞かれた子どもは、
聞かれたことで、
必ず考えます。
考えた結果を答えることで、
実は自分自身と、
こちらに教えます。
ほとんど意識されることがないことですが、
聞かれたことに答える子どもは、
こちらに答えていることはもちろんですが、
自分自身にも答えています。
つまり、教えています。
「計算する前に、
計算順を決めることができる?」のように、
このようなことから聞きます。
聞かれた子は、
問題 (3-2.8× )÷= を見て、
そして内面で、
「計算する前は、今だから」、
「今、この問題の計算順を
決めることができるだろうか?」のように、
自分自身に問い直します。
聞かれた質問を、
このように自分に合うように、
書き直します。
実は、このこと自体、
子どもは言い直すことで、
言い直した質問を出していますから、
人は、何かを出した時に学びますから、
既に学んでいます。
それから、
この問題の計算順は、
まだ計算していない今、
決めることができそう・・・と思って、
「できる」と答えます。
「できる」と答えることを、
この子は出していますから、
出すことで学べることを学びます。
「なるほど」と、こちらは受けて、
「最初は何から?」と聞きます。
つながりのある質問です。
聞かれた子どもは、
「最初に計算するのは・・・」と言い直して、
つまり、自分自身に教えて、
計算順を決めるルールを思い出します。
ここも、思い出すことで、
思い出すこと自体を、
心の中で出していますから、
自分自身に教えています。
① かっこ。
② かけ算とわり算。
③ たし算とひき算。
このようなルールを思い出します。
それから、
問題 (3-2.8× )÷= を、
やや遠くから見る感じで、
式全体を見て、
この 3つのルールを当てはめます。
ここも、
「やや遠くから見ること」と、
「3つのルールを当てはめること」を、
心の中で出すことで、
自分自身に教えています。
「えぇと、最初に計算するのは・・・」と思案して、
問題 (3-2.8× )÷= の一部分
(3-2.8× ) を見て、
かっこですから、
「かっこの中から」と答えます。
ここももちろん、
「かっこの中から」と答えることで、
自分自身に教えています。
「そうですか・・・」のように受けて、
「かっこの中の何から?」と聞きます。
つながりのある質問の 3つ目です。
聞かれた子どもは、
「何からと言われても・・・」のような感じで、
また、問題の一部分
(3-2.8× ) を見て、
計算順を決めるルールを当てはめて、
「かけ算が先で、次にひき算」と答えます。
聞かれた文言を、
おうむ返しに繰り返すのではなくて、
言い換えようとすることや、
ルールを当てはめることや、
言葉にして答えることで、
子どもは学びます。
しかもこの子は、
「何から?」と聞かれたことに、
かっこの中の 2つの計算の
左の − と、右の × を見て、
計算順を決めるルールを当てはめて、
× が先で、
その次に − と決めてから、
「かけ算が先で、次にひき算」と答えます。
子どもの答えを聞いてこちらは、
「かっこの中の何を見ましたか?」と聞きます。
つながりのある質問の 4つ目です。
少し、深めていきます。
聞かれた子どもは、
「えぇと、見たところは・・・」と言い直して、
(3-2.8× ) の中の
− と、× を示しながら、
「これと、これ」と答えます。
子どもは、
やや驚くはずです。
「かけ算が先で、
次にひき算」と答えていますから、
「× に、− を見ているのだし・・・」と、
少し困るはずです。
このように困ることで、
自然に学びが深くなります。
だから、こちらはさらに、
念を押すように聞きます。
「かっこの中の数字は、
計算順を決めるときに必要ですか?」と、
念を押します。
つながりのある質問の 5つ目です。
考えが絞られ始めます。
子どもは、
「えっ、数字?」のような感じになり、
(3-2.8× ) を見ながら、
計算順を決めるルールを思い返して、
数字が必要ないことを、
「なるほど」と納得できて、
「要らない」と答えます。
いまさらのように、
ルールに数字が入っていないことに気づいて、
大げさな言い方をすれば、
何かを発見したような感じで、
計算順を決めるときに、
数字を見ていないことを知り、
学びがかなり深くなります。
ここで、
もう一押しすべきだと感じたこちらは、
「計算順を決めるとき、
数字が要らないとしたら、
数字は、いつ必要ですか?」と聞きます。
つながりのある質問の 6つ目です。
深められるとこまで、深めてしまいます。
こうなると、
「数字が必要なのは・・・」と言い直しながら、
子どもはニヤリとして、
「そうか、計算すときにだけなのだ」と、
納得できて、
「計算するとき」と答えます。
ここまで学べた子は、
計算する前に、
計算順を決めるとき、
数字を見ない子になります。
このような問答をすることで、
計算順を決めるルールを、
子どものものにさせてしまい、
数字を見ないで、
かっこと、×・÷・+・− だけを見ていることに、
ハッキリと気づかせることができます。
疑問文で聞くと、
聞かれた子は、
聞かれた内容を、自分用に言い直してから、
自分に教えるような感じで、
答えを探し出します。
これだけのことですが、
計算順を決めるルールへの
この子の理解が深くなります。
(基本 -790)、(分数 -342)