2元1次連立方程式を解く前に、「何を、消す?」と、「どうするの?」を聞き続けます。すると自然に、自動的に、係数だけが、同じ配置で見えるようになります。

2元1次連立方程式

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+y=15\end{array}\right.\end{eqnarray}}  の答えを出せない子です。

 

まだ、見えるようにならないようです。

 

 

2元1次連立方程式を、解く前に、

「何を、消す?」と聞き続けます。

 

この  {\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+y=15\end{array}\right.\end{eqnarray}}  でしたら、

「 y 」と、

普通は答えます。

 

続いて、

「どうするの?」と聞き続けます。

 

これも普通でしたら、

下の式を、3倍して、

27x+3y=45  に変形して、

上の式から、

この変形した式を引いて、

-22x=-44  を出す・・・ようなことを、

答えてくれます。

 

 

解く前に、

「何を、消す?」と、

「どうするの?」を、

聞き続けます。

 

そうするだけで、

子どもは自然に、自動的に、

x と、y に付いている係数を、

その位置のまま、

並んだ状態で見るようになります。

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+y=15\end{array}\right.\end{eqnarray}}  でしたら、

\begin{matrix}5\:\:\:3\\9\:\:\:1\end{matrix}  です。

 

このように数字が、

並んでいる状態が見えるようになります。

 

 

線形代数学を習い、

行列を知ることで、

この  \begin{matrix}5\:\:\:3\\9\:\:\:1\end{matrix}  が、

行列であることが分かりますが、

それはずっと後のことです。

 

線形代数学を習うまで待たなくても、

「何を、消す?」と、

「どうするの?」を、

解く前に聞き続けて、

決めさせれば、

子どもは自然に、自動的に、

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+y=15\end{array}\right.\end{eqnarray}}  から、

\begin{matrix}5\:\:\:3\\9\:\:\:1\end{matrix}  が見えるようになります。

 

そして、

\begin{matrix}5\:\:\:3\\9\:\:\:1\end{matrix}  を見て、

「 y 」を消すことと、

下の式を 3倍して、

上の式から引くことを、

思い付きます。

 

 

{\begin{eqnarray}\left\{\begin{array}{1}5x+3y=1\\9x+y=15\end{array}\right.\end{eqnarray}}  の答えを出せない子は、

まだ、

\begin{matrix}5\:\:\:3\\9\:\:\:1\end{matrix}  が、

見えるようになっていないようです。

 

このような子と分かっていても、

「何を、消す?」と、

解く前に聞きます。

 

1~2秒待って、

答えられないようであれば、

「 y 」とだけ教えます。

 

こうしてから、

「どうするの?」と、

やはり、解く前に聞きます。

 

「 y 」を消すと分かった後ですから、

この子は、

頭の中で式を動かして、

「下の式を、3倍」のようなことと、

「上の式から引く」ようなことを答えてくれます。

 

このとき、

意識できないままですが、

この子は、

\begin{matrix}5\:\:\:3\\9\:\:\:1\end{matrix}  を、

ボンヤリと見ています。

 

(基本  {\normalsize {α}} -962)、(分数  {\normalsize {α}} -410)