2-5= のような引くことができないひき算を、見たことがなくても、繰り下がりのある筆算のひき算では、普通に出てきます。引けないことと、1 を付けて引くことだけを教えます。

ひき算は、

たし算の逆の計算です。

 

8+3=11 は、たし算です。

 

11−8= は、ひき算で、

8 に何かを足して、11 にする計算です。

 

たし算の逆なのです。

 

8+3=11 ですから、

8 に、3 を足すと、11 になります。

 

これから、

11−8=3 と計算します。

 

ここまでは、

幼児でも、

小学生でも、

たし算と、ひき算を計算できれば、

計算して確かめることができて、

理解できます。

 

 

ですが、

たし算の答えは、

どのような問題にもあることと、

ひき算の答えは、

答えのある問題のときもあれば、

答えのない問題のときもあるとなると、

急にとても難しい話になります。

 

「答えがある」や、

「答えがない」の言い方が難しいのです。

 

 

ではということで、

言い方をやさしくします。

 

その一つの工夫が、

「たし算はいつもできる」、

「ひき算は、できるときと、

できないときがある」です。

 

つまり、

「足せる?」は、

常に、YESです。

 

「引ける?」は、

YESのときもあれば、

NOのときもあります。

 

このような言い方の工夫で、

たし算と、ひき算を計算できる子に、

身近な話になりますが、

それでも難しさが残ります。

 

 

「引けないとき?」です。

 

ひき算 11−8= は、

引くことができて、

答えは、3 です。

 

8+3=11 ですから、

11-8=3 です。

 

でも、

8−11= となれば、

引くことができませんから、

答えがないのです。

 

つまり、

11 に何かを足して、8 にするような何かが、

ないのです。

 

このように具体的な話にしても、

急にとても難しい内容になります。

 

ですから、

11−8= を計算させますが、

8−11= のようなひき算は、

見せません。

 

計算させないのです。

 

 

さて、

引くことのできないひき算を、

見せないし、

計算させないようにしようとしても、

どうしても、

見せなければならないし、

計算できるように工夫しなければならないのが、

筆算のひき算です。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ のような

繰り下がりのあるひき算です。

 

引くことのできないひき算を、

どうしても見せなければなりません。

 

そして、

見た目、引くことのできないひき算 2-5 を、

工夫して、

計算できるように 12-5

しなければならないのです。

 

 

「引けない」ということと、

「1 を付けて、引けるようにする」だけに、

狭く絞って教えます。

 

筆算の計算の手順から、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ は、

一の位の 2-5= から計算します。

 

でもこの 2-5= は、

引くことができません。

 

だから、

2 に、1 を付けて、

12-5= とすれば、

引くことができます。

 

このように、

答えを出すことだけに狭く絞り込んで、

子どもがまねしやすいように、

アッサリと伝えます。

 

 

例えば、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ の 2 と 5 を示しながら、

「2-5、引けない」とアッサリと伝えて、

すぐに、そうできる理由抜きで、

「12-5=7」と計算してしまいます。

 

少し前に習った暗算のひき算で、

2−5= を見たことがありません。

 

引くことのできないひき算を、

子どもに見せていないからです。

 

ですから、

「2-5、引けない」とだけ伝えます。

 

すると自然に、

聞いている子どもは、

「えっ、引けない・・・ですか?」となるでしょうが、

すぐに続けて、

「12-5=7」とリードしますから、

このひき算には、納得します。

 

「えっ?」となった直後、

「なるほど!」となる順です。

 

しかも、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 32 \\ - 15 \\ \hline \end{array} }} \\ の 5 の真下を示して、

「ここ、しち(7)」とリードして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ と書かせてしまいます。

 

12−5=7 と、

計算したのはこちらですが、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ と書くのは子どもです。

 

自分が計算していませんが、

その答え 7 を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:32 \\ -\: 15\\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\ と書くことで、

不思議と子どもは、

「2-5、引けない」と、

「12-5=7」を受け入れて、

まねしようとします。

 

繰り下がりのある筆算のひき算の

引くことのできないひき算は、

「引けない」ことと、

「1 を付けて、引く」ことを、

アッサリと教えれば、

子どもは、まねすることができます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -795)、(+-  {\normalsize {α}} -423)