四則混合の計算順は、計算する前に、決めることができます。数字を見る必要がないからです。計算順を決めるルールに、数字が入っていません。つながりのある質問で、子どもに気づかせることができます。

(3 {\Large\frac{2}{15}}-2.8× {\Large\frac{3}{7}} )÷ {\Large\frac{9}{10}}= の計算順を、

次のような一連のことを聞いて、

考えさせて、

答えさせることで、

教えることができます。

 

いくつものつながりのあることを聞きます。

 

聞かれた子どもは、

聞かれたことで、

必ず考えます。

 

考えた結果を答えることで、

実は自分自身と、

こちらに教えます。

 

ほとんど意識されることがないことですが、

聞かれたことに答える子どもは、

こちらに答えていることはもちろんですが、

自分自身にも答えています。

つまり、教えています。

 

 

「計算する前に、

計算順を決めることができる?」のように、

このようなことから聞きます。

 

聞かれた子は、

問題 (3 {\Large\frac{2}{15}}-2.8× {\Large\frac{3}{7}} )÷ {\Large\frac{9}{10}}= を見て、

そして内面で、

「計算する前は、今だから」、

「今、この問題の計算順を

決めることができるだろうか?」のように、

自分自身に問い直します。

 

聞かれた質問を、

このように自分に合うように、

書き直します。

 

実は、このこと自体、

子どもは言い直すことで、

言い直した質問を出していますから、

人は、何かを出した時に学びますから、

既に学んでいます。

 

それから、

この問題の計算順は、

まだ計算していない今、

決めることができそう・・・と思って、

「できる」と答えます。

 

「できる」と答えることを、

この子は出していますから、

出すことで学べることを学びます。

 

 

「なるほど」と、こちらは受けて、

「最初は何から?」と聞きます。

 

つながりのある質問です。

 

聞かれた子どもは、

「最初に計算するのは・・・」と言い直して、

つまり、自分自身に教えて、

計算順を決めるルールを思い出します。

 

ここも、思い出すことで、

思い出すこと自体を、

心の中で出していますから、

自分自身に教えています。

 

① かっこ。

② かけ算とわり算。

③ たし算とひき算。

このようなルールを思い出します。

 

それから、

問題 (3 {\Large\frac{2}{15}}-2.8× {\Large\frac{3}{7}} )÷ {\Large\frac{9}{10}}= を、

やや遠くから見る感じで、

式全体を見て、

この 3つのルールを当てはめます。

 

ここも、

「やや遠くから見ること」と、

「3つのルールを当てはめること」を、

心の中で出すことで、

自分自身に教えています。

 

「えぇと、最初に計算するのは・・・」と思案して、

問題 (3 {\Large\frac{2}{15}}-2.8× {\Large\frac{3}{7}} )÷ {\Large\frac{9}{10}}= の一部分

(3 {\Large\frac{2}{15}}-2.8× {\Large\frac{3}{7}} ) を見て、

かっこですから、

「かっこの中から」と答えます。

 

ここももちろん、

「かっこの中から」と答えることで、

自分自身に教えています。

 

 

「そうですか・・・」のように受けて、

「かっこの中の何から?」と聞きます。

 

つながりのある質問の 3つ目です。

 

聞かれた子どもは、

「何からと言われても・・・」のような感じで、

また、問題の一部分

(3 {\Large\frac{2}{15}}-2.8× {\Large\frac{3}{7}} ) を見て、

計算順を決めるルールを当てはめて、

「かけ算が先で、次にひき算」と答えます。

 

聞かれた文言を、

おうむ返しに繰り返すのではなくて、

言い換えようとすることや、

ルールを当てはめることや、

言葉にして答えることで、

子どもは学びます。

 

しかもこの子は、

「何から?」と聞かれたことに、

かっこの中の 2つの計算の

左の − と、右の × を見て、

計算順を決めるルールを当てはめて、

× が先で、

その次に − と決めてから、

「かけ算が先で、次にひき算」と答えます。

 

 

子どもの答えを聞いてこちらは、

「かっこの中の何を見ましたか?」と聞きます。

 

つながりのある質問の 4つ目です。

少し、深めていきます。

 

聞かれた子どもは、

「えぇと、見たところは・・・」と言い直して、

(3 {\Large\frac{2}{15}}-2.8× {\Large\frac{3}{7}} ) の中の

− と、× を示しながら、

「これと、これ」と答えます。

 

子どもは、

やや驚くはずです。

 

「かけ算が先で、

次にひき算」と答えていますから、

「× に、− を見ているのだし・・・」と、

少し困るはずです。

 

このように困ることで、

自然に学びが深くなります。

 

 

だから、こちらはさらに、

念を押すように聞きます。

 

「かっこの中の数字は、

計算順を決めるときに必要ですか?」と、

念を押します。

 

つながりのある質問の 5つ目です。

考えが絞られ始めます。

 

子どもは、

「えっ、数字?」のような感じになり、

(3 {\Large\frac{2}{15}}-2.8× {\Large\frac{3}{7}} ) を見ながら、

計算順を決めるルールを思い返して、

数字が必要ないことを、

「なるほど」と納得できて、

「要らない」と答えます。

 

いまさらのように、

ルールに数字が入っていないことに気づいて、

大げさな言い方をすれば、

何かを発見したような感じで、

計算順を決めるときに、

数字を見ていないことを知り、

学びがかなり深くなります。

 

 

ここで、

もう一押しすべきだと感じたこちらは、

「計算順を決めるとき、

数字が要らないとしたら、

数字は、いつ必要ですか?」と聞きます。

 

つながりのある質問の 6つ目です。

深められるとこまで、深めてしまいます。

 

こうなると、

「数字が必要なのは・・・」と言い直しながら、

子どもはニヤリとして、

「そうか、計算すときにだけなのだ」と、

納得できて、

「計算するとき」と答えます。

 

ここまで学べた子は、

計算する前に、

計算順を決めるとき、

数字を見ない子になります。

 

 

このような問答をすることで、

計算順を決めるルールを、

子どものものにさせてしまい、

数字を見ないで、

かっこと、×・÷・+・− だけを見ていることに、

ハッキリと気づかせることができます。

 

疑問文で聞くと、

聞かれた子は、

聞かれた内容を、自分用に言い直してから、

自分に教えるような感じで、

答えを探し出します。

 

これだけのことですが、

計算順を決めるルールへの

この子の理解が深くなります。

 

(基本  {\normalsize {α}} -790)、(分数  {\normalsize {α}} -342)