約分は、計算の流れをつかむことが難しい計算です。仮分数を整数に変える計算の流れが、とてもシンプルなために、似たような計算の流れを、約分用に、生み出してしまいます。もちろん、間違えた計算の仕方です。

 {\Large\frac{7}{14}}=2  や、

 {\Large\frac{7}{21}}=3  と計算する子です。

 

この子は、

少し前にならった計算を、

引きずっています。

 

仮分数   {\Large\frac{12}{4}}=  を、

整数 3 に変える計算を、

引きずっています。

 

仮分数   {\Large\frac{12}{4}}=  は、

分子 12 を、分母 4 で割って、

12÷4=3  と計算します。

 

「上÷下」の計算です。

 

この子は、

この「上÷下」を引きずっています。

 

 

 {\Large\frac{7}{14}}=  や、 {\Large\frac{7}{21}}=  は、

約分です。

 

仮分数   {\Large\frac{12}{4}}=  を、

整数 3 に変える計算と、

まったく関係の無い計算です。

 

それなのにこの子は、

 {\Large\frac{7}{14}}=  を、

「下÷上」と計算して、

14÷7=2  を出して、

 {\Large\frac{7}{14}}=2  と書きます。

 

同じように、

 {\Large\frac{7}{21}}=  を、

「下÷上」と計算して、

21÷7=3  を出して、

 {\Large\frac{7}{21}}=3  と書きます。

 

「なるほどなぁ」、

「こう考えることもあるだろうけれど・・・」と、

この子が創造した計算を、

工夫したことに感心しますが、

「さて、どうしたものか・・・」と悩みます。

 

 

自分が知っている計算を工夫して、

計算することや、

自力で答えを出そうとするこだわりの強さを、

認めながらも、

約分のゲームは、

仮分数を整数に変えるゲームと違うことに、

「なるほど、まったく違う計算だ」と、

気付かせたいのです。

 

ですから、

「すぐに約分のゲームをつかむさ」と、

この子をポジティブに受け入れて、

こちらの計算を、

実況中継型リードで、見せるようにします。

 

以下は、

見せ方の実例です。

 

 {\Large\frac{7}{14}}=  を示して、

「7で」、

分子 7 を示して、

「7÷7=1」、

「上、1」とリードして、

 {\Large\frac{7}{14}} {\Large\frac{1}{\:\:\:}}  と書かせます。

 

続いて、

分母 14 を示して、

「14÷7=2」、

「下、2」とリードすれば、

子どもが、

 {\Large\frac{7}{14}} {\Large\frac{1}{2}}  と書きます。

 

 

 {\Large\frac{7}{21}}=  も同じような見せ方です。

 

同じような形を繰り返すことで、

子どもに残りやすくなります。

 

 {\Large\frac{7}{21}}=  を示して、

「7で」、

分子 7 を示して、

「7÷7=1」、

「上、1」とリードして、

 {\Large\frac{7}{21}} {\Large\frac{1}{\:\:\:}}  と書かせます。

 

続いて、

分母 21 を示して、

「21÷7=3」、

「下、3」とリードすれば、

見ていた子は、

 {\Large\frac{7}{21}} {\Large\frac{1}{3}}  と書きます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -947)、(分数  {\normalsize {α}} -403)