4元1次連立方程式に、「×(バツ)」が付いて、自力で直せない子から、「どうやるの?」と聞かれます。解いて、答えを出したから、「×(バツ)」が付いています。解くことができる子です。解き直すこともできます。

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y-z+w=10\\x+3y-4z+5w=26\\x+4y-7z+7w=37\\x+2y-3z+6w=22\end{array}\right.\end{eqnarray}}   の連立方程式を、

解いた結果、「×(バツ)」が付きます。

 

自力で直そうとしても、

直せないで、

「どうやるの?」と聞きます。

 

 

さて、

間違えて、

「×(バツ)」が付いたら、

解き直すだけです。

 

間違えている箇所を探して、

そこを、正しく直して・・・と、

しようとすると、

もっと高いレベルの数学の力が必要です。

 

間違えた子が、

自力でできることではないのです。

 

解き直すことでしたら、

自力でできます。

 

解いて、

答えを出したから、

間違えていることが分かり、

「×(バツ)」が付いています。

 

間違えた答えであっても、

解くことはできます。

 

 

「どうやるの?」と聞かれたこちらは、

この方程式の解き方から教えるつもりで、

解き直すことをリードします。

 

この子に教えるこちらは、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y-z+w=10\\x+3y-4z+5w=26\\x+4y-7z+7w=37\\x+2y-3z+6w=22\end{array}\right.\end{eqnarray}}   から、

x 、y 、z 、w それぞれの前の数(係数)を、

配置をそのままに、

\begin{matrix}1\:\:\:\:\:\:\:\:1\:\:\:\:\,-1\:\:\:\:\:\:\:\:1\\1\:\:\:\:\:\:\:\:3\:\:\:\:\,-4\:\:\:\:\:\:\:\:5\\1\:\:\:\:\:\:\:\:4\:\:\:\:\,-7\:\:\:\:\:\:\:\:7\\1\:\:\:\:\:\:\:\:2\:\:\:\:\,-3\:\:\:\:\:\:\:\:6\end{matrix}  のように見ています。

 

そして、

x の係数は、すべて同じ 1 で、

y の係数は、1、3、4、2 の順ですが、

1 ずつ違うことに気付きます。

 

この気付きから、

x を消すことにして、

残った y の係数が、1 になるように、

計算の仕方を工夫します。

 

 

まず、

この子に、

式変形を伝えるために、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}x+y-z+w=10\;\;\;\;\;\;\;\;・・・①\\x+3y-4z+5w=26・・・②\\x+4y-7z+7w=37・・・③\\x+2y-3z+6w=22・・・④\end{array}\right.\end{eqnarray}}   と、

式に番号を付けさせます。

 

そして、

「 x を消す」と言ってから、

「 ④−① 」と書かせて、

「 y-2z+5w=12」を、

リードしながら書かせてしまいます。

 

「 ④−① 」を計算する理由を言いません。

 

それだけではなくて、

「始めから、解き直します」、

「 x 、y 、z 、w の係数を見比べます」、

「 x を消します」、

「残る y の係数が、1 になるように、

x を消します」のようなことを教えません。

 

教えて理解させると、

「教えてもらえる」甘えが育ちます。

 

理由を教えないで、

解き直し方だけをリードすれば、

「どうしてだろう?」と、

この子は、自動的に考え始めます。

 

これが、

自分から工夫する主体性を刺激します。

 

 

続いて、

「②−④」と書かせて、

「 y-z−w=4」を、

同じようなリードで、書かせてしまいます。

 

それから、

「③−②」と書かせて、

「 y−3z+2w=11」と書かせてしまいます。

 

次に、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}y-2z+5w=12\\y-z-w=4\\y-3z+2w=11\end{array}\right.\end{eqnarray}}   までリードして、

「何を消す?」と聞いて、

子どもから答えが出なければ、

「 y を消す」と指定して、

計算させます。

 

子どもから、

「どうやるの?」と聞かれたら、

このようなリードで、

確実に前に進めます。

 

ヒントを出して終わりにしません。

 

(基本  {\normalsize {α}} -929)、(分数  {\normalsize {α}} -397)