繰り下がりのあるひき算が普通になると、繰り下がりのないひき算は、おかしな話しですが、普通ではありません。計算できなくなる子がいます。

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 11 \\ \hline \end{array} }} \\  で、計算の手が止まります。

 

繰り下がりがありません。

上から下を引くだけです。

できたはずの計算です。

 

それなのに、

できなくなっています。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 17 \\ \hline \end{array} }} \\  このような繰り下がりを知ったために、

できなくなっています。

 

 

さて、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 11 \\ \hline \end{array} }} \\  の答えの出し方は、

一の位の  6-1=5  を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:36 \\ -\: 11\\ \hline \:\:\:\:5\end{array} }} \\  と書いて、

十の位の  3-1=2  を、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:36 \\ -\: 11\\ \hline \:25\end{array} }} \\  と書くことです。

 

子どもは、

数問で修得してしまいます。

 

すぐなのです。

 

 

そして、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 17 \\ \hline \end{array} }} \\  のような

繰り下がりのあるひき算に進みます。

 

この  { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 17 \\ \hline \end{array} }} \\  の答えの出し方も、

パターン化してしまえば、

一の位のひき算を、

「6-7=  できない」、

「16-7=9」として、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:36 \\ -\: 17\\ \hline \:\:\:\:9\end{array} }} \\  と書いて、

十の位のひき算を、

「3 は、1 減って、2」、

「2-1=1」として、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:36 \\ -\: 17\\ \hline \:19\end{array} }} \\  と書くことです。

 

 

繰り下がりのひき算に慣れてしまえば、

「引けないときは、1 を付けてから引く」と、

「左隣が、1 減る」だけのことですが、

上から下を引くだけで答えを出すことができる

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 11 \\ \hline \end{array} }} \\  と、大きく違う答えの出し方に、

戸惑って、

混乱するのが普通です。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 11 \\ \hline \end{array} }} \\  を数問で修得できたことに比べて、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 17 \\ \hline \end{array} }} \\  を修得するまで、

10倍や、100倍の練習が必要になります。

 

とても多くの問題を練習して、

繰り下がりのひき算の

混乱から抜き出ます。

 

 

こうなると子どもは、

繰り下がりのある  { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 17 \\ \hline \end{array} }} \\  が普通になります。

 

この子に、

繰り下がりのない  { \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 36 \\ - 11 \\ \hline \end{array} }} \\  を計算させると、

繰り下がりがあるのが普通の子ですから、

普通ではない問題になります。

 

とてもおかしな話しですが、

計算できないのです。

 

今の普通を基準に判断するからです。

 

(基本  {\normalsize {α}} -983)、(+-  {\normalsize {α}} -522)