2けたの筆算のひき算の一の位だけを、先に計算してしまう子です。一の位の次に、十の位のひき算に移ることを、この子の内面の何かが邪魔しています。計算スピードを速くする手伝いで、その何かを取り去ることができます。

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ -\: 15 \\ \hline \end{array} }} \\  、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ -\: 17 \\ \hline \end{array} }} \\  、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ -\: 19 \\ \hline \end{array} }} \\  、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ -\: 26 \\ \hline \end{array} }} \\  、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ -\: 28 \\ \hline \end{array} }} \\  と、縦に 5問並んでいます。

 

この子の答えの出し方は、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ -\: 15 \\ \hline \:\:\:\:9\end{array} }} \\  、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ -\: 17 \\ \hline \:\:\:\:7\end{array} }} \\  、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ -\: 19 \\ \hline \:\:\:\:5\end{array} }} \\  、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ -\: 26 \\ \hline \:\:\:\:8\end{array} }} \\  、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 54 \\ -\: 28 \\ \hline \:\:\:\:6\end{array} }} \\  と、

縦に 5問の一の位の答えだけを書きます。

 

「変な書き方をしている」、

「1問ずつ、計算させなければ・・・」としません。

 

これは、

この子の答えの出し方です。

 

1問ずつ、答えを出す計算の仕方は、

「変な書き方をしている」、

「1問ずつ、計算させなければ・・・」と感じる方の

答えの出し方です。

 

この子の答えの出し方が、

こう感じる方の答えの出し方と、

違っているだけのことです。

 

 

重要なことは、

このような答えの出し方をする子の

今現在の計算の力を、

正しく評価することです。

 

〇〇-〇=  の答えを出す感覚を持っています。

 

14-5=9  や、

14-7=7  や、

14-9=5  や、

14-6=8  や、

14-8=6  を、

正しく計算できているからです。

 

さらに、

 {\normalsize { \begin{array}{rr}63 \\ -\: 39 \\ \hline \end{array} }} \\  のような筆算の繰り下がりの計算に、

慣れています。

 

計算手順(アルゴリズム)を、

理解して、正しく使えます。

 

このような計算力を、

この子は、持っていて、

使うことができます。

 

 

であれば、

この子の計算スピードを速めることができます。

 

1問ずつ完成させることが、

できない何かがあるのです。

 

その何かが、

何なのか分からなくても、

計算スピードを速めることで、

この子は、

1問ずつ完成させることができる力を、

確実に持つことができるからです。

 

 

でも、

この子の計算スピードを速くするためのリードは、

1問ずつ完成させる計算にします。

 

1問ずつ計算できるように、

入れ替えさせるためではありません。

 

1問ずつ完成させる力を、

この子が持てない何かを、

この子から取り去るためです。

 

計算スピードを速めた結果、

1問ずつ完成させる力を持つ邪魔が、

この子から消えた後も、

この子は、

1問ずつ完成させる計算をしないこともあります。

 

それは、

この子の自由です。

 

でも、

1問ずつ完成させる力を持つ邪魔は、

手伝って、

取り去ってしまいます。

 

 

以下のような実例で、

実況中継型リードをします。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr}63 \\ -\: 39 \\ \hline \end{array} }} \\  の 3 と 9 を示して、

「3-9=、引けない」、

「13-9=4」とひき算を計算して、

9 の真下を示して、

「ここ、4」です。

 

この子はすぐ、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 63 \\ -\: 39 \\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\  と書きます。

 

一の位のひき算は、

慣れています。

 

続いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 63 \\ -\: 39 \\ \hline \:\:\:\:4\end{array} }} \\  の 6 を示して、

「1 減って、5」、

6 の真下の 3 を示して、

「5-3=2」とひき算を計算して、

39 の 3 の真下を示して、

「ここ、2」です。

 

十の位のひき算に、

やや抵抗しながらも、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} 63 \\ -\: 39 \\ \hline\:\:24\end{array} }} \\  と書きます。

 

30秒もかからないで、

答えを書き終わる速いスピードです。

 

同じような実況中継型リードで、

5~6問の答えを書き終える手伝いです。

 

この 5~6問は、

速いスピードのひき算を体験しますから、

1問ずつ完成させることを邪魔している何かが、

確実に弱くなります。

 

こうして、

この子の内面で、

この子の計算を邪魔する何かを、

取り去る手伝いをします。

 

(基本 {\normalsize {α}} -915)、(+-  {\normalsize {α}} -490)