分数のたし算やひき算は、通分してから足したり引いたりします。ひき算の通分を初めて習うとき、「通分」が独立していないと、「たし算の通分」と、「ひき算の通分」の 2つの「通分」になる子がいます。

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{5}{8}}=1 {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{10}{8}} {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{8}{8}}=1 と、

おかしな計算をする実例です。

 

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{5}{8}}=1 {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{2}{8}}= ではなくて、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{5}{8}}=1 {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{5}{8}}= とすれば、

正しい計算になります。

 

 

問題 1 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{5}{8}}= は、

通分が必要なひき算です。

 

実は、

初めての通分が必要なひき算です。

 

たし算の通分は、慣れています。

 

 {\Large\frac{1}{12}} {\Large\frac{3}{16}}= や、

 {\Large\frac{1}{12}} {\Large\frac{1}{14}}= のような通分もできる子です。

 

 

このような

難しいたし算の通分もできるのですから、

問題 1 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{5}{8}}= の通分でしたら、

楽にできるはずと思うのですが、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{5}{8}}=1 {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{2}{8}}= のようなミスをします。

 

理由は実に単純です。

 

通分が、

たし算に従属していて、

独立していないからです。

 

「通分」ではなくて、

「たし算の通分」になっています。

 

 

ですから、

「たし算の通分」も、

「ひき算の通分」も、

同じ操作との捉え方を、

まだできない子です。

 

「通分」が、

分数の分母を、

共通分母にそろえる操作と、

捉えることができていません。

 

 

こうなっている子ですから、

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{5}{8}}=1 {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{2}{8}}= の直し方を教える目的を、

たし算に従属している「たし算の通分」を、

たし算から独立させて、

「分母をそろえる操作」と捉えさせることにします。

 

 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{5}{8}}=1 {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{2}{8}}= の

計算前の 1 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{5}{8}}= の

2つの分母 4 と 8 を示して、

「下を、8 にそろえる」、

そして、

計算後の 1 {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{2}{8}}= の

2つの分母 8 と 8 を示して、

「下 8、合っている」です。

 

次に、

計算後の 1 {\Large\frac{2}{8}} {\Large\frac{2}{8}}= の

左の分子 2 を示して、

「上 2、合っている」です。

 

そして、

右の分数  {\Large\frac{2}{8}} を示して、

「これ」と言ってから、

計算前の 1 {\Large\frac{1}{4}} {\Large\frac{5}{8}}= の

右の分数  {\Large\frac{5}{8}} を示して、

「これ」とリードします。

 

「たし算の計算と同じようにするらしい」や、

「こっちは変えないのか・・・」と、

言葉にならない言葉で理解して、

「たし算の通分」が、

「ひき算の通分」になるようです。

 

つまり、

「たし算の通分」も、

「ひき算の通分」も、

同じ操作をしていることに気付きます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -835)、(分数  {\normalsize {α}} -358)