繰り下がりの有無で、大きく違う計算の仕方に、ひどく混乱した子に、判で押したような一定の答えの出し方を教えると、子どものよりどころになります。

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 25 \\ \hline \end{array} }} \\  は、

繰り下がりがありません。

 

6-5=1  、

7-2=5  と引いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 25\\ \hline \:51\end{array} }} \\  と書きます。

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 36 \\ \hline \end{array} }} \\  も、

やはり、

繰り下がりがありません。

 

6-6=0  、

7-3=4  と引いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 36\\ \hline \:40\end{array} }} \\  と書きます。

 

 

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 58 \\ \hline \end{array} }} \\  は、

繰り下がりがあります。

 

6-8=  計算できないので、

16-8=8  と引いて、

7 を、1 減らして、6 にして、

6-5=1  と引いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 58\\ \hline \:18\end{array} }} \\  と書きます。

 

 

同じように見えるひき算なのに、

「1 を付けないまま引く」こともあれば、

「1 を付けて引く」こともあります。

 

答えの出し方が、

かなり違います。

 

捉えどころがないままに、

翻弄されています。

 

ひどく混乱しているのに、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 75 \\ - 75 \\ \hline \end{array} }} \\  このような計算まで練習します。

 

5-5=0  、

7-7=0  と引いて、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:75 \\ -\: 75\\ \hline \:00\end{array} }} \\  とは書かないで、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:75 \\ -\: 75\\ \hline \:\:\:\:0\end{array} }} \\  と書きます。

 

すでに、

ひどく混乱しています。

 

このような計算問題で、

混乱がひどくなります。

 

 

このような子に、

こちらができることは、

嵐の海原を照らす灯台になることです。

 

混乱しているのは、

この子です。

 

そして、

この子を混乱させていることが、

繰り下がりの有無で、

答えの出し方が大きく違うことです。

 

この子ではないこちらは、

混乱していません。

 

混乱していないこちらが、

闇夜を照らす灯台になります。

 

灯台になることが、実は、

ひどく混乱しているこの子に、

こちらの教え方を、

一定の出方に固定することです。

 

 

例えば、

{ \normalsize { \begin{array}{rr}\:\:\:\: 76 \\ - 58 \\ \hline \end{array} }} \\  の 6 と 8 を、

同じような動作で示して、

同じような口調で、

「6-8= 、できない」、

「16-8=8」と引いて、

同じような動作で、

8 の真下を示します。

 

動作や、セリフや、口調まで

同じような出方で教えられたら、

ひどく混乱している子どもは、

安定して、

同じであることに救われます。

 

そして、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 58\\ \hline \:\:\:\:8\end{array} }} \\  と書きます。

 

 

こちらは、

同じような出し方の教え方を続けます。

 

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 58\\ \hline \:\:\:\:8\end{array} }} \\  の 7 を、

同じような動作で示して、

「1 減って、6」、

「6-5=1」と引いて、

同じような動作で、

5 の真下を示します。

 

同じ出方に救われながら、

子どもは、

 {\normalsize { \begin{array}{rr} \:\:\:\:76 \\ -\: 58\\ \hline \:18\end{array} }} \\  と書きます。

 

嵐の闇夜に、

灯台の光を見るように、

ひどく混乱しているこの子は、

こちらの安定した一定の出し方に救われます。

 

(基本  {\normalsize {α}} -992)、(+-  {\normalsize {α}} -527)