5+1= のような 1 を足すたし算は、
たし算の初歩です。
5 を見て、「ご」と読み、
1 を見て、
「ご」から、1回限定の数唱で、「ろく」と唱え、
= の右に、
音「ろく」を、6 と書きます。
このようなことを、
このような順にできれば、
問題 5+1= を、
5+1=6 と計算できます。
こうすれば計算できること知っているこちらは、
子どもが、
5+1= のような 1 を足すたし算に、
進む前の事前準備として、
この 5+1= の計算で使う 3つの力、
数字の読みと、数唱と、数字の書きを、
それぞれできるようにしておきます。
その後で、
子どもに、
5+1= のような 1 を足すたし算の
答えの出し方を教えます。
十分な事前準備を終えた子は、
5+1= のような 1 を足すたし算を、
楽に計算できるだろうと、
こちらは思うのですが、
そう簡単にはいきません。
5+1= の答え 6 を出すときの
数字の読みと、数唱と、数字の書きは、
それぞれを修得したときの練習と、
似ていて、でも違うために、
子どもはすぐに、
「あぁ、あれだ・・・」と、
結び付かないのです。
しかも、
数字の読みを練習するときは、
数字の読みだけの練習で、
数唱や、数字の書きとは、
まったく関連を付けていません。
数唱の練習は、
「いち、に、さん、し、ご、・・・」と、
順に唱えるだけですから、
数字の読みや、書きとの関連を付けていません。
数字の書きの練習は、
短い線を引くような運筆の練習から始めて、
少しずつ書く力を育てますから、
数字の読みや、数唱との関連を付けていません。
もちろん、
1~120 の数字の表を順に読ませる練習は、
数字の読みと、数唱が少しは関連しますが、
それでも、
少しだけです。
つまり、
5+1= の答え 6 を、
数字の読みと、数唱と、
数字の書きの組み合わせで、
5+1=6 と書くことが、
できるようになるための事前準備は、
あくまでも事前準備であって、
実際に、5+1= を計算するとき、
少しは役に立つ程度なのです。
もちろん事前準備をしておくことで、
5+1= を計算できるようになるのですから、
事前準備は必要です。
このように理解しておくと、
次のような実況中継で、
5+1= のような 1 を足すたし算の
答えの出し方を見せるとき、
子どもが、
こちらが実況中継で見せる答えの出し方を、
まねできるようになるまで、
10問~20問必要であることを、
理解して、受け入れることができるでしょう。
5+1= の 5 を無言で示して、
「ご」と声に出して読み、
1 を示して、
「ろく」と、声に出して数え、
= の右を示して、
「ろく」と言います。
このような実況中継を見た子は、
5+1=6 と、
数字を書く力を使って書きます。
でも、
自分が修得している数字の読みと、
数唱と、数字の書きだけを使って、
5+1= の答え 6 を出して、
5+1=6 と書いていることに、
まったく気が付いていません。
子どもの心の中は、
「どうやっている・・・?」のような感じです。
そして、
まったく理解できない
一連の操作を見ることで、無意識に、
自分にブレーキを掛けてしまいます。
事前準備で修得している数字の読みや、
数唱や、数字の書きの力に、
ブレーキが掛かって、
自力で使うことができない状態になります。
でも、
不思議なことに、
こちらの答えの出し方を、繰り返し見て、
こちらが出した答えを書くことで、
この子が、
無意識に掛けたブレーキが、
数字の読みや、数唱や、数字の書きで、
少しずつ外れて、
事前準備で修得できている
数字の読みや、数唱や、数字の書きの力が
戻り始めると同時に、
互いに関連付けて使うことを理解します。
例えば、
別の問題 3+1= の左に書いてある 3 を、
「さん」と読むことと、
この「さん」から、1回だけ、
「し」と唱える数唱が、
この順に関連付きます。
そして、
「し」を出せた後、
= の右に、
3+1=4 と書くことが、
この順に関連付きます。
こちらの答えの出し方の実況中継を、
10問~20問と見るだけで、
この子の内面で、
このようなことが起こり、
そして、まねして計算できるようになります。
こうなったとき、
事前準備で修得していた
数字の読みや、数唱や、数字の書きは、
互いに関連付くことまで知ったことで、
高いレベルにまで育っています。
(基本 -796)、(+-
-424)